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健康増進と生活の両立は難しい 時間配分の工夫が必要

 「運動になかなか取り組めないのは、仕事や家事が忙しいから」という人は多いが、家事に時間をとられてしまい運動に手が回らないという人も多いのではないだろうか。特に家庭を支える主婦は食事の支度や育児に多くの時間をとられる。

 「多くの人にとって、家事にあてる時間が10分増えただけでも、それだけ運動のために使える時間が減るというのが実情です。運動をする時間をつくりたいのなら、生活全体を見直す工夫が必要です」と、研究者は指摘している。
運動や身体活動に必要な時間は1日に45分
 肥満や生活習慣病の予防・改善のために運動が必要であることを多くの人が理解していても、実際に運動を十分に行っている成人は半分以下という調査結果を、米疾病対策センター(CDC)が発表した。

 米国が定める運動ガイドラインでは、ウォーキングなどの中強度の有酸素運動を週に2時間30分以上、1回につき10分以上の長さで行うことが推奨されている。

 それでも運動としてウォーキングに取り組む人は増えており、米国成人の約10人に6人がウォーキングを通じて体を活発に保っているという。

 「運動習慣のない人でも、多くは"運動をはじめたい"という意欲をもっています。今回の調査で、意外なものが運動を妨げていることが判明しました。それは1日の時間配分です」と、オハイオ州立大学の(公衆衛生学)のレイチェル テューミン氏は話す。

 テューミン氏ら研究チームは、米国の11万2,000人以上の成人を対象とした調査結果を解析した。調査ではある特定の日に調査日を定め、その前日の生活習慣に関するアンケートを全国で行われた。1日をブロックで区切り、仕事や家事、家庭で過ごす余暇時間などに振り分けて統計がとられた。

 米国人は家事に多くの時間を費やしている。家事の中で、もっとも時間がかかるのは、食事の支度であることがわかった。1日に食事の支度に要した平均時間は、男性は17分、女性は44分だった。

 一方、調査の前日に運動をしたという男性は16%、女性は12%だった。運動時間の平均は、男性は19分、女性は9分と少なかった。

 多くの人は、仕事や家事、育児などに割いた時間の残りを、食事の支度や運動のために使っていることが判明した。これは、食事を支度する時間が長引けば、それだけ運動にあてられる時間は減少することを意味する。

 「運動や身体活動に必要な時間は1日に45分程度です。45分の時間を作るために、私たちは生活の全体をみて調整をする必要があります」と、テューミン氏は話す。

 多くの人は1日を忙しく過ごしていて、特にフルタイムで働いている人や、子供をもっている人は、時間の配分が難しくなる。生活者を対象に詳しいアンケート調査を行ったところ、仕事や家事、育児などの時間は、1日の日課として固定されている人が多いことが判明したという。一方で、調整を行いやすいのは、食事の準備と運動に費やす時間であることもわかった。

 ふたつの生活行動は二律背反しており、追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという関係にある。この傾向は、未婚者よりも家庭をもっている既婚者や、子供のいる家庭でより顕著だった。

 「保健指導を行う者は、指導を受ける生活者の1日の時間配分にまで気を配る必要があります。運動が健康に良いことをいくら説明しても、実際には運動のための時間をとれないという人も多くいます。そうしたときには、効率的な時間配分を行う手段を一緒に考えてあげる必要があります」と、テューミン氏は結論を述べている。

Exercise or Make Dinner? Study Finds Adults Trade One Healthy Act for Another(オハイオ州立大学 2013年4月12日)

[Terahata]
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