オピニオン/保健指導あれこれ
女性のライフステージと、体と心の健康運動

No.1 女性の一生から健康運動の大切さを知る

ブレインラボカマクラ 代表
パーソナルフィットネストレーナー(NESTA認定)
健康運動指導士(健康・体力づくり事業財団認定)
前田 有美
 健康な方が運動を実施する目的は、「疾病や傷害(外傷や障害)予防したい」「筋力や柔軟性、持久力といった体力を維持、向上させたい」「自立した生活をできるだけ長く送りたい、健康寿命を延伸させたい」などが挙げられます。実際に、これらの目的(目標)を掲げて日々運動を実践されている方も多いと思います。

なりたい将来の姿を思い描いて運動を

 私は運動指導者ですが、最近は運動を行う方に対し、これらの目標に付け加えて「あなたのありたい姿はどのようなイメージですか?」と問いかけをし、可能な限り将来の自分の姿を描いて頂くようにしています。

 皆様のありたい姿はどのようなイメージでしょうか?
 「活動的な」「楽しい」「元気な」「充実した」「いきいきとした」「心豊かな」「幸せな」といった、体と心の両者の良い姿を思い描かれる方が多いのではないでしょうか?

 どんな年代や年齢であれ、良い姿へ近づける、あるいは創り上げるために、自分の一生を捉えた中で、現在の日常生活をどのように考え行動するか?どのような運動するのが望ましいのか?と意識をした上で実践することは、将来の人生や生活において、より良好な健康な状態をもたらすのではないかと考えています。

体と心は互いに連動 運動によって両者の状態を良くする

 また、過去に大学院の博士前期課程時代に、関節リウマチ患者のうつ傾向と不安に関する研究をしていました。

 当時、68名(男性3名、女性65名、罹病期間:平均15.2±9.3年)を対象にうつ傾向と不安(SDSおよびSTAIを使用)とADL(日常生活動作、mHAQを使用)を評価しました。その結果、うつ傾向と不安はADLと有意な弱い正の相関がありましたが、うつ傾向と不安は罹病期間と相関がありませんでした。

 言い換えると、相関は弱いものの、うつ傾向や不安が強くなるとADLが低くなる、あるいは、ADLが低いとうつ傾向や不安が強くなる、しかしながら、罹病期間の長短とうつ傾向や不安の高低とは関係しないという結果です。

 これらの結果から、体と心の状態は互いに関連し合うこと、そして、体と心の両者の状態を良くするためには、運動や身体活動が効果的であると考えるようになり、現在の私の運動指導のあり方に至っています。関節リウマチ患者の方々から教えて頂いた貴重な知見であり、今もなお大変感謝しています。

ライフイベントを通じて健康感が変化 運動に対する意識の高まりも

 研究や仕事を通じて女性から得られた健康に関するコメントや知見の一部をご紹介します。

 20代くらいまでは健康を害する疾病に罹る、あるいは体や心に影響を大きく及ぼす機会が少ないためか、見た目や外見を良くしたいといった美容への思いが強い印象です。

 その後、一例ですが、ライフイベントとして、結婚を経て出産を経験したとします。出産の大変さを体験するとともに、「自分自身が健康でなければ、子どもが健やかに成長しないのではないだろうか?」「自分が健康で育児をしないと、家族が大変な思いをするのではないだろうか?」といった新たな思いが生じました。

 そして、美容への思いよりも、自分が健康であることや体調が良くなることを重視するようになり、ライフイベントを通じて健康観が変化することを知り得ました。健康観が変化するタイミングは、運動に対する意識が高まり、運動を始める、あるいはより意欲的に取り組むタイミングになりうると考えます。

ライフステージごとの特徴と健康運動の考え方とは

 女性の一生は、ライフステージにおいて数々のライフイベントが起こります。

 そして、ライフイベントによって、体や心の状態に変化や不調が生じる場合が見受けられます。また、女性ホルモン(エストロゲン)は年代によって変動が生じますが、中年期になると減少しながら、やがて閉経を迎えます。そして閉経に伴い、生活習慣病や骨粗鬆症などが発症しやすくなるといわれています。その後、高齢期になると、加齢に伴う顕著な全身体力の低下、あるいは疾病などの重症化に陥りやすくなります。

 このような内容を挙げると、将来への不安や心配な気持ちが起こりがちですが、女性の一生を知った上で、体と心の両方にアプローチした健康運動について理解をし、不安や心配な気持ちを払拭して頂きたいと考えます。是非、健康運動を通じて体と心の両者が健康な姿を築き、一緒にポジティブな(例:楽しい、心豊かな、幸せな)毎日を送っていきましょう。

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