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運動が健康寿命を延ばす 脈拍測定を行うと効果的
2013年01月11日

年齢が上がるにつれ、体力は自然に衰えていく。しかし、「効果的な運動を続けていれば、年齢以上に体を若く保つことができる」と研究者は指摘している。
50歳からの運動 35歳を超えると筋力と基礎代謝は低下
ほとんどの人は年齢が35歳を超えると、筋力と基礎代謝が低下していく。食事の量が変わらない場合であっても、体のカロリー消費量は低下していくので、肥満になりやすくなる。
「ある年齢を過ぎると、まったく運動をしなければ、平均して体重は年間に約1.4kg増えていきます。これは10年間では約14kgに相当します。カロリー摂取量(食事)とカロリー消費量(身体活動)のバランスを調整するために、運動や身体活動を増やすことが効果的です」と、シカゴのロヨラ大学医学部のKeith Veselik博士は話す。
「生活習慣病を予防したり改善するためにも、運動を続けることが重要です。運動は大きな医療上の恩恵をもたらします。生活習慣病のリスクの高い人であっても、運動の大切さをよく理解し、継続して行えば、薬物療法と同等の便益を得られます」(Veselik博士)。
Veselik博士は、運動プログラムは心血管を丈夫にし、筋力を高め、体の柔軟性やバランス感覚の向上につながると強調する。これまで運動を行ってこなかった人や、糖尿病や高血圧症などの慢性疾患をもっている人は、医師のアドバイスを必要とする場合があるが、ほとんどの人は適切に注意すれば安全に運動を行うことができるという。
「いきなりマラソン大会に出場するといった、大きな目標を設ける必要はありません。身近な場所で、取り組みやすい運動を始めることで、十分に効果を期待できます。医師に相談して、自分の危険因子についてよく理解し、効果的な運動プログラムをつくることが大切です」。
脈拍測定を行い効果的な運動を
ある程度の負荷を身体に与えないと運動の効果は得られない。しかし、「きつい」とか「ややきつい」という感覚だけでは、体にどれくらいの負担がかかり、どれだけ効果を期待できるかが分かりづらい。心拍数を確かめながら運動を行うと、どれだけハードな運動を行っているか正確に知ることができる。

糖尿病の運動療法でおすすめできる強度は、「おしゃべりしながら続けられる」感覚です。適正な運動強度は、脈拍数をもとにして判断することができます。大まかな目安としては次の脈拍数を参考にしましょう。
Exercise and Physical Activity: Getting Fit for Life(米国国立衛生研究所 国立加齢研究所)
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