ニュース

玄米は苦手? 「もち米玄米」なら大丈夫 血糖値スパイクを抑えられる

第60回日本糖尿病学会年次学術集会レポート
 玄米が健康に良いことはよく知られているが、「硬くて食べにくい」と敬遠する人は少なくない。そんな人でも、「もち米玄米」なら無理なく食べられる。
 「もち米玄米」が血糖コントロールを改善するという研究が発表された。食後に血糖値が上昇する「血糖値スパイク」も抑えられることが判明した。米を主食とする日本人にとって嬉しい情報だ。
玄米が糖尿病を改善 血糖値を下げる効果
 玄米は、稲の果実である籾から籾殻のみを取り除いたもの。これに対して、ふだんよく食べている精白米は、玄米からぬかと胚芽を取り除いて胚乳のみの状態にしたものだ。

 玄米には食物繊維やビタミンB群をはじめ、豊富な栄養成分が含まれている。近年では、低GI(グリセミック インデックス)食品としても注目される。

 玄米の外皮は栄養価が高いため、精白米に比べ食物繊維が約6倍、ビタミンB1が約5倍、マグネシウムが約5倍多く含まれる。  ビタミンB1は糖質の代謝に欠かせない栄養素で、ビタミンB群が不足するとエネルギー不足になって疲れやすくなる。しっかりエネルギー消費をしてやせやすい体を作るためにも不可欠な栄養素だ。

 また、食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つがあるが、玄米にはどちらも含まれている。豊富に含まれる食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑えてくれる。

 それに加えて、琉球大学の研究チームは、玄米に含まれる成分「γ(ガンマ)-オリザノール」に、インスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる効果があることを明らかにした。この栄養成分が脳の中枢に作用し、食欲を抑えることも解明。玄米を食べると、自然に食事の好みが変化し、食べ過ぎを抑えられるという。

 玄米を摂取すると、2型糖尿病の発症予防の効果を得られるという研究も報告されている。

 玄米食は「完全食」とも言われており、玄米だけでも十分栄養が取れるほどだ。明治時代に、ビタミンB1を含まない精米された白米が普及し、副食を十分に摂らなかったため、「脚気」(かっけ)が流行した。脚気により多くの患者が出て、「国民病」と呼ばれていた。

 脚気の原因はビタミンB1の欠乏だ。当時の海軍軍医だった高木兼寛氏が、食事に玄米食を取り入れ、発症数を大きく減らすのに成功したのは有名な話だ。
「もち米玄米」はおいしく、無理なく続けられる
 このように健康に良いことが知れれる玄米だが、一般的には好んで食べられていない傾向がある。

 玄米が好まれない原因はいくつかある。そのひとつは硬さ(食感)。えぐみや匂いが気になるという人も少なくない。そうした玄米の欠点を解消する方法がある。それは、「もち米玄米」を使うというものだ。

 「うるち米」はふだん食べている普通のお米のこと。これに対して「もち米」は、お餅やお赤飯、おこわなどに使われるお米で、炊き上げると粘りの強いごはんになる。うるち米ともち米の違いは、「アミロース」と「アミロペクチン」という2つのデンプンの割合の差だ。

 うるち米はアミロースとアミロペクチンがおよそ2対8なのに対して、もち米はアミロペクチンのみでアミロースを含んでいない。このアミロペクチンがもち米の粘りのもとになる。

 アミロペクチンは水と一緒に加熱すると粘り気が出る性質があるため、多く含まれていれば粘り気のある米になる。

 「もち米玄米」は、もち米と玄米の長所を併せもつ新食感の米だ。玄米が「食べづらい」「においや食感が苦手」と感じている人も、無理なくおいしく食べられる。

 「もち米玄米」であれば、玄米特有の匂いも少なく、噛むほどにもち米の甘みと玄米本来のおいしさを実感できる。外はプチプチ、中はもっちりとした食感を楽しめる。
「もち米玄米」で血糖値が低下 コントロールが改善
 聖マリアンナ医科大学代謝・内分泌内科は、16人の2型糖尿病患者を対象に、「もち米玄米」を8週間摂取してもらう研究を行った。

 「もち米玄米」を摂取することで、24時間平均血糖値および食後血糖値が改善することが明らかになった。

 研究チームは、参加者を精白米を摂取するグループと、「もち米玄米」を摂取するグループに無作為に分けた。

その結果、「もち米玄米」を摂取したグループでは、HbA1cが7.5%から7.2%に改善した。食後30分の血糖値も、193.8mg/dLから172.3mg/dLに改善。

