ニュース

車での移動を減らしてウォーキング 体重減への近道

 移動をするときは常に乗用車を使い、クッキーやキャンデーなどのお菓子をよく食べる・・・。これでは体重は増えるばかり。体重を確実に減らせる方法は、実はシンプル。車を使わずに歩くだけで良いという研究が発表された。適正な体重にコントロールすることを、新年の抱負として誓った人には朗報だ。
ウォーキングで消費カロリーを増やせば体重は減る
 毎日の車による移動と消費カロリーは深い関連がある。交通網が発達し、体を動かす機会はますます減っている。車に乗る頻度を減らすだけでも、消費カロリーは大きく違ってくるはずだと、米イリノイ大学のシェルダン ヤコブソン氏(コンピュータ科学)は考えた。

 「肥満を予防するために、一般的によく行われるのは、毎日の食事を見直すことです。しかし、生活を少しだけ見直して、身体活動を少しずつ増やしただけでも、食事改善と同等の効果を見込めます」と研究者は述べている。

 肥満の要因は、高脂肪・高カロリーの食事、身体活動量の低下など、患者一人ひとり異なるが、根本的には、摂取カロリーと消費カロリーのバランスによって理解できる。身体活動や運動による消費カロリーが、食事による摂取カロリーを上回れば、肥満を予防・改善できる。

 実際には現代生活では、消費カロリーはどんどん減っている傾向がある。背景にあるのは乗用車の普及だ。昔は移動は徒歩で行ったが、現在は車を運転することが多い。車の普及は、身体活動の減少に直結している。

 「体を動かす時間を確実に増やす方法は、実はとても簡単です。車を運転する代わりに、徒歩や自転車で移動する時間を増やせば良いのです。車はもっとも手軽に早く移動できる手段ではありますが、車社会の到来は肥満の増加と重なっています。皆が車に乗るようになってから、肥満は爆発的に増えました」とヤコブソン氏は指摘する。

 ヤコブソン氏らは、生活習慣の変化が肥満に及ぼす影響を調べるために、統計モデルを作成した。車の走行距離を1日1.6km減らす代わりに、同じ距離を歩いた場合と、摂取カロリーを1日100kcal減らした場合の、肥満への影響を比較した。

 研究チームは、米国全土のBMIとカロリー摂取量、運転の習慣に関する統計データを調べた。3つの変数の複雑な影響を正確に計算するために、走行距離とカロリー消費、BMIの関連を多可変モデルを活用し解析した。

 2010年の米国人の体格指数(BMI)の平均は27.55。米国人がいっせいに1.6kmだけ車に乗るのをやめれば、BMIは6年間で0.21低下することが判明した。一方、摂取カロリーを1日100kcal減らすと、BMIの低下は3年間で0.16にとどまるという結果になった。

 「生活を見直して毎日1.6km歩くのは、それほど難しいことではありません。車を使うのをやめ、バスに乗っただけでも変化はあります。毎日バス停まで歩いたり、ひとつ前の駅で下りて歩くなどすると、1日の摂取カロリーを100kcal減らすのと同じくらい、体に良い効果をもたらします」と、ヤコブソン氏は話す。

 「大切なことは、体のカロリー摂取と消費のバランスにいつも注意していて、どうすればバランスを体重を減らせる方向に調整できるかを考えることです」(ヤコブソン氏)。

 乗用車で移動する距離を1.6km短くした分、肥満や過体重を減らすことができ、結果として何十億ドルもの医療費を減らせることも分かった。それだけでなく、年間ガソリン消費量も減らすこともできるという。

 米国人の平均BMIは過去数十年で増加し、肥満に関連する医療費は高騰している。米国経済は増大する医療費による打撃を受けている。カリフォルニア州だけでも、肥満による年間の医療費は420億ドル(3兆7,000万円)近くにのぼる。肥満により米国の年間ガソリン消費量が10億ガロン(約38億リットル)増加するという推定もある。

 「今回の研究で分かったことは、私たちは常に選択肢をもっているということです。何をいつ食べるかに気をかけるだけでなく、いつ車を運転するかということには注意を払うべきでしょう。肥満を減らすためには、短い時間であっても運動や身体や活動を増やすことが大切です。小さな変化であっても、それを積み重ねれば大きな結果を生むことができるのです」とヤコブソン氏は強調している。

Study: Curbing car travel could be as effective as cutting calories(イリノイ大学 2012年12月18日)

[soshinsha]

