ニュース

「骨粗鬆症」による骨折患者の介護 4人に1人が離職・転職 76%が復帰には悲観的

 骨粗鬆症とみられる骨折患者の家族介護者の4人に1人が、介助・介護のために離職(退職、休職)や転職など、労働環境の大きな変化を経験している。現在、離職中の介護者の約半数は復職を希望しているが、76%は難しいと悲観的に考えている――。
 骨粗鬆症による骨折患者の介護者の実態が、アステラス・アムジェン・バイオファーマが行った調査で明らかになった。
脆弱性骨折が介護や寝たきりの要因に
 アステラス・アムジェン・バイオファーマは、骨粗鬆症に起因すると思われる脆弱性骨折が要因で介護が必要になった50歳以上の親族を介助・介護している家族3,071人を対象に、介護負担に関するインターネット調査を実施した。

 骨粗鬆症に起因する骨折は、患者の生命予後にも影響を及ぼす、要介護の状態につながる主要因のひとつだ。超高齢社会を迎えた日本で、こうした骨折の予防は優先して取り組むべき課題となっている。骨折の危険性を裏付けるデータが報告されているにもかかわらず、骨折を経験した患者を支える介護者(主に家族)の実態についてはこれまで十分に把握されていなかった。

 調査では、介護による休職・離職の現状は深刻で、多くの介護者が働き方の工夫をされているものの、4人に1人(25%)は離職や転職といった自身の働く環境を大きく変えざるを得ない状況にあることが示された。介護離職した人では、とくに身体的、精神的な負担が大きいことが窺える。

 世界の50歳以上の女性3人に1人、男性5人に1人が骨粗鬆症による脆弱性骨折を起こし、高齢化にともないその数はさらに増加すると予測されている。骨粗鬆症による脊椎や大腿骨近位部骨折は、毎日の活動に著しく影響し患者のQOL(生活の質)を低下させ、救急病棟を含む通院を増やし、治療費の増加につながる。大腿骨近位部骨折患者のその後の生存率は一般人口より低い推移を示す。

 このように骨粗鬆症の影響は深刻だが、日本では治療を受けている割合はわずか20%という報告がある。また、脆弱性骨折は介護や寝たきりの要因でもある。骨折・転倒を要因とする介護サービス負担は2018年には1.9~2.8兆円、なかでも家族による介護負担は0.8~1.7兆円に上る。
4人に1人が介護負担の大きさから離職 社会復帰には悲観的
 調査では、介助・介護のために、4人に1人が離職(退職、休職)や転職など、労働環境の大きな変化を経験していることが分かった。一方で、退職や休職を経験した介護者のうち、再就職や復職している割合は2割にとどまった。

 現在離職中の介護者の約半数は社会復帰を望んでいるものの、4人に3人以上(76%)は再度働くことは難しいと回答。また、現在離職中の半数以上(59%)を現役世代の40~50歳代が占める。

 経験した働き方の変化として、「市有給休暇の取得」(44.6%)や「フレックス制度の利用」(15.7%)といった制度の利用を上げた人が多かった。比較的新しい制度として「時短勤務」(29.7%)や「在宅勤務」(9.6%)も活用している。

 介護が必要になった骨折部位は、「椎体(背骨)」(27%)がもっとも多く、次いで「足の付け根(大腿骨)」(19%)となった。とくに現在離職中の介護者では、椎体骨折が41%ともっとも多い。これらの所見は主要な骨粗鬆症性骨折部位を反映している。
骨粗鬆症にともなう介護負担に社会全体で取り組むべき
 介護者が負担に感じていることは「外出の付き添い・サポート」(55%)、「トイレへの移動、お風呂に入れること」(50%)。「自分自身が疲れてしまい、寝込みそうになる/寝込んだことがある」(45%)など。介護者自身の体力への不安を感じる声も多い。

 現在離職中の介護者では、「精神的な負担」の改善を望む人が多く、身体的、時間的、経済的な負担より大きいと感じている。離職中の介護者の4割が、休息が取れないことや、自分の事をいつも後回しにすることに負担を感じており、自分自身の人生を憂うことがあると回答。

 調査を監修した鳥取大学医学部保健学科の萩野浩教授は、「脳卒中や認知症だけでなく、骨粗鬆症による骨折も要介護・要支援の原因となることが多く、患者さんご本人の健康寿命だけでなく、生命予後にも大きな影響を及ぼします。今回の調査からは、骨折を経験された患者さんを支えているご家族の負担や苦労が顕在化されました」と述べている。

 「介護負担の大きさから離職を余儀なくされている介護者が多いことも示され、骨粗鬆症にともなう介護負担についても、社会全体で取り組む課題であることが示唆されました」と指摘している。

アステラス・アムジェン・バイオファーマ
[Terahata]

