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アルコール依存症の飲酒量を低減する薬が登場 飲酒の1~2時間前に服用

 大塚製薬は、アルコール依存症患者の飲酒量を低減する治療薬「セリンクロ錠10mg」(一般名:ナルメフェン塩酸塩水和物)の日本での承認を取得したと発表した。
アルコール依存症の社会的・経済的な影響は大きい
 アルコール依存症は、多量な飲酒を繰り返すことで飲酒したいという欲求が強くなり、飲酒行動をコントロールすることが難しくなる疾患だ。健康や仕事、家庭生活に重大な支障をきたし、社会的・経済的な影響が大きい。

 最新のアルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドラインでは、最終的な治療目標は原則的に断酒の達成とその継続とした上で、飲酒量低減治療は断酒に導くための中間的ステップあるいは治療目標の1つとして位置づけられている。

 「セリンクロ」は、飲酒の1~2時間前に服用することで、中枢神経系に広くあるオピオイド受容体調節作用を介して飲酒欲求を抑え、アルコール依存症患者の飲酒量を低減する薬剤。

 日本では、抗酒薬や断酒維持を目的とした断酒補助剤はすでに販売されているが、多量な飲酒を繰り返すアルコール依存症患者が飲酒量を減らしていく過程を補助する薬剤はなかった。

関連情報

 欧州では、2013年からルンドベック社により飲酒量低減薬として販売されており、日本では大塚製薬とルンドベック社が共同で開発を進めてきた。なお、同剤は服薬遵守の上、飲酒量の低減を目的とした心理社会的治療と併用することが必要。

 国内の臨床試験では、12週後の多量飲酒した日数(HDDs:1日のアルコール消費量が男性60g超、女性40g超の、1ヵ月あたりの日数(日/月))のベースラインからの変化量および総飲酒量(TAC:1ヵ月あたりの平均アルコール消費量(g/日))を、プラセボに対して有意に減少させ、飲酒量低減に対する有効性が確認された。

 また、1日の平均飲酒量に基づくリスクレベルも、プラセボと比較して改善がみられた。主な副作用は悪心、浮動性めまい、傾眠、頭痛、嘔吐、不眠症、倦怠感だった。

セリンクロの概要
製品名セリンクロ錠10mg
一般名ナルメフェン塩酸塩水和物
効能・効果アルコール依存症患者における飲酒量の低減
効能・効果に関連する
使用上の注意
(1)アルコール依存症の治療目標は、原則、断酒の達成とその継続である。アルコール依存症に伴う精神・身体症状及び患者の意思を総合的に勘案し、断酒ではなく飲酒量低減を治療目標とすることが適切と判断された患者に対して本剤を投与すること。

(2)アルコール依存症治療の主体は心理社会的治療であることから、服薬遵守及び飲酒量の低減を目的とした心理社会的治療と併用すること。

(3)アルコール依存症の診断は、国際疾病分類等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。

(4)習慣的に多量飲酒が認められる患者に使用すること。その目安は、純アルコールとして1日平均男性60g超、女性40g超の飲酒量とすること。

(5)緊急の治療を要するアルコール離脱症状(幻覚、痙攣、振戦せん妄等)を呈している患者では、離脱症状に対する治療が終了してから使用すること。

(6)飲酒量低減治療の意思のある患者にのみ使用すること。
用法・用量通常、成人にはナルメフェン塩酸塩として1回10mgを飲酒の1~2時間前に経口投与する。ただし、1日1回までとする。なお、症状により適宜増量することができるが、1日量は20mgを超えないこと。
用法・用量に関連する使用上の注意 (1)服薬せずに飲酒し始めた場合には、気付いた時点で直ちに服薬すること。ただし、飲酒終了後には服薬しないこと。

(2)本剤の投与継続及び治療目標の見直しの要否について定期的に検討し、漫然と投与しないこと。

(3)重度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)には、1日最高用量を10mgとすること。軽度及び中等度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類A及びB)並びに重度の腎機能障害のある患者(eGFR 30mL/min/1.73m²未満)では、血中濃度が過度に上昇するおそれがあるので、20mgに増量する場合には、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。
[Terahata]

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