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健康保険加入者の37%が肥満 脂質や血圧など複数のリスク 健保連調査

 40~74歳の健康保険の加入者のうち、肥満は36.3%に上り、とくに50~60歳代にかけて多い。肥満者は「保健指導判定値以上」に該当する割合が高く、脂質や血圧などの数値で複数のリスクを抱えている――健康リスクを抱える働きざかり世代の実態が、健康保険組合連合会(健保連)の調査で明らかになった。
肥満があると「保健指導判定値以上」が9割以上
 健康保険組合連合会(健保連)は、一定規模以上の社員を有する企業の会社員(被保険者)や、その家族(被扶養者)約3,000万人が加入している組織。データヘルスに積極的に取り組んでおり、このほど2015年度の特定健康診査受診者339万5,199人の健診データをもとに、健康状態(肥満、血圧、脂質、血糖、肝機能)を分析した。

 被保険者の4割近くが肥満で、肥満があると肥満、血圧、脂質、血糖、肝機能が不良である傾向があり、「保健指導判定値以上」と判定される割合が9割以上に上ることが明らかになった。健診検査項目別にみると、リスク保有者の割合は「脂質」(30.2%)でもっとも多く、「血圧」(12.7%)が続く。

 また喫煙や大量の飲酒などの生活習慣をもつ人では、肥満が多く、健康リスクも高いことも明確となり、「生活習慣の改善が健康リスクの改善において重要である」ことが改めて示された。
どの年齢層でも4割近くが「肥満」
 まず肥満の状況をみると、全体の36.3%が「肥満」となっており、どの年齢層でも4割近くを占め、50歳~60歳台にかけて高い傾向がみられる。

 被保険者・被扶養者別にみると、「肥満」該当者の割合は、被保険者(39.9%)、被扶養者(17.1%)と、被保険者の割合が圧倒的に高く、どの年齢階層別においてもおおむね4割程度を占めている。一方、被扶養者は、年齢階層が上がるにつれて高くなる傾向が示された。

 肥満者と非肥満者とで、血圧や脂質、血糖などの健康リスク保有者の割合を比べると、非肥満者では「保健指導判定値以上」は72.8%だが、肥満者では93.9%とほとんどが「保健指導判定値以上」となっている。

 「肥満」「非肥満」ごとに健診レベル判定分布状況をみると、「肥満」では「基準範囲内」(6.8%)、「保健指導判定値」(10.5%)、「受診勧奨判定値」(7.7%)となっている。男女別にみると、「肥満」の割合は男性(47.5%)、女性(18.7%)と男性が圧倒的に高い。また、「肥満」「非肥満」のうち、「基準範囲内」の人は、男性(29.0%:21.3%+7.7%)、女性(57.0%:51.7%+5.3%)となっており、男性の約7割が何らかのリスクを保有していることが示されている。

 健診検査項目別にリスク保有者の構成割合をみると、高い割合を示しているのは「脂質」(30.2%)で、「血圧」(12.7%)、「血圧・脂質」(9.8%)となっている。
高血圧 年齢が高くなるにつれ「保健指導」「受診」が必要に
 次に血圧の状況をみてみると、40歳以上の健保組合加入者の7割近くは血圧が基準範囲内だが、保健指導の対象あるいは受診勧奨の対象となるレベルで血圧が高い人も3割超いる。

 全体の67.0%は基準範囲内(収縮期130mmHg未満・拡張期85mmHg未満)だが、16.1%が「保健指導判定値」以上(収縮期130mmHg以上・拡張期85mmHg以上)、16.9%が「受診勧奨判定値」以上(収縮期140mmHg以上・拡張期90mmHg以上が12.9%、収縮期160mmHg以上・拡張期100mmHg以上が4.0%)という状況となっている。

