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30代後半女性の体力が最低に 高齢者は過去最高 体力・運動能力調査
2017年10月12日
スポーツ庁は「2016年度体力・運動能力調査」の結果を公表した。
握力や上体起こしなどの新体力テストの点数の合計で、30歳代後半の女性が直近19年間で最低となったことが明らかになった。
女性では30歳~40歳で体力の低下傾向がみられ、男性でも30歳代後半~40歳代前半で低下している。
働き盛り世代や、育児や介護で忙しい世代の運動離れが背景にあるとみられる。同庁は「運動したくてもできない人が多い。まずはウォーキングなどスポーツに気楽に取り組んで、運動習慣を身につけてほしい」としている。
握力や上体起こしなどの新体力テストの点数の合計で、30歳代後半の女性が直近19年間で最低となったことが明らかになった。
女性では30歳~40歳で体力の低下傾向がみられ、男性でも30歳代後半~40歳代前半で低下している。
働き盛り世代や、育児や介護で忙しい世代の運動離れが背景にあるとみられる。同庁は「運動したくてもできない人が多い。まずはウォーキングなどスポーツに気楽に取り組んで、運動習慣を身につけてほしい」としている。
35~39歳女性の運動能力が最低に
調査は全国の6~79歳の男女約6万4,000人からデータをもとにしている。新体力テストは年代によって異なり、握力、上体起こし、反復横とび、ソフトボール投げ、50m走、20mシャトル走、6分間歩行など、それぞれの年代の種目の合計点で評価した。
その結果、成人(20~64歳)の合計点(60点満点)では、30歳代後半から40歳代前半の男性、30歳代前半から40歳代後半の女性を除き、おおむね横ばいか向上傾向を示した。
このうち35~39歳の女性の合計点は35.48点で、これまでもっとも高かった1999年より2.5ポイント低くなった。1998~2003年度までは37点台で推移していたが、それ以降は低落傾向にある。特に持久力と瞬発力の関わる種目で伸び悩んでおり、筋力全般の低下がうかがえる結果になった。
高齢者の体力は向上 75~79歳女性で最高を更新
一方、高齢者(65~79歳)の合計点は上昇傾向にあり、特に75~79歳の女性は35.45点で、3年連続で過去最高を更新し、1998年度からは6ポイント近く上がった。高齢者はいずれの世代・性別でも、この20年で5~6ポイント前後と大幅に向上しており、体力と運動能力の確実な増進が確認された。
青少年(6~19歳)の合計点では、ほとんどの年代で運動能力の改善傾向が続いているが、項目別では男性の握力と男女のボール投げが依然低下傾向を示した。特に19歳男性の握力は1998年度以降で過去最低の41.65kgで、ピークから3kg以上落ちていた。
運動のストレス解消効果を「感じる」 全世代で90~95%
2016年度体力・運動能力調査では、1998年度に新体力テストを採用して以来初めて質問項目が追加された。運動やスポーツのもつ価値をより多面的にとらえることを目的としている。
幼児期の外遊びとその後の10歳時の運動習慣・体力との関係を調べたところ、男女とも入学前に外遊びをしていた頻度が高いほど、現在の運動・スポーツ実施状況が高く、テストの合計点も高いことが分かった。外遊びが「週6日以上」と答えた男子の合計点は「週1日以下」の男子よりも5ポイント、同じ比較では女子も8ポイント程度高くなった。
運動のストレス解消効果についても尋ねた。運動・スポーツのストレス解消効果については「大いに感じる」「まあ感じる」と答えた割合は全世代で90~95%程度にのぼった。実施率が低い世代も含め、運動の価値を感じている人が多いことが示された。
また、週1日以上運動・スポーツを実施している群では、週1日未満の群に比べ、毎日の生活が「充実している」と答えた人の割合が男女ともにすべての年代で高く、平均して約1.5倍多くなった。
長い時間歩けますか? 体力の高さが生活の充実につながる
高齢者(65~79歳)について、ADL(日常生活活動)テストの質問項目から、日常生活の基本となる歩行について着目し、運動習慣および生活の充実度との関連について分析した。
その結果、運動・スポーツを日常的に実施すると、長い時間歩けることに代表されるような体力が向上することが示された。体力の高さが生活の充実につながっている可能性がある。
男女とも運動習慣がある群ほど、長く歩くことができる人の割合が高かった。生活が充実度については、「生活が充実している」と答えた人の割合は、「休まないで1時間以上歩ける」と答えた群では男性47.2%、女性51.2%。それに対して「5~10分程度」と答えた群では男性27.6%、女性31.1%にとどまった。「1時間以上歩ける」と答えた群では、生活が充実していると答えた人の割合が約20ポイント高くなった。
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