ニュース

「妊娠」「出産」に対する正しい理解を 晩産化と少子化に教育の充実で対策

 高校生や大学生に「妊娠」や「出産」に対する正しい知識をもってもらおうと、厚生労働省の研究班はこのほど教育用DVDを製作した。
 研究班の調査では「30歳を過ぎると妊娠する能力が衰えていく」ことを知っていた高校生では男性14%、女性22%にとどまった。「不妊や妊孕力、不妊治療などに関する適切な教育が必要」と研究班は指摘している。
科学的なデータで妊娠や不妊を解説
 DVDを製作したのは「若い男女の結婚・妊娠時期計画支援に関するプロモーションプログラムの開発に関する研究」班(代表:山本眞由美・岐阜大学保健管理センター教授)。

 DVDでは、科学的なデータをふまえて妊娠や不妊を解説している。不妊・妊娠についての若者へのインタビューを交えながら、妊娠のタイミングについて「男女2人の問題として考えることが必要」などと呼びかけている。

 世界保健機関(WHO)による不妊の定義を説明し、「女性は年齢とともに妊娠しにくくなり、流産や妊娠中の体のトラブルのリスクも高まる」「最新の医療でも妊娠可能年齢が劇的には上がっていない」「不妊の原因は男性にもある」といった知識を紹介している。

画面をクリックすると動画の再生がはじまります
「30歳を過ぎると妊娠能力が低下」 高校生の認知率は男性13.7%、女性22.3%
 日本では晩婚化・晩産化を伴う少子化が進行しており、2013年の合計特殊出生率は1.43だった。晩婚化は妊娠適正年齢を逃すことによる不妊の増加を、晩産化は母体の高齢化によるハイリスク妊娠の増加をもたらす。

 "晩婚化、晩産化を伴う少子化"の現象にはさまざまな社会的要因が関与しているが、高齢化が進む傾向にある不妊治療の現場で、「もっと若い時期に、妊娠時期などの人生設計について考える機会をもてれば、結婚や妊娠の時期をもっと早く迎えていたかもしれない」という思いを持つカップルが少なくない。

 研究班は昨年4~6月、全国の高校生1,866人と大学生1,189人に妊娠に関する意識調査を行った。

 「女性の妊娠する能力が30歳を過ぎた頃から少しずつ低下すること」を、「よく知っていた」と答えたのは、高校生で男性13.7%、女性22.3%、大学生で男性30.0%、女性41.9%だった。高校生の男性では、「全く知らなかった」と答えた者が36.1%いた。

 「不妊治療を受けていても女性の妊娠する能力は年齢とともに少しずつ低下すること」について「よく知っていた」と答えたのは、高校生で男性8.0%、女性14.1%、大学生で男性19.4%、女性31.0%だった。

"子育て"をもっと身近に体験できるアプローチが必要
 日本では晩婚化少子化が進んでいるが、高校生・大学生は、結婚・挙児を希望する者が大多数であり、結婚をしたい年齢も、高校生と大学生で男女ともに25歳前後だった。この年代では、年齢が上がるにつれ、結婚・挙児希望が下がるわけではないことも判明した。

 一方で、高校生・大学生ともに、結婚や挙児を希望する者が大多数であるにもかかわらず、自分の人生における「子育て」の優先度が低く、多くの高校生・大学生が、将来の「子育て」に対して経済的不安や知識・情報不足による不安を抱いているものが多かった。

 挙児希望に影響を与える背景は、高校生では「実家経済力」、大学生でも「将来の経済不安」「実家経済力」「健康状態」「健康への関心」の影響を強く受けることが示された。少子化や晩婚化に対するアプローチの視点としては、「経済」と「健康」であることが重要であることが示唆された。

 「高校生・大学生がもっていないことが、日本では高校生・大学生が子育ての現場に接する機会が少ないため、子育てのイメージをもてないのではないか。高校や大学のカリキュラムや実体験学習の場で、小児に触れる機会を増やし、"子育て"をもっと身近に体験するようなアプローチが必要だ」と、山本教授は言う。

 文部科学省によると、不妊について詳しく説明している高校生の保健体育の教科書は少ない。国の少子化対策でも、妊娠に関する教育の充実が指摘されている。

厚生労働科学研究費補助金 政策科学総合研究事業「若い男女の結婚・妊娠時期計画支援に関するプロモーションプログラムの開発に関する研究」報告書(全国大学保健管理協会)

