ニュース

「新型たばこ」に対し呼吸器学会が見解「健康に悪影響が出る可能性」

 非燃焼・加熱式たばこや電子たばこは、「新型たばこ」とされており、「煙が出ない」「受動喫煙の危険がない」「従来の燃焼式たばこより健康リスクが少ない」というイメージがあり、急速に利用者が増えている。
 しかし、日本呼吸器学会は新型たばこについて、「健康に悪影響がもたらされる可能性がある」「使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、推奨できない」という見解を公式サイトで発表した。
「新型たばこ」が健康被害の低減につながるという考えには根拠がない
 非燃焼式・加熱式たばこや電子たばこは、従来型のたばこ製品(燃焼式たばこ)とは異なる「新型たばこ」とされる。日本呼吸器学会によると、新型たばこは大きく2種類に分かれる。

新型たばこの分類
1. 電子たばこ
(a) 液体(リキッド)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するタイプ
(b) 液体(リキッド)には、ニコチンを含むものと含まないもの、の2種類がある
ニコチンを含むもの(ENDS:electronic nicotine delivery systems)
ニコチンを含まないもの(ENNDS:electronic non-nicotine delivery systems)
注:海外ではニコチン入りリキッドが販売されている(ENDS)。一方、日本では、医薬品医療機器法(旧薬事法)による規制により、ニコチン入りリキッドは販売されていない。

2. 非燃焼・加熱式たばこ
(a) 葉たばこを直接加熱し、ニコチンを含むエアロゾル吸引するタイプ(商品名:iQOS、glo)
(b) 低温で霧化する有機溶剤からエアロゾルを発生させた後、たばこ粉末を通過させて、たばこ成分を吸引するタイプで、電子たばこに類似した仕組み(商品名:Ploom TECH)

出典:日本呼吸器学会公式サイト

 新型たばこは、たばこをやめられない人、あるいはやめる意志のない人にとっては、従来の燃焼式たばこの代替品になり、健康被害の低減につながるという考え方がある。

 これに対して、日本呼吸器学会は「これらの新型たばこの使用と病気や死亡リスクとの関連性についての科学的証拠が得られるまでには、かなりの時間を要する。現時点では明らかでなく、推測にすぎない」と、見解を示している。
使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、推奨できない
 さらに、新型たばこについて、「従来の燃焼式タバコに比べてタール(タバコ煙中の有害物質のうちの粒子成分)が削減されていますが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品で、体内に有害物質が取り込まれているのは明らか」と指摘している。

 新型たばこの使用者の呼気を特殊なレーザー光で照射すると、大量のエアロゾルを呼出している、世界保健機構(WHO)では、「電子たばこのエアロゾルにさらされると、健康に悪影響がもたらされる可能性がある」と指摘している。

 燃焼式たばこの受動喫煙による健康リスクに対しては明確な科学的根拠があるが、新型たばこの受動喫煙による健康リスクについて証拠を得るにはかなりの時間を要する。

 「見えにくいエアロゾル」中には通常の大気中濃度を上回る有害物質があるので、「受動喫煙者の健康を脅かす可能性があると考えることが合理的」としている。

 WHOがレビューした複数の研究では以下のことが示されている――

(1)電子たばこ使用者の呼出煙中のニッケルやクロムなどの重金属濃度は、燃焼式たばこの呼出煙よりも高い。

(2)PM2.5、ニコチン、アセトアルデヒド、フォルムアルデヒドなどの濃度は燃焼式タバコの呼出煙中より低いが、通常の大気中濃度の14~40倍(PM2.5)、10~115倍(ニコチン)、2~8倍(アセトアルデヒド)、20%(フォルムアルデヒド)、それぞれ高い。

 日本呼吸器学会は、「新型たばこは、従来の燃焼式たばこに比べてタールが削減されているが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品」とした上で、「使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、非燃焼・加熱式タバコや電子たばこの使用は推奨できない」と強調している。

 さらに「特に呼吸器疾患をもつ患者や、冠動脈疾患をもつ患者などにとっては、有害な影響がでることが懸念される」と指摘している。

日本呼吸器学会
  喫煙の健康影響に関する資料(日本呼吸器学会公式サイト)より
[Terahata]

