オピニオン/保健指導あれこれ
養護教諭の重要性とこれから望むこと

No.2 小学校における性教育を考える

前横浜市立上寺尾小学校長、現横浜市教育委員会電話相談員、横浜市性教育研究会会長
羽根田 都志子

 近年、性被害の低年齢化や有害サイトからの性情報の氾濫、いのち軽視など子どもたちの性に関する課題は年々増すばかりで危機感をもっています。また、人間関係づくりが不得手な子どもが以前に比べると多くなっています。

 生命尊重、人間尊重、男女平等の精神に基づき、豊かな人間関係を育むことを目標にしている性教育の必要性は高まっています。

 昨年、横浜市立小学校長を対象にしたアンケート調査によれば、9割を超える校長が性に関する指導の必要性を感じています。しかし計画的に性指導に取り組んでいる学校は2割にも達していません。必要性を感じながらも実施に踏み切れない理由としては、「授業時間を確保することが難しい」「何をどう教えたらいいか分からない」が挙げられていました。

 また、平成15年横浜市立小学校に端を発した性教育バッシングもその理由として挙げられます。10年前のことですが、私は当時、教育委員会の健康教育課というところに席を置いていましたので、その対応に苦慮したことを思い出します。

 横浜市では毎年「学校を開く週間」と言うものを設け、保護者はもちろんのこと地域の方々に学校を知ってもらうためすべての教育活動をご覧いただけるようにと学校を開放します。10年前、ある学校の土曜日のオープンデーに性教育に反対をする団体がその学校を訪れ児童がファイリングしてあった資料を写真に撮り非難する行動を起こしました。その資料の写真がバッシングの標的となり、国会でも取り上げられ、すべての性教育に対し非難が寄せられることとなりました。確かに、その資料は人間の性交を絵に表したもので私も適切な資料ではなかったと思っています。しかしそれですべての性教育を否定するものではなかったとも思っています。残念なことにそのことが、それまで行っていた性教育の取り組みを躊躇する学校が増えてしまったことは否めません。

 しかし近年、冒頭でも述べたように子ども達の性に関する課題は増加するばかりです。その課題解決のために性教育をどこの学校でも安心して取り組めるようにしていくことは必要だと考えています。

 私が所属する横浜市性教育研究会は40年前に発足され今も試行錯誤しながら実践研究を進めています。今年11月には関東甲信越静性教育研究大会(神奈川大会)が横浜市で開催されることになっています。午前中は講演会、午後は子どもたちの性に関する現代的課題と考えられる4つの課題を協議する分科会を設けています。参会の方々と共に課題解決のために何ができるのかを考えていきたいと思っています。

 ご興味のある方は是非ご参加ください。

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