[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2018年11月15日
【参加募集中】第7回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「職場巡視~ありのままの現場を見られる産業保健師になる~」
2018年11月15日
【産保PC第6回(2018年度 第2回)レポート】テーマ:メンタルヘルス
2018年11月14日
世界糖尿病デー 「糖尿病の警告サイン」を5人に4人が知らない
2018年11月14日
11月14日は「世界糖尿病デー」 家族や大切な方が糖尿病と言われたら
2018年11月14日
"防ごう、備えよう!低血糖―低血糖時のアクションプラン"公開 糖をはかる日
2018年11月13日
がん患者の就労支援 働く患者の75%が「産業医」の存在を知らない
2018年11月13日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月13日
妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に 遺伝子レベルで解明
2018年11月13日
なぜ「朝食を抜くと体重が増える」? 体内時計で解明 名古屋大
2018年11月12日
「糖尿病になったらいくらかかる?」を改訂 糖尿病の医療費

最新ニュース

2018年11月16日
【健やか21】平成30年度「医療安全推進週間」
2018年11月15日
【参加募集中】第7回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「職場巡視~ありのままの現場を見られる産業保健師になる~」
2018年11月15日
【産保PC第6回(2018年度 第2回)レポート】テーマ:メンタルヘルス
2018年11月14日
世界糖尿病デー 「糖尿病の警告サイン」を5人に4人が知らない
2018年11月14日
厚労省がイクメン企業アワード受賞企業取組事例集などを発行
2018年11月14日
11月14日は「世界糖尿病デー」 家族や大切な方が糖尿病と言われたら
2018年11月14日
"防ごう、備えよう!低血糖―低血糖時のアクションプラン"公開 糖をはかる日
2018年11月13日
がん患者の就労支援 働く患者の75%が「産業医」の存在を知らない
2018年11月13日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月13日
妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に 遺伝子レベルで解明
2018年11月13日
なぜ「朝食を抜くと体重が増える」? 体内時計で解明 名古屋大
2018年11月12日
「糖尿病になったらいくらかかる?」を改訂 糖尿病の医療費
2018年11月09日
【健やか21】妊娠中・産後のママのための食事BOOK(ダウンロード無料)
2018年11月08日
適切な情報選択の一助に!「アレルギーポータル」を開設~日本アレルギー学会
2018年11月08日
「効果を上げる! 健康教育のツボ」へるすあっぷ21 11月号
2018年11月07日
【新連載】がん治療と仕事の「両立支援」を考える~産業保健師の乳がん経験~
2018年11月06日
簡易に測定できる「フレイルチェック」を産官学協働で開始 九州大学など
2018年11月06日
新しい「発芽玄米」で脳内「BDNF」が増える 脳卒中や認知症などを予防
2018年11月06日
肥満やメタボの新たな治療 肝臓の「アクチビンE」が脂肪を燃焼
2018年11月06日
チョコレートが閉経後女性の高血糖、高血圧、高コレステロールを改善
2018年11月05日
生活改善の「三日坊主」を防止するアプリ チームで励まし治療を継続
2018年11月02日
【健やか21】児童虐待防止推進月間「愛の鞭ゼロ作戦」
2018年11月01日
ブレインフードレシピを提供します(くるみヘルスケアプロジェクト)
2018年10月31日
なぜ朝食は食べた方が良いのか? 肥満と脂質異常症を予防するのに有利
2018年10月31日
生涯でがんに罹患する確率は男性62%、女性47%~最新がん統計
2018年10月31日
歯周病を治療すると血糖値が改善 心血管疾患や腎臓病のリスクも低下
2018年10月31日
乳がんの原因遺伝子を解明 日本人1万8,000人のデータベースを構築
2018年10月31日
世界の長寿国ランキング 日本は2040年に2位に転落 社会格差が課題に
2018年10月31日
女性は50歳を越えると骨粗鬆症のリスクが上昇 「定期的に検査を」
2018年10月31日
非アルコール性脂肪性肝疾患の有無を判定するバイオマーカーを発見
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,558 人(2018年10月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