ニュース

乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大

 ごく弱い電波を発信する機器で乳房の表面をなぞるだけで、乳房の中まで立体的に写しだし、乳がんを高い精度で発見できる新たな画像検査法を、神戸大学の研究グループが開発した。
痛くない高感度の乳がん検査を開発
 神戸大学が、乳がん検診で使われている従来のマンモグラフィーのように圧迫感や痛みがなく、鮮明な立体画像が得られる検査法を開発した。来年度中に臨床試験を始め、検診での普及を目指す。

 マンモグラフィー検査は40歳以上を対象に集団検診として行われている。従来のマンモグラフィーでは、高濃度乳房の場合は、乳がんの可能性のある病変が乳腺組織に隠れてしまい、正常組織と区別できる割合が低下するという欠点がある。

 白人女性の約6割、55歳以下のアジア人女性の約8割が高濃度乳房とされている。また、X線による放射線を被曝するというデメリットがある。

 一方、超音波検査は、乳腺密度の影響を受けずに病変をみつけられ、痛みもないというメリットがあるが、超音波で得られる画像の再現性が低いというデメリットもある。

 研究チームが開発したのは、被曝がなく、造影剤も使用せず、乳房を圧縮することなく、乳房の自然な形状を保った状態で計測できる新たな画像検査法。

 わずか数秒以内に両側乳房全体の内部構造の3次元画像が構成されるという。

 これまでの臨床研究で、年齢、乳房のタイプによらず90%以上という高い割合で乳がんを検出できることが実証された。数cm以上の深さで500μmの乳がんを検出できるという。

 研究を進めているのは神戸大学数理・データサイエンスセンターの木村建次郎教授らの研究チーム。木村氏はこの研究により、2017年に日本医療研究開発機構(AMED)理事長賞を受賞した。

関連情報
従来の乳がん検診の欠点を克服する技術を開発
 乳がんの2017年度の罹患数予測は約8万9,100人、死亡者数予測は1万4,400人。現在、30〜60歳代の女性における死因の1位となっている。

 しかし、2016年度の厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、乳がんを含めたがん検診の受診率はおよそ45%だ。

 「乳房の圧迫痛がある」「X線被爆がある」といった欠点が、乳がん検診の実施率の低下につながっている。

 研究チームが開発したのは「極微弱電波を用いたマンモグラフィ」。被爆せず、造影剤が不要で、従来の乳がん検診の欠点を克服する技術だ。

 コンピューター断層撮影(CT)の基本的な仕組みは、透過性が高い波動が物体内部で遮断・吸収されると、それがコントラストを生み、さまざまな角度からの画像を処理できるようになるというもの。

 これに対し研究チームは、乳がん組織と正常組織との界面で電波が反射することに着目。CTとは反対に、透過性が低く散乱の大きな波動を用いた3次元構造を逆解析する技術の開発に、10年以上前から取り組んでいる。

 開発に成功したのは、携帯電話の1,000分の1以下の微弱な電波を用いたマンモグラフィで、がん付近の血管で反射した電波の波形を解析し、数秒程度でがん組織の3次元画像を作ることができる。従来の方法の数千倍以上の性能があるという。

 これまで240人の臨床試験を実施し、乳がんの高い検出感度が実証されている。来年度中に臨床試験を始め、検診での普及を目指す。

 「乳がんで苦しむ女性が一人でも少なくなることを願い、このシステムの早期の実用化を目指している。世界に普及させ、乳がんが原因の死亡を世界でゼロにしたい」と、木村氏は話している。
神戸大学数理・データサイエンスセンター
[Terahata]

「保健指導リソースガイド」に関するニュース

2019年03月26日
【レポート】スローカロリー研究会 第5回年次講演会 ゆっくり吸収されるカロリーを具体的に活用
2019年03月20日
運動は若さを保つための最善の策 40歳以降は筋肉を増やす運動が必要
2019年03月20日
糖尿病リスクはBMIが22以上から上昇 若い頃からの体重管理が重要 順天堂大学
2019年03月20日
保健指導と介護予防を一体的に実施 フレイル対策を強化 厚労省が方針
2019年03月20日
うつ病の発症原因は「仕事の不満足」 回復では「職場ストレス」が重要 職場でのヘルスマネジメント戦略
2019年03月20日
長時間労働が心筋梗塞リスクを1.6倍に上昇 日本人1.5万人を20年調査
2019年03月20日
歯周病がCOPDの引き金に 歯周病の人は発症リスクが4倍に上昇
2019年03月13日
「睡眠負債」は週末の寝だめでは解消できない 睡眠を改善するための6ヵ条
2019年03月13日
認知症リスクは糖尿病予備群の段階で上昇 体と心を活発に動かして予防
2019年03月13日
994万人が高血圧 脂質異常症は221万人 糖尿病は過去最多の329万人 【2017年患者調査】