「運動」に関するニュース

2019年01月22日
座ったままの時間を減らして運動を 運動がアンチエイジングの最良の手段に
2019年01月22日
「宿泊型健康指導プログラム」は効果的 特定保健指導の要支援者の体重・腹囲・コレステロールが改善
2019年01月15日
糖尿病腎症の重症化予防 保健師・管理栄養士・薬剤師が連携 先進的な取組みを紹介 厚労省
2019年01月08日
高齢者の肥満症のガイドラインを公開 認知症やADL低下の観点を付加 日本老年医学会
2019年01月08日
「冷え性」を克服するための6つの改善策 足の冷えに動脈硬化が隠れていることも
2019年01月07日
保健指導リソースガイド 2018年に読まれた記事ランキング・ベスト20
2018年12月26日
連休の夜更かし朝寝坊が体調不良の原因? 朝型生活でメタボや糖尿病のリスクを低下
2018年12月26日
学生時代の運動歴が将来の健康を左右? 大学時代のスポーツ経験が影響
2018年12月19日
肥満や病気の予防を「まちづくり」から推進 健康になるための「都市デザイン」とは 千葉大と竹中工務店
2018年12月19日
転倒経験がある高齢者は、自転車での転倒発生率も高い 肥満も転倒の要因に

最新ニュース

2019年01月22日
座ったままの時間を減らして運動を 運動がアンチエイジングの最良の手段に
2019年01月22日
「食物繊維」が糖尿病や心臓病のリスクを減らす インフルエンザの予防にも有用
2019年01月22日
腸内細菌がつくるアミノ酸が腎臓を保護 なぜ「発酵食品」は健康に良いのか
2019年01月22日
認知機能の低下を評価するための血液バイオマーカーを発見 認知症を早期発見して対策 筑波大学
2019年01月22日
「宿泊型健康指導プログラム」は効果的 特定保健指導の要支援者の体重・腹囲・コレステロールが改善
2019年01月18日
健康について何でも相談できる「かかりつけ医」を検索できるサイトを公開
2019年01月18日
【健やか21】2/11(月・祝日)シンポジウム「周産期からの虐待予防」
2019年01月16日
慢性腎臓病(CKD)対策 透析を防ぐために「睡眠」の改善が必要 大阪大
2019年01月16日
産後うつと関連して対児愛着が悪くなる 母親を早期支援し「ボンディング障害」を予防
2019年01月15日
糖尿病腎症の重症化予防 保健師・管理栄養士・薬剤師が連携 先進的な取組みを紹介 厚労省
2019年01月15日
乳がん手術の革新的な診断技術を開発 迅速・簡易な検査で「乳がんの取り残しなし」
2019年01月15日
アルコール依存症の飲酒量を低減する薬が登場 飲酒の1~2時間前に服用
2019年01月10日
【先着順申込み受付中!】 2/6 市民公開講演会 全国生活習慣病予防月間2019
2019年01月10日
【健やか21】ピアサポーター養成講座受講生の募集について(難病のこども支援全国ネットワーク)
2019年01月09日
「働き方改革と健康経営」へるすあっぷ21 1月号
2019年01月09日
【産保PC第7回(2018年度 第3回)レポート】職場巡視~ありのままの現場を見られる産業保健師になる~
2019年01月08日
高齢者の肥満症のガイドラインを公開 認知症やADL低下の観点を付加 日本老年医学会
2019年01月08日
大人のがん教育を始めよう がん患者の就労問題に取り組む企業を支援 がん対策推進企業アクション
2019年01月08日
がん終末期患者の3割が「苦痛あり」 介護など家族の負担も大きい 国立がん研究センター調査
2019年01月08日
「冷え性」を克服するための6つの改善策 足の冷えに動脈硬化が隠れていることも
2019年01月07日
保健指導リソースガイド 2018年に読まれた記事ランキング・ベスト20
2019年01月04日
妊娠~子育て期にだれもが切れ目ない支援を受けられるように―成育基本法が成立
2019年01月04日
厚労省が医療的ケア児と家族を支えるサービスの事例紹介の報告書を作成
2019年01月03日
IT導入で「障がい者雇用の可能性を広げる」期待高まる―野村総研調査
2018年12月26日
連休の夜更かし朝寝坊が体調不良の原因? 朝型生活でメタボや糖尿病のリスクを低下
2018年12月26日
認知症の発症を予想する新たなマーカーを発見 久山町研究の成果 九州大学
2018年12月26日
がん患者のための情報サイトを公開 就労や生活上の課題などの情報が中心
2018年12月26日
学生時代の運動歴が将来の健康を左右? 大学時代のスポーツ経験が影響
2018年12月26日
慢性腎臓病(CKD)患者はBMIが高値だと生命予後が良好 2万6,000人を調査
2018年12月21日
【健やか21】「アドバンス助産師1万2,000人に」日本助産評価機構が新たに992人認証
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,762 人(2018年12月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