 被保険者・被扶養者ともに年齢階層が高くなるにつれて「保健指導判定値」以上、「受診勧奨判定値」以上の割合が増え、70~74歳では被保険者、被扶養者ともに半数近くが「保健指導判定値」以上、「受診勧奨判定値」以上となっている。
脂質が基準範囲内の人は4割に満たない
 脂質については、40歳以上の健保組合加入者のうち、脂質が基準範囲内の人は4割に満たず、6割強は保健指導の対象あるいは受診勧奨の対象となるレベルにある。

 基準範囲内(LDL120mg/dL未満・HDL40mg/dL以上・中性脂肪150mg/dL未満)は38.4%にとどまり、「保健指導判定値」以上(LDL120mg/dL以上、HDL40mg/dL未満、中性脂肪150mg/dL以上)が29.9%、「受診勧奨判定値」以上が31.7%(LDL140mg/dL以上、中性脂肪300mg/dL以上が27.0%、LDL180mg/dL以上、中性脂肪1000mg/dL以上が4.7%)となっている。

 血糖に関しては、40歳以上の健保組合加入者の7割近くでは、血糖値は基準範囲内だが、保健指導の対象あるいは受診勧奨の対象となるレベルで血糖値が高い人も3割強いる。

 69.4%が基準範囲内(空腹時血糖100mg/dL未満、HbA1c5.6%未満)だが、25.6%は「保健指導判定値」以上(空腹時血糖100mg/dL以上、HbA1c5.6%以上が18.5%、空腹時血糖110mg/dL以上、HbA1c6.0%以上が7.1%)、4.9%は「受診勧奨判定値」以上(空腹時血糖126mg/dL以上、HbA1c6.5%以上)という状況だ。
肝機能が受診勧奨レベルの人は3割強
 肝機能をみてみると、40歳以上の健保組合加入者の7割近くは、肝機能は基準範囲内だが、保健指導の対象あるいは受診勧奨の対象となるレベルの人も3割強いる。

 69.1%は基準範囲内(AST31U/L未満・ALTU/L31未満・γ-GT51U/L未満)ですが、「保健指導判定値」以上(AST31U/L以上、ALT31U/L以上、γ-GT51U/L以上)が20.4%、「受診勧奨判定値」以上((AST51U/L以上、ALT51U/L以上、γ-GT101U/L以上)となっている。
生活習慣の改善が健康リスクの改善において重要
 さらに生活習慣と健康リスクとの関係をみると、▽喫煙習慣のある人、▽週に3回以上就寝前2時間以内に夕食をとる人、▽1日当たり3合以上の飲酒を行う人、▽20歳の時から10Kg以上体重が増加している人――などで、そうでない人に比べて「肥満が多く、健康リスク保有者の割合も高い」ことが示された。

・ 「現在、たばこを習慣的に吸っている」人の41.8%が肥満で、リスク保有者の構成割合は(1)脂質(31.2%)、(2)血圧(10.5%)、(3)肝機能(7.4%)の順に高かった。

・ 「朝食を抜くことが週に3回以上ある」人の40.1%が肥満で、リスク保有者の構成割合は(1)脂質(33.0%)、(2)血圧(10.2%)、(3)血圧・脂質(6.7%)の順に高かった。

・ 「就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ある」人の42.4%が肥満で、リスク保有者の構成割合は(1)脂質(30.0%)、(2)血圧(10.6%)、(3)肝機能(7.4%)の順に高かった。

・ 「飲酒日の1日当たりの飲酒量3合以上」の人の50.6%が肥満で、リスク保有者の構成割合は(1)脂質(23.0%)、(2)肝機能(11.7%)、(3)血圧(11.5%)の順に高かった。

・ 「20歳の時の体重から10kg以上増加している」人の71.0%が肥満で、リスク保有者の構成割合は(1)脂質(31.0%)、(2)血圧(10.9%)、(3)血圧・脂質(8.6%)の順に高かった。

健康保険組合連合会
  健診検査値からみた加入者(40~74歳)の健康状態に関する調査分析(2017年7月)
[Terahata]

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