「保健指導リソースガイド」に関するニュース

2019年04月17日
厚労省「受診率向上施策ハンドブック」で受診率を上げる 強制ではなく自発的な行動に導く「ナッジ理論」とは
2019年04月17日
連休(GW)こそ健康管理に注意 食事・運動・体内時計の調整がポイント 8つの対策で連休を乗り切る
2019年04月17日
日本人のたばこ依存と関連する遺伝子を発見 心疾患、COPDなど11の病気の発症リスクと相関 理化学研究所
2019年04月17日
禁煙のメリットは体重増加のデメリットを上回る 糖尿病のコントロールも改善
2019年04月17日
高血圧が循環器病の原因に 薬を飲んで血圧が低くなっても安心はできない
2019年04月12日
【IDAF】2018年国際糖尿病支援基金・年次報告書
2019年04月10日
未来投資会議「全世代型社会保障における疾病・介護の予防・健康インセンティブ」 受診率向上と重症化予防が柱
2019年04月10日
5人に1人が「不健康な食事」が原因で死亡 たばこや高血圧より深刻 食事改善で命を救える
2019年04月10日
「1日10分程度」のウォーキングで死亡リスクは低下 忙しい人も心配はご無用 運動は限られた時間に行っても効果がある
2019年04月10日
助産師・保健師・精神科医など多職種が連携する「母子保健システム」を開発 メンタルヘルスを向上 国立成育医療研究センター

最新ニュース

2019年04月18日
【健やか21】全国一斉「あそびの日」キャンペーンの実施について(スポーツ庁)
2019年04月17日
厚労省「受診率向上施策ハンドブック」で受診率を上げる 強制ではなく自発的な行動に導く「ナッジ理論」とは
2019年04月17日
連休(GW)こそ健康管理に注意 食事・運動・体内時計の調整がポイント 8つの対策で連休を乗り切る
2019年04月17日
日本人のたばこ依存と関連する遺伝子を発見 心疾患、COPDなど11の病気の発症リスクと相関 理化学研究所
2019年04月17日
禁煙のメリットは体重増加のデメリットを上回る 糖尿病のコントロールも改善
2019年04月17日
高血圧が循環器病の原因に 薬を飲んで血圧が低くなっても安心はできない
2019年04月17日
母乳だけにこだわらない授乳の支援を―厚労省が「授乳・離乳の支援ガイド」を改定
2019年04月12日
【IDAF】2018年国際糖尿病支援基金・年次報告書
2019年04月12日
【健やか21】ネット・スマホのトラブル等 SNS相談を始めます(東京都)
2019年04月11日
厚労省が自殺防止SNS相談事業のガイドラインを公表~具体例をふまえ分かりやすく~
2019年04月10日
未来投資会議「全世代型社会保障における疾病・介護の予防・健康インセンティブ」 受診率向上と重症化予防が柱
2019年04月10日
5人に1人が「不健康な食事」が原因で死亡 たばこや高血圧より深刻 食事改善で命を救える
2019年04月10日
「1日10分程度」のウォーキングで死亡リスクは低下 忙しい人も心配はご無用 運動は限られた時間に行っても効果がある
2019年04月10日
助産師・保健師・精神科医など多職種が連携する「母子保健システム」を開発 メンタルヘルスを向上 国立成育医療研究センター
2019年04月10日
皮膚の若さの維持と老化のメカニズムを明らかに 皮膚の老化を抑えるコラーゲンが判明
2019年04月08日
日本健康会議「健康スコアリング(2018年度版)の効果検証結果」を発表
2019年04月05日
【健やか21】「働く女性の健康増進に関する調査2018(最終報告)」
2019年04月03日
認知症の危険因子は「糖尿病」「高血圧」「肥満」 生活改善でリスクを軽減できる
2019年04月03日
「世界腎臓デー」 10人に1人が腎臓病の危機にさらされている 早期発見・治療のための戦略が必要
2019年04月03日
介護士の「腰痛」に心身のストレスが影響 腰痛対策のためにストレスマネジメントを
2019年04月03日
1回の採血で10年以内のがん・脳卒中・心筋梗塞の発症リスクを評価できる 血中のアミノ酸バランスを解析
2019年04月03日
「骨粗鬆症」による骨折患者の介護 4人に1人が離職・転職 76%が復帰には悲観的
2019年04月03日
ビタミンCが不足すると筋肉が減る 不足している高齢者で筋力低下 摂取すると回復
2019年04月03日
「糖尿病重症化予防の推進TOPICS」へるすあっぷ21 4月号
2019年03月28日
多職種連携で効率的・効果的な産業保健活動を~厚労省が「産業保健活動をチームで進めるための実践的事例集」発行~
2019年03月28日
【健やか21】2018年HIV感染者・AIDS患者及び梅毒患者の発生動向等について
2019年03月27日
松本市が掲げる「健康寿命延伸都市・松本」 新たな官民連携のあり方を提案 「健康パスポートクラブ」で市民参加を促す
2019年03月27日
「ファストフード」は健康的になったのか? 30年間の調査でカロリーと塩分が増えているとの結果に
2019年03月27日
緑豊かな公園でウォーキング たった20分でもメンタルヘルスに良い効果が 主観的幸福度が向上
2019年03月27日
「卵を1日に1個」は健康的? 「卵」を食べると心筋梗塞や脳卒中のリスクが低下するという報告も
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 8,121 人(2019年04月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