最新ニュース

2019年03月26日
【レポート】スローカロリー研究会 第5回年次講演会 ゆっくり吸収されるカロリーを具体的に活用
2019年03月25日
【新連載】住み慣れた地域で最期まで暮らすことを目指した「暮らしの保健室」~医療・看護・介護を通じた住みよいまちづくりの試み~
2019年03月25日
地域保健・健康増進事業報告②~健康診査についてなど「健康増進事業」の概要
2019年03月22日
2017年度 特定健診の実施率は53.1%、特定保健指導の終了者は19.5% 目標との隔たり埋まらず
2019年03月22日
【健やか21】春本番、自転車の思わぬ事故に注意! ~安全のために知っておきたいポイント~
2019年03月20日
運動は若さを保つための最善の策 40歳以降は筋肉を増やす運動が必要
2019年03月20日
糖尿病リスクはBMIが22以上から上昇 若い頃からの体重管理が重要 順天堂大学
2019年03月20日
保健指導と介護予防を一体的に実施 フレイル対策を強化 厚労省が方針
2019年03月20日
うつ病の発症原因は「仕事の不満足」 回復では「職場ストレス」が重要 職場でのヘルスマネジメント戦略
2019年03月20日
長時間労働が心筋梗塞リスクを1.6倍に上昇 日本人1.5万人を20年調査
2019年03月20日
歯周病がCOPDの引き金に 歯周病の人は発症リスクが4倍に上昇
2019年03月19日
地域保健・健康増進事業報告①~母子保健など「地域保健事業」の概要
2019年03月14日
【健やか21】募集開始!周産期メンタルヘルスと児童虐待予防セミナー
2019年03月14日
保健師の職業紹介番組を放映(テレビ神奈川、3/17)
2019年03月14日
「産業保健プロフェッショナルカンファレス」主催者変更のお知らせ
2019年03月13日
「睡眠負債」は週末の寝だめでは解消できない 睡眠を改善するための6ヵ条
2019年03月13日
認知症リスクは糖尿病予備群の段階で上昇 体と心を活発に動かして予防
2019年03月13日
【新連載】LGBTについて、学校保健分野・地域保健分野・産業保健分野で考える
2019年03月13日
994万人が高血圧 脂質異常症は221万人 糖尿病は過去最多の329万人 【2017年患者調査】
2019年03月13日
日本人妊婦で「静脈血栓塞栓症」が増えている 女性でも珍しいくない病気に エコチル調査
2019年03月13日
高齢者の多くが複数の病気を併発 医療費と介護費が増加 保健指導が必要
2019年03月12日
アルコールががんや生活習慣病を引き起こす「少酒の勧め」 動画を公開
2019年03月12日
【参加申込受付中】産業保健師会 2019年度 第1回研修会「産業保健師活動のあり方の本質に迫る―今どきの職場不適応の背景とその対応―」
2019年03月08日
睡眠に不満がある人は9割超―求められる十分な睡眠時間と質の高い眠り
2019年03月07日
【取材】多職種連携でも必要な「保健師の技術の可視化」を考える【平成30年度 日本保健師連絡協議会】
2019年03月07日
【健やか21】世界自閉症啓発デー2019(4/6東京) 参加申込み受付中
2019年03月06日
太っていなくても糖尿病やメタボに 日本人は少しの体脂肪増加や運動不足で異常が
2019年03月06日
糖質に着目した「1:1:1お弁当ダイエット法」 主食・主菜・副菜を最適に
2019年03月06日
大阪府が「健活10」を開始 健康寿命の延伸と健康格差の縮小が目標 1人ひとりの主体的な健康づくりを促す
2019年03月06日
認知症の発症を血液検査で予測 100%の的中率で判別に成功 長寿研
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,762 人(2018年12月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