「禁煙」に関するニュース

2017年12月14日
加熱式たばこも血管には有害 血管内皮機能が低下 「iQOS」で実験
2017年11月22日
「健康づくり運動ポイント制度」で健康長寿を促進 和歌山県
2017年11月22日
「新型たばこ」に対し呼吸器学会が見解「健康に悪影響が出る可能性」
2017年11月01日
高齢者に手厚い社会保障 「全世代型」の社会保障へ転換を 厚労白書
2017年10月30日
【アンケート協力のお願い】第3期特定健診・特定保健指導の改正内容について(保健指導従事者実態調査)
2017年10月25日
うつ病の予防に週1時間の運動 ウォーキングは気分を明るくする
2017年10月18日
脳の健康を保つための「ライフ シンプル 7」 認知症は予防できる
2017年10月12日
禁煙治療のアプリを開発 空白期間をフォロー 日本初の治験を開始
2017年10月06日
「血糖値スパイク」を食事と運動で改善 「糖をはかる日」講演会(1)
2017年10月06日
「血糖値スパイク」を薬物療法で改善 「糖をはかる日」講演会(2)

最新ニュース

2017年12月14日
科学的根拠に基づく「産業保健における復職ガイダンス2017」を公開
2017年12月14日
「腸内環境」を整えアンチエイジング 腸内細菌の多様性が長寿の秘訣
2017年12月14日
糖尿病リスクを減らすためには「運動を継続」することが必要
2017年12月14日
加熱式たばこも血管には有害 血管内皮機能が低下 「iQOS」で実験
2017年12月14日
「ビワの種」に天然の有害物質 「食べないで」と農水省が注意喚起
2017年12月14日
【健やか21】学校の管理下の災害 (平成29年版)の発行について
2017年12月13日
「糖尿病のクリスマスプレゼント」実施中 豪華商品と現金が当たります
2017年12月12日
未成年者のインフルエンザ罹患後異常行動に具体的な注意喚起を追加
2017年12月11日
女性は健康維持にバランスの良い食事や歯磨き習慣-中高年者縦断調査
2017年12月08日
【健やか21】不育症治療の助成について(Fuiku-Faboフイクラボ)
2017年12月07日
冬のウォーキングの効果を高める5つの方法 寒い冬には注意が必要
2017年12月07日
米を中心とした日本型食生活が健康寿命を延ばす 食育健康サミット2017
2017年12月07日
糖尿病と肥満が80万人のがんの原因に 肥満が原因のがんは54万例
2017年12月07日
長野市が「ベジライフ宣言」で糖尿病対策 野菜から食べ30回噛む
2017年12月06日
【HAMIQ】認知症の社会的処方箋/おもいやり災害食認証制度
2017年12月04日
【新連載】超高齢社会への提言「エイジング・リテラシー」(有料老人ホーム入居支援センター)
2017年12月02日
浮世絵風のポスターなどでインフルエンザ予防を呼びかけ(東京都)
2017年12月01日
【健やか21】思春期アンケート「高校生の性交経験と生活環境・保健指導」
2017年12月01日
「新たな自殺総合対策に向けて」へるすあっぷ21 12月号
2017年11月30日
「心が健康な人」を増やす・支えていくことが産業保健師ならではのメンタルヘルス事業の心得【産保PC第3回レポート】
2017年11月30日
【くるみpro更新情報】クリスマスプレゼント付き資料請求実施中!
2017年11月30日
ママから笑顔がきえるとき―文京学院大が産後うつ予防リーフレット作成
2017年11月29日
食塩の摂取量を減らすと医療費を削減できる 「減塩」の効果は大きい
2017年11月29日
「ウォーキング」で重要なのは継続 少し歩いただけで健康効果を得られる
2017年11月29日
高カフェインの「エナジードリンク」で健康被害が 摂取の制限を検討
2017年11月29日
「早食い」が原因で肥満やメタボに よく噛んで食べるための6つの対策
2017年11月29日
糖尿病の男性は「ED」(勃起不全)のリスクが高い EDは治療できる
2017年11月28日
【新連載】がん患者さんのアピアランス・サポート (みなとアピアランス・サポート相談室)
2017年11月27日
【健やか21】産後うつ予防リーフレット・動画公開(文京学院大学)
2017年11月27日
【保健師募集】研修制度充実・人財育成に力を入れている鶯谷健診センター
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,681 人(2017年12月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