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睡眠を改善するための10ヵ条 睡眠不足とメタボが重なると危険

 健康な毎日をおくるために推奨されている睡眠時間は、一般的に6時間以上8時間未満程度だ。それよりも睡眠時間が短いと、心臓病や脳卒中を発症するリスクが高まるとされている。
 メタボリックシンドロームのある人では、そのリスクが2倍以上に高まることが明らかになった。
メタボのある人が睡眠不足だと死亡リスクが2倍に
 内臓肥満や高血糖、高血圧、脂質異常などのリスクをいつくか併せもつメタボリックシンドローム(メタボ)の人は、1晩の睡眠時間が6時間未満で睡眠不足であると、心臓病や脳卒中による死亡リスクが2倍に上昇することが、米国のペンシルバニア州立大学によって明らかになった。

 米国では、内臓脂肪、脂質異常(中性脂肪値またはHDLコレステロール値の異常)、高血圧、高血糖のうち3つ以上が該当すると「メタボリックシンドローム」と診断される(注:日本では腹部肥満が必須項目とされている)。

 研究チームは、メタボのある人とない人を追跡して調査し、睡眠時間によって心臓病や脳卒中で死亡するリスクにどれだけの違いが生じるかを比較した。

 対象となったのは、平均年齢49歳成人男女1,344人で、そのうち39.2%がメタボの危険因子を3つ以上もっていた。睡眠検査室で一晩寝てもらい睡眠時間を測定し、その後、16.6年間追跡して調査した。

 その結果、睡眠時間が6時間を超える場合、メタボのない人に比べ、心臓病や脳卒中で死亡する割合が1.49倍に上昇し、睡眠時間が6時間未満の場合は、死亡リスクが2.1倍に上昇した。

 「メタボの要因である内臓脂肪、脂質異常、高血圧、高血糖は、いずれも心臓病や脳卒中の危険要因です。これに睡眠不足が加わると、死亡リスクは大きく上昇することが分かりました。メタボのある人は、睡眠時間を確保して、健康的な生活をおくることがとりわけ大切です」と、ペンシルバニア州立大学医療センター・睡眠研究治療センターのフリオ フェルナンデス メンドーサ氏は言う。
睡眠不足が続くと糖尿病リスクが高まる
 「心疾患や脳卒中による死亡リスクを低下させるために、睡眠不足の場合には、睡眠の問題を解決するために、主治医とよく相談することが重要です」と、メンドーサ氏は言う。

 睡眠時間が不足すると、さまざまな体の変調が起こる。例えば、ストレスによって増えるコルチゾールなどのホルモンによって、血糖コントロールに関わるインスリンの働きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病のリスクが高まる。

 また、睡眠不足により、食欲を増進させるグレリンなどのホルモンが増え、満腹感を起こすレプチンなどのホルモンが減るため、体重増加につながる。

 睡眠不足で疲れがとれないと、運動不足になり肥満になりやすくなるという悪循環に陥る。

 必要な睡眠時間は一般的には6時間以上8時間未満程度だ。日が長い夏は睡眠時間は短くなりやすく、日が短い冬は長くなりやすい。また、一般に加齢とともに生活習慣が朝方になる傾向がある。

 適切な睡眠時間は季節や年齢によって変化するが、日中に強い眠気を感じたら、それは睡眠不足のサインだ。
睡眠を改善するための10ヵ条
 適切な量と質の良い睡眠には、心身の疲労を回復する作用がある。睡眠に問題を抱えている人は、生活スタイルを改善し、必要なときは専門家に相談し、1日も早く質の良い睡眠を得られるようにすることが大切だ。

 米国睡眠学会は、睡眠時間を十分に確保し、質の良い睡眠を得るために、つぎのことをアドバイスしている。

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1 朝食を毎日とる

 きちんと朝食をとることは、よい睡眠につながる。朝食をとることで、体が目覚め、1日のスタートをスムーズにするだけでなく、体内時計のリズムも整えられる。

2 ウォーキングなどの運動をする

 適度な運動をする習慣は、睡眠と覚醒のリズムにメリハリをつけ、良い睡眠につながる。日中の適度な運動が、寝つきを良くし、夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」を減らすことにつながる。

