オピニオン/保健指導あれこれ
がん患者さんのアピアランス・サポート

No.3 日本初の試み!美容師向け外見ケア勉強会「アピアランス・サポート技能講習会」

一般社団法人アピアランス・サポート東京
みなとアピアランス・サポート相談室
 美容師さんが美容の技術を生かして、がん患者さんが自分らしく社会の中で生きられるよう支援・がん患者さんやその家族の方々を笑顔にできる技能を習得するためのセミナーを定期的に開催しています。

第1回目(2018年1月開催)をご紹介します!

3日間のプログラムは、、、、
1日目 アピアランス・サポートの基礎知識、ウイッグの基礎知識
2日目 ウイッグ実技(カット、毛流調整、サイズ調整など)、ネイル、カバーメイク
3日目 がんに関する一般知識と医療者との連携について

 参加者8名と一緒に医療者とともに美容のプロとして患者さんを支援する技術の取得を目指しました。

ウィッグの種類は大きく3つ
「自分の髪」と認識できるような工夫を提供

 ウィッグの種類は大きく分けて、人毛、人口毛、ミックスの3つあります。

 その中でも、人工皮膚の種類や植え方、また価格は各メーカーにより様々です。どのウィッグが良いかは対象者の状態やライフスタイルで変わってくるので、種類や価格に関係なく、ライフスタイルに合ったものを一緒に選ぶことが大事です。

 ウィッグは購入しただけではなく、施術をして自分に調節して合わせることで"自分の髪"と認識することができます。 産毛(もみあげ、襟足など)を作ることで自然な見た目に近づきます。


講習会では実際に、もみあげの作り方実施(2種類のウィッグを使ってカット練習)をしました。

 カットだけでなく、ウィッグのつけ方にもコツがあります。眉毛の脱毛が気になるときは何mmだけ深めにかぶったり、真ん中から少しずらしてかぶるなどちょっとした工夫でウィッグが馴染む場合もあります。ウィッグはこうしなければいけないなどはありません。ちょっとしたアイデアも重要です。

 ウィッグは対象者に試着をしてもらいますが、試着だけではわからないこともあります。例えば、小さめサイズのウィッグは、長時間付けるないといけない方には頭が痛くなるなどの不快感がでることがあります。このようなことは是非、美容師から患者さんへ伝えてほしいことです。

ウィッグを必ず購入する必要はありません

 アピアランスカウンセリングでは、必ず、「ウィッグを必ず購入する必要はないことを伝える」「帽子・スカーフでもOKであることを伝える」を伝えることを話しました。

 髪の毛がないことは恥ずかしいことではなく、いろんな人がいることを伝えることもしてほしいです。スカーフを巻いてお洒落を楽しんでいる方もいます。

カウンセリングの具体的なポイントとしては、

・体調のすぐれない中、くるのは大変です。在庫などない場合は困るので、電話での予約時に大まかな希望(好み)を伺えたら聞いておく(色、長さ、素材など)
・長い時間とると疲れてしまうので長すぎるカウンセリングはNG
・病院からの紹介の場合、注意事項がある場合は、看護師から予め連絡をいただくようにする
・患者の体調や様子をよくみる
・「どのぐらい急いでいるか?」を聞き、余裕があればその場で決める必要はない

 できれば、家族や友人もできれば一緒にきていただくことがおすすめです。その場で似合っているかどうかの判断の基準になり、自信にもつながるためウィッグへの壁を1つ越えられます。 実際のカウンセリングには、パートナー、友人、子どもと来る人もいます。

アピアランスケアには、爪のケアもあります

 みなとアピアランスサポート相談室には、看護師の免許をもつネイリストも所属していて、スライドを使用して抗がん剤による爪への影響とその対策方法についての講義も行いました。

 爪囲炎は足が一般的ですが抗がん剤では手も現れることも多く、テーピングによる対処方法を実践しました。ケアは、爪用ファイル(やすり)からハンドクリームやネイルオイルを使用する、ネイルカラーなどの爪全般のケアに対応します。ただ、対応できない症状の方がいた場合は必ず医師に相談します。

 参加者から「ジェルネイル」についての質問がありました。ジェルネイルは装脱着時に研磨することやアセトンを使うことが多いので弱っている爪には危険、また「削らないジェルネイル」も薬剤で爪の表面を溶かすので使用はNGです。

「美容のプロ」としてアドバイスをする
治療や医療に関する分野は専門機関情報を紹介

 わたしたちは美容のプロとして患者さんやアドバイザーに関わりますので、カウンセリングや施術中に、病気や治療の話になることもありますが、医療に関わること(病気や治療に関すること)にコメントやアドバイスはせず、病院やがん相談室など、相談先をアドバイスします。

 講習会3日目「がんに関する一般知識と医療者との連携について」は慈恵医大にて、看護師さんにご協力いただきました。

 研修は慈恵医大で行われ、参加者いとって貴重な経験になりました。講習会終了後は、「自分のサロンにも取り入れたい」「もっとアピアランスケアについて学んで患者さんをサポートしたい」などポジティブな感想をいただきました。講習会を受けた美容師が増えて患者さんサポートに繋がればと思います。現在、第3回目「アピアランス・サポート技能講習会」も受付け中です。

 今後も、医療スタッフの方と連携して最善のアドバイスができればと考えていていますのでよろしくお願いいたします。

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