オピニオン/保健指導あれこれ
禁煙指導のかんどころ

No.1 第7回日本禁煙科学会学術総会に参加して

勤労者健康科学研究所
斎藤 照代
 2012年11月17日・18日、岩手県盛岡市で「第7回日本禁煙科学会学術総会」が開催されました。

 「日本禁煙科学会」とは、「日本禁煙学会」と並ぶ日本の2大禁煙学会の一つであり、ヘルスプロモーションに基づいた政策提言の基礎となる幅広く質の高い禁煙研究を推進するために2006年に設立された学会です。現在の理事長は、奈良女子大学教授で禁煙マラソン主宰でもある高橋裕子先生です。2012年は震災の記憶がまだ新しい東北がその開催地に選ばれました。

 保健指導者がそのスキルを高めるうえで学会への参加は、極めて重要であると考えられます。なぜなら医療は、日進月歩であり日々新たな知見が生まれ指導者である私たちは当然、その最新の知見に基づく対応が求められるからです。

 また自身の日々の取り組みを振り返り、そこから役立つ知見を発見しテーマを持って研究に取り組むことも保健指導者の資質を高めていくうえで欠かせないことの一つであると言えるでしょう。学会は、最新の情報提供の場であり、専門的な問題を高いレベルで議論する場でもあります。

 その意味で言えば、およそ喫煙と健康の問題ほど科学的根拠がまとめられているものはないと言えるでしょう。私も、ほぼ毎年、本学会に参加し研究発表等を含め自らの禁煙支援のスキルアップに務めています。

 2012年の本学会で特に興味深かったのは、今後の日本の喫煙対策の方向性を取り上げたセッションでした。まずは厚労省のたばこ対策専門官より、2013年よりスタートする第2次「健康日本21」において初めて成人喫煙率の数値目標が設定されることとなったとの紹介がありました(図1)。

※図1 (画像をクリックすると大きいサイズの図(PDF)が開きます)

アルコールと保健指導
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