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保健指導にも利用できる「プチ瞑想実践ガイド」を公開 心の安定や集中力の向上などを期待 東京都健康長寿医療センター

 東京都健康長寿医療センター研究所は、運動に組み合わせて実施する新しいマインドフルネスプログラム「プチ瞑想」を開発し、一般公開を開始した。

 運動教室などの活動の冒頭に、数分間の簡易な瞑想を取り入れることで、心と身体の状態を整えられるとしている。

 運動指導者やスタッフがすぐに活用できるよう、読み上げ形式の実践ガイドと音声動画も作成した。

 地域の運動教室、福祉施設、介護予防の現場など、さまざまな場面で活用してもらうことを想定している。

心の安定や集中力の向上、姿勢の改善、運動パフォーマンスの向上などの効果を期待

 東京都健康長寿医療センター研究所は、運動に組み合わせて実施する新しいマインドフルネスプログラム「プチ瞑想」を開発し、一般公開を開始した。

 公開されたページは、東京都健康長寿医療センター研究所自立促進と精神保健チームに所属している臨床心理士・公認心理師のメンバーにより実施された研究の成果を報告しているもの。

 「ちょい足し心理ワーク ガイドブック」「多様な高齢者のためのグループワークを円滑に進めるヒント集Q&A」「ワークの前に心と身体を整える プチ瞑想実践ガイド」などのガイドブックやリーフレットが公開されている。

 「マインドフルネス」について、身体・呼吸・心をつなぎ、バランスを整える実践であり、呼吸を通して「今、この瞬間」に意識を向けることで、心の安定や集中力の向上、姿勢の改善、運動パフォーマンスの向上などの効果が期待できると説明している。

誰もが気軽に取り組める「プチ瞑想」を開発

 近年、マインドフルネスを運動と組み合わせて実施することで、運動の質の向上や習慣化の促進など、さまざまな効果が報告されている。

 一方で、「瞑想」や「マインドフルネス」という言葉には、宗教的なイメージがあり、その内容も専門的で、実践のハードルが高いとの声も聞かれる。

 そこで研究チームは、誰もが気軽に取り組めるように、分かりやすく、日常的な言葉づかいを意識した「プチ瞑想」を開発した。

 運動教室の冒頭に実施することで、心の落ち着きや集中力の向上、姿勢の改善、運動パフォーマンスの向上、運動習慣化の促進といった効果が期待できるとしている。

「プチ瞑想実践ガイド」の内容

 「プチ瞑想 実践ガイド」では、はじめての人でも実施しやすいよう、進行のステップや話し方を丁寧に解説している。

 主な構成は次の通り――。

(1) 導入 (約1分)
「今この瞬間に意識を向ける」「良し悪しの判断をせずに自分の状態を観察する」といった基本的な考え方を簡潔に伝え、参加者が安心して取り組める雰囲気づくりを行う。
(2) 実施 (約8分)
呼吸や体の感覚に注意を向ける。椅子やヨガブロックを使った安定した姿勢をとるための工夫も紹介されており、高齢者でも無理なく実施できるよう配慮されている。また、進行の参考として、プチ瞑想の実際の流れを収録した動画も提供しており、教室でそのまま活用することが可能。
(3) 振り返り (約3分)
体験を共有する「グループ・インクワイアリ」を通して、自己理解を深める時間を設ける。安心して語り合えるようなファシリテーションの工夫も紹介している。

 なお、プチ瞑想実践ガイドの開発にあたっては、明治安田厚生事業団若手研究者のための健康科学研究助成を受けたとしている。

東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム

[Terahata]
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