 適度な運動を行うことも大切だ。昼間に運動習慣のある人たちは、よく眠れるという調査報告がある。ウォーキングなどの無理なく毎日続けられる運動を習慣にすると、質の良い睡眠を得られやすくなる。

 ただし、就寝前の飲食や激しい運動は寝つきを悪くするので気を付けよう。

3 起きた時に朝日を浴びる

 寝床に入る時間が遅くなっても、朝は一定の時間に起きて、太陽の光を浴び、体内時計をきちんと調整することが、夜眠くなる時刻を一定にすることにつながる。

4 寝床に入る時間を一定にする

 眠くなる時間には個人差があるが、多くの人は、習慣的に眠りにつく時間の前の3時間ほどはもっとも眠りにくいという現象がみられる。

 体がきちんと眠気を感じてから眠ることが、寝つきの良さを一定にするために大切だ。そのために、1日にスケジュールを見直そう。

5 眠る前にアルコールを飲まない

 寝酒は、寝つきを良くすることもあるが、その後の睡眠を不安定にし、中途覚醒しやすくなるので注意が必要だ。

6 カフェインにも注意

 カフェイン入りの飲料にも注意が必要だ。寝る前の3~4時間はカフェインを含む飲料などは控えよう。コーヒーや緑茶、紅茶のほか、栄養ドリンクなどにもカフェインは入っている。

7 眠りやすい環境づくり

 寝つきの良し悪しや睡眠の質は、温度・湿度などにも影響される。良い睡眠のためには、環境づくりも重要だ。温度に関しては、室温だけでなく、寝床に入っている状態での皮膚の周りの温度が33℃前後になっていることが快適な睡眠のためにポイントになる。

 寝室の照明にも注意が必要。必ずしも照明は真っ暗にするのが良い睡眠をもたらすわけではない。自分がリラックスできる明るさをみつけることが大切だ。

8 夜間に眠れない場合は昼寝をする

 働いている勤労世代は、仕事の責任が重くなり、残業で帰りが遅くなったり、勤務体制の都合で夜に働いたりして、睡眠不足や睡眠の不規則が起こりがちだ。そのうえ、元気で意欲的な世代なので、睡眠不足でも何とかやり通そうとしがちだ。

 しかし、無理が重なると、作業能率が低下してミスが増えたり、事故につながることもあるので注意が必要だ。作業能率が低下すると、帰宅時間が遅くなり、ますます睡眠不足になるという悪循環に陥りやすい。

 夜間の睡眠時間を確保できなかったときの応急処置としては、昼休みなどの午後の早い時間に、昼寝をすると良い効果を得られる。時間は30分以内にとどめ、長く寝過ぎないようにする必要がある。

9 不眠の人はうつ病に注意

 睡眠による休養感は、こころの健康にも重要だ。睡眠が不足すると、体だけでなく、精神状態にも影響を及ぼす。不眠の症状のある人は、うつ病にかかりやすいという報告がある。

 不眠で悩んでいる人は、生活を見直すほか、医師に相談するなどして対処することが勧められる。

10 眠りについての悩みを医師や保健師に相談する

 体に異常が起きていてよく眠れない場合には、背後に病気が隠れている場合がある。

 例えば、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚(レストレスレッグス)症候群、周期性四肢運動障害などだ。

 激しいいびきや脚のむずむず感、腕や脚のぴくぴく動く感覚などがあると、目覚めたときに休息感を得られず、日中に眠くなったりするので注意が必要だ。

 眠れない悩みは、人に相談してもなかなか分かってもらえず、孤独を感じることがある。一人で解決しようと悩まずに、医師や保健師など、身近な専門家に相談することが大切だ。

Too little sleep may raise risk of death in people with cluster of heart disease risk factors(米国心臓学会 2017年5月24日)
What is Atrial Fibrillation(米国心臓学会 2017年2月6日)
Evolve Sleep(米国睡眠学会)
[Terahata]

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