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日本人のたばこ依存と関連する遺伝子を発見 心疾患、COPDなど11の病気の発症リスクと相関 理化学研究所

 5月31日は世界保健機関(WHO)が定めた「世界禁煙デー」。
 理化学研究所は、日本人約16万人の遺伝情報を解析し、たばこへの依存のしやすさに関連する遺伝的な特徴を発見した。
 依存のしやすさに合わせて禁煙の方法を変えれば、より効果的な禁煙治療が可能になる。
日本人16万人の遺伝情報を解析
 喫煙習慣は、呼吸器疾患や心血管疾患、がんなど、さまざまな病気のリスク因子となる。喫煙本数と死亡率との関連を調査した研究では、1日の喫煙本数が多いほど死亡率が高く、禁煙により死亡率が下がることが報告されている。

 喫煙をやめることは、健康な人生につながり、また社会的な医療費の抑制にもつながる。にもかかわらず、日本人の喫煙率は18.2%と、欧米諸国に比べて高い。

 理化学研究所は、バイオバンク・ジャパンに参加した日本人約16万人の遺伝情報を用いた大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施。

 バイオバンク・ジャパンは、日本人集団27万人を対象とした生体試料バイオバンクで、約20万人のゲノムデータを保有する。

 GWASは病気の発症しやすさなど、形質に影響がある遺伝的変異を、ゲノム全域にわたり網羅的に検索する遺伝調査だ。

関連情報
喫煙に関わる7つの遺伝子を発見
 研究グループは、日本人約16万人の遺伝情報と、喫煙に関わる4項目の情報(喫煙歴の有無、喫煙開始年齢、1日あたりの喫煙本数、現在の喫煙状況)を用いて、GWASを実施。

 その結果、1日あたりの喫煙本数に関連する感受性領域(遺伝子座)を5ヵ所、喫煙歴の有無に関連する遺伝子座を1ヵ所同定した。これら6遺伝子座のうち4つは、はじめて喫煙との関連が示された領域だという。

 また、男女別でGWASを行い、さらに3遺伝子座を新たに同定した。うち2遺伝子座は男性における喫煙歴の有無への影響があり、1遺伝子座は女性の喫煙開始年齢への影響が考えられる。今回新たに発見した7遺伝子座は、日本人特有の領域だ。
喫煙により引き起こされる病気の予防
 日本人でたばこに依存しやすい体質の人をみつけやすくなると、個人の体質に合わせた効率的な禁煙治療を実現できるようになる可能性がある。

 研究では、喫煙感受性と心疾患や喘息、肺疾患などの発症リスクが遺伝学的背景を共有していることも明らかになった。喫煙習慣と11種類の病気(心疾患や喘息、慢性閉塞性肺疾患、後縦靱帯骨化症など)の発症リスクが遺伝的に相関していることを確かめた。

 喫煙により引き起こされる病気の予防など、遺伝子情報にもとづく精密医療に応用できる可能性がある。

 喫煙習慣の健康への影響については広く知られているが、喫煙習慣が個人の遺伝子配列にどのように関係しているのかについて、日本人を対象とした大規模な調査はこれまでなかった。
個人の体質に合わせた効率的な禁煙治療を実現
 今回の研究は、喫煙習慣に影響する遺伝要因や、喫煙習慣と病気との関わり、生物学的に関連する組織などを新しい視点で調べたものだ。

 たばこの依存のしやすさに合わせて禁煙の方法を変えれば、より効果的な禁煙治療が可能になる。研究は、喫煙習慣やそれに起因する病気の予防など幅広い分野での研究に貢献できるものだという。

 研究は、理化学研究所生命医科学研究センター統計解析研究チームの鎌谷洋一郎チームリーダー、的場奈々特別研究員(当時)、秋山雅人リサーチアソシエイト(当時)らの研究グループによるもの。研究成果は、科学誌「Nature Human Behaviour」に掲載された。
理化学研究所 生命医科学研究センター
GWAS of smoking behaviour in 165,436 Japanese people reveals seven new loci and shared genetic architecture(Nature Human Behaviour 2019年3月25日)
[Terahata]

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