 インスリンの分泌の程度を示すCペプチドの曲線下面積の増加分(incremental AUC)も、31.3ng/ml・minから22.1ng/ml・minに改善した。

 2型糖尿病患者30人を対象とした別の試験では、「もち米玄米」は24時間の日内血糖変動も改善することが判明。

 嗜好性に関するアンケートを行った結果、おいしさを示すスコアは、白米、玄米と比べ「もち米玄米」が最高値を示した。

 「もち米玄米は血糖日内変動や食後の血糖値を改善することが明らかになった。食感についても患者の受け入れも良く、長期の継続も可能」と、研究者は述べている。

 「もち米玄米」は、玄米よりも食べやすく、血糖値が上がりにくくなり、糖尿病の改善に効果がある。ぜひ「もち米玄米」を試してみてはいかがだろう。

第60回日本糖尿病学会年次学術集会
White rice, brown rice, and risk of type 2 diabetes in US men and women(Archives of Internal Medicine 2010年9月13日)
[Terahata]

「地域保健」に関するニュース

2017年06月26日
3つのアプリを開発「考えよう!いじめ・SNS@Tokyo」
2017年06月26日
子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性を発表
2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 講習会の日程を発表
2017年06月21日
日本の介護の現状をレポート 「介護社会」の本格的な到来に備える
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要
2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
2017年06月21日
「健康長寿新ガイドライン」を策定 東京都健康長寿医療センター
2017年06月19日
広がる電子母子手帳~健康情報を管理するアプリとも連携(神奈川県)
2017年06月15日
乳がん検診は今後はどう変わる? 「高濃度乳房」の実態調査を開始

最新ニュース

2017年06月27日
【新連載】日本の元気を創生する ‐開業保健師の目指していること‐
2017年06月26日
3つのアプリを開発「考えよう!いじめ・SNS@Tokyo」
2017年06月26日
子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性を発表
2017年06月22日
【健やか21】子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性
2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 講習会の日程を発表
2017年06月21日
日本の介護の現状をレポート 「介護社会」の本格的な到来に備える
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要
2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
2017年06月21日
「健康長寿新ガイドライン」を策定 東京都健康長寿医療センター
2017年06月20日
「血糖トレンドを知るには。」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2017年06月19日
広がる電子母子手帳~健康情報を管理するアプリとも連携(神奈川県)
2017年06月16日
【健やか21】子ども外傷患者初期対応アセスメントシート 活用マニュアル
2017年06月15日
乳がん検診は今後はどう変わる? 「高濃度乳房」の実態調査を開始
2017年06月15日
食育推進計画を策定した市町村は78%に上昇 「平成28年度食育白書」
2017年06月15日
日本初の「心房細動リスクスコア」を開発 検診項目からリスクが分かる
2017年06月15日
赤ワインのポリフェノールで血管が柔らかく 糖尿病の動脈硬化も改善
2017年06月15日
内臓脂肪が増えるとがんリスクが上昇 腹囲の増加は「危険信号」
2017年06月15日
HbA1cを測定できる「ゆびさきセルフ測定室」 全国に1,500ヵ所以上
2017年06月08日
【健やか21】子ども・若者育成支援「専門分野横断的研修」研修生募集
2017年06月07日
若い世代の産業保健師を育成するプロジェクトがスタート
2017年06月07日
産業保健プロフェッショナルカンファレンス サイトを公開
2017年06月07日
糖尿病医療に貢献するビジネスプランを募集するコンテストを開始
2017年06月07日
健康に生きるための5つの「ライフ スキル」 人生で勝つために学びが必要
2017年06月07日
睡眠を改善するための10ヵ条 睡眠不足とメタボが重なると危険
2017年06月07日
「自分で測り健康データを収集」 5000人規模のコホート研究 東北大学
2017年06月07日
高尿酸血症が腎臓の機能障害の原因に 少しの異常でも腎臓に悪影響
2017年06月06日
「8020」を2人に1人以上が達成し過去最高に~平成28年歯科疾患実態調査
2017年06月06日
初の出生数100万人割れで過去最少 厚労省・人口動態統計月報年計
2017年06月02日
厚生労働省が平成28年の職場における熱中症死傷者発生状況を取りまとめ

おすすめニュース

無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,135 人(2017年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