オピニオン/保健指導あれこれ
養護教諭の重要性とこれから望むこと

No.1 養護教諭のもつ力

前横浜市立上寺尾小学校長、現横浜市教育委員会電話相談員、横浜市性教育研究会会長
羽根田 都志子
 養護教諭のもつ力

学校全体を見る視点

 新規採用者として着任した時から養護教諭は、一般教諭がクラスの子どもの担任になるのとは違い学校全体の児童生徒の担任のような立場となります。学校全体を常に意識せざる得ない立場の養護教諭はその他の教諭より学校全体を見る力は高く評価できると思います。

 また、ほとんどの学校は一人配置ですので、物事を進めるとき協働して進めることが多くあります。学校全体の動きを見据えてバランスよく調整を図って処理する能力は協働を大切にすることで培われる力です。校長も同じ一人職でありますので、養護教諭時代に培われたその力は大いに活かされました。

組織力
 一人職であるがゆえに養護教諭は組織を大切にしています。横浜市には教育研究会や保健会、教職員組合、また横浜独自の横浜市養護教諭研究会という組織もあります。学校では解決できない課題を組織の仲間にアドバイスしてもらって解決することもありますし、一人の力では改善できないものは組織の要望として教育委員会に折衝してもらう事もありました。横浜市の養護教諭の組織力は他都市からも高く評価されています。

コーディネート力
 学校内で協働作業を行う力と共に外部の関係機関と連携して子どもの対応を考えることもよく経験することです。最近問題となっている児童虐待については児童相談所と、また発達障害については療育センターや医療機関と連携をとりながら子どもの課題解決を図りました。そのため多くの関係機関とのつながりを大切にしてきました。早期に課題解決を図るためにはどの関係機関に関わってもらう事が有効かなどを考えながらコーディネートしてきました。養護教諭として一番評価できる力はこのコーディネート力であると私は思っています。

健康教育推進
 学校内で一番つよく子どもたちの健康を願っているのは養護教諭です。そして健康教育の推進者でもあります。どの学校にも学校教育目標がありますがその中には必ず「健康」について掲げられています。それを具現化することに関わるのが養護教諭です。

 教育課程の中では3年生から始まる保健学習や特別活動の保健指導に担任と共に授業に関わることが多くなりました。限られた時間の中で子どもたちが実感を伴う知識理解できる授業づくりのために教材研究に費やす時間は以前に比べ多くなりました。

 授業づくりについての研修会も多く開かれるようになりましたが、私は一番いい方法は良い授業を見てまずはそれを真似ること、それが何よりの方法であると思っています。「百聞は一見にしかず」そして「百見は一行にしかず」。

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