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うつ病を早期支援するのための社員向け研修プログラムを開発 職場のメンタルヘルス不調を早期発見・介入 九州大学など
2018年12月12日
九州大学などは、メンタルヘルスの問題を抱える人に対して行う応急対応法「メンタルヘルス・ファーストエイド(MHFA)」をもとに、企業向けの教育研修プログラムを開発した。
このほどパイロット試験を実施し、「スキルや自信が向上した」などの反響を得た。
このほどパイロット試験を実施し、「スキルや自信が向上した」などの反響を得た。
メンタルヘルス不調への早期対応が必要
短時間の教育研修プログラムを開発
職場でうつ病などメンタルヘルスの不調を抱える社員は増えており、日本の産業全体への影響が懸念され、その対策は喫緊の課題となっている。長期の休職や退職に至るケースもあり、当事者だけでなく会社や家庭への影響も大きい。
ストレスチェック制度の導入など国家的取り組みも行われているが、いまだ抜本的な打開策が見出されていないのが現状だ。
一方、うつ病は、抑うつ気分(気分の落ち込み)、意欲低下(喜びや意欲の喪失)、不眠、身体症状(倦怠感・痛みなど)といったさまざまな症状を呈する。
うつ病をはじめとする精神疾患では、知識不足やスティグマ・偏見などにより、特に発病初期には自らの症状を他者に訴えることは少なく、周囲の人々も当事者に声をかけづらく「見て見ぬふり」をしてしまいがちで、受診が遅れる傾向がみられる。
しかし、受診の遅れは、慢性化、難治化、さらには、自殺に至る危険性を高める。早期発見・介入・治療が重要となる。
そこで、九州大学などの研究チームは、オーストラリアで普及している、メンタルヘルスの問題を抱える人に対して行う応急対応法「メンタルヘルス・ファーストエイド(MHFA)」をもとに、教育研修プログラムの独自開発に着手した。
このほど、多忙な社員でも受講しやすい2時間の暫定プログラムを作成した。一般企業の社員がメンタルヘルスの不調を抱える同僚や部下に適切に関わるための知識とスキルを具体的に習得できる内容になっている。
研究は、九州大学大学院医学研究院の神庭重信教授(精神医学分野)、加藤隆弘氏、岩手医科大学の大塚耕太郎教授らを中心とする共同研究チームが、日本医療研究開発機構(AMED)・障害者対策総合研究開発事業の支援を得て行ったものだ。
短時間の教育研修プログラムを開発
心の応急対応 メンタルヘルスの知識とスキルを習得
2時間の教育研修プログラムを開発 参加者の自信が向上
岩手医科大学医学部神経精神科学講座
Development of MHFA-based 2-h educational program for early intervention in depression among office workers: A single-arm pilot trial(PLOS ONE 2018年12月7日)
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