オピニオン/保健指導あれこれ
減量支援はお任せください!「スマートダイエット教室」

No.1 スマートダイエットの概要

筑波大学・名誉教授、株式会社THF・代表取締役
田中喜代次

 「スマートダイエット」は筑波大学の田中喜代次研究室(平成元年~)で得られた研究成果に基づいて開発された、食習慣の改善または食生活の見直しを中心とした効果保証(体重の1割程度)の減量プログラムです。

 スマート(smart)は“賢い”、“知的な”という意味で、ダイエット(diet)は “食事をとる行為”や“餌”を指します。ですからスマートダイエットとは、“賢く食事をいただいて減量すること”と定義しています。

スマートダイエットの誕生

 スマートダイエットの誕生は、私が大阪市立大学に赴任した1983年に遡ります。当時は、肥満者の減量は、有酸素運動の習慣化であると信じ、ウォーキング、ジョギング、テニス、筋トレ、固定式自転車運動、エアロビクスなどを導入したものの、個人差が大きく、1ヵ月後の平均減量は1㎏程度に留まり、いかに食習慣の改善が重要かを思い知らされました。そこで、食習慣改善(いわゆるダイエット)と運動習慣化(運動実践)を併用する減量教室を開催し、3ヵ月後に平均8.2 kgの減量に導くことができました。

 近年(2000年以降)では、スマートダイエットは、筑波大学体育系の田中研究室および筑波大学発ベンチャーの株式会社THFのほか、筑波大学医学医療系(2018年より体育系)の中田研究室、体育系の前田研究室、長崎大学の中垣内研究室、皇學館大学の片山研究室、電気通信大学の大河原研究室、大阪経済大学の江藤研究室、さらには茨城県、千葉県、神奈川県、東京都、福島県、岐阜県、滋賀県の市町村をはじめとする多数の自治体、民間企業などでもスマートダイエット教室が開催されています。

他のダイエット法との差異

 スマートダイエットは強い動機付けとともに、確実に減量できる方法を提示するため、短期間に効果が生まれるプログラムです。四群点数法(女子栄養大学方式)を用いるのは、バランスの良い食事法を身につけることができ、減量後の体重維持のための食教育になるからです。また、減量に取り組む本人が家族と同じ食卓を囲めるというメリットもあります。

 スマートダイエットにおいて、特例として強い糖質制限を行う場合、危険性に十分配慮する必要があります。減量の手段の一つとして有用ですが、長期継続の安全性は示されていません。長年にわたり糖質制限をしていて体調の良い人もいれば、体調を崩して糖質制限の中断を余儀なくされた人もいて、個人差が大きいです。 スマートダイエットは、厳しい糖質制限ダイエットのような減量だけを目的としているのではなく、減量を手段として自らの健幸華齢な生き方の習得を目的としていることが特長です。

スマートダイエットを希望する人の傾向

 スマートダイエットを希望して参加する方は、メタボの有無にかかわらず、男性なら肥満に該当する人、女性ではBMIが25未満の標準体重の希望者も多い傾向があります。

 対象者の年齢は、子どもから80歳すぎまで幅広いですが、原則20~69歳のBMI≧25を受け入れています。

 中性脂肪や血糖値、コレステロールが高いと健診や人間ドックで指摘された人は、運動教室またはスマートダイエット+運動の教室を希望する傾向が見られますが、いずれの項目も運動のみで改善が最も小さいことが明らかなので、スマートダイエット教室(週1回)またはスマートダイエット+運動の教室(週3~4回)を勧めています。

スマートダイエット支援(指導)の回数と減量の大きさ

 3ヵ月コースで、指導回数が12回だと、多くの方が6~13 kg、5~8回で4~8 kgの減量を達成されます。1回限りの動機付け講話でも約2~3 kg減量されることも少なくありません。図1は1,014名の成人男女で得られた効果です。スマートダイエットのみで平均7.2 kg, 運動併用で9.3 kgの減量を達成しました。1177人のデータ分析によると、体重10㎏減で腹囲9㎝減となります(図2)。

Fig.1_Tanaka.jpg

図1. スマートダイエットと運動の組み合わせによる減量効果が最大(1,014名のデータから)

Fig.2_Tanaka.jpg

図2. 体重減少と腹囲減少の関係(男性544人、女性633人、計1,177人)

スマートダイエットの種類と効果の大きさ

 運動を併用すると、スマートダイエット単独に比べてさらに2㎏の減量, 2㎝の腹囲減少という追加効果が現れます。メタボ脱出率は単独で76%、運動の併用で87%へと上昇します(図3)。

Fig.3_Tanaka.jpg

図3 メタボリックシンドローム因子への影響

スマートダイエットの効果

 1984年に提唱して以来、36年の実績から、「3ヵ月で平均8 kgやせる」という効果を見積もり、保証する減量教育と述べてきました。スマートダイエットは、別名777ダイエット、888ダイエットとも言い、8㎏減, 8cm減(腹囲), 8歳若返り(活力年齢)の達成が可能です。BMI≧28の肥満者なら、3ヵ月後に8㎏, 8㎝, 8歳の若返り効果が得られます(図4)。メタボの該当者が、スマートダイエットに運動を加えて実践すると、腹部肥満の64%、脂質異常の81%、血圧高値の54%、血糖高値の58%が解消され、その結果、87%の人がメタボから脱出できたという結果を得ています(図5)。

Fig.4_Tanaka.jpg

図4 12週間(36回)のスマートダイエットの効果

Fig.5_Tanaka.jpg

図5 食事群と運動群における活力年齢(約-7歳)と体重の変化(約-8㎏)

「減量支援はお任せください!「スマートダイエット教室」」もくじ

「運動/身体活動」に関するニュース

2020年07月14日
自宅で"筋活"を行いロコモ予防 筋肉量と筋力の向上を目指す「ロコモ予防運動プログラム」を始動 順天堂大
2020年07月08日
「テレワークにおける労務管理と健康管理」へるすあっぷ21 7月号
2020年07月01日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE) 2020年度申込を受付中 講習会はeラーニング開催
2020年07月01日
夏場にマスクを着用して運動すると熱中症の危険が 「マスクをはずして休憩を」と呼びかけ
2020年06月29日
なぜ運動? 運動により世界の390万人以上の命が救われている 運動はメンタルにも良い
2020年06月29日
ボランティア活動に参加すると寿命が延び幸福感も向上 コロナ後の社会整備の鍵に
2020年06月24日
骨折は運動や食事で防げる 肥満・メタボが骨折リスクを高める 納豆が効果的という研究も
2020年06月17日
「コロナで運動不足に」 運動を楽しく長続きさせる秘訣 健康運動は自分を守るために必要
2020年06月09日
【新型コロナウイルス】肥満が世界で深刻な問題に 食事や運動など生活スタイルに深刻な悪影響
2020年06月09日
「今見直したい職場の感染症対策」へるすあっぷ21 6月号
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 9,696 人(2020年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 2.7%
  • 保健師 44.8%
  • 看護師 10.8%
  • 管理栄養士・栄養士 19.8%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