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連休の夜更かし朝寝坊が体調不良の原因? 朝型生活でメタボや糖尿病のリスクを低下

 休日が続いたときや土曜日や日曜日に、ゆっくり休んだはずなのに、勤務日に体がだるいと感じることはないだろうか? それは「社会的時差ぼけ」のせいかもしれない。
 社会的時差ぼけがあり、生活が「夜型」になると、体調不良だけでなく、2型糖尿病や肥満、うつ病などの発症リスクも上昇する。解消するために日常生活で工夫することが大切だ。
週末の夜更かしや朝寝坊が体調不良の原因に
 仕事のある平日は定刻に起きていても、休日に遅くまで寝ていると、疲れが思ったようにとれないという経験はないだろうか? 睡眠習慣の乱れによって「体内時計」が狂い、肥満や2型糖尿病、うつ病などの発症リスクが高まる危険性があるという研究が発表された。

 睡眠や体温、血圧、ホルモン分泌など体の基本的な機能はおよそ24時間のリズムを示す。この1日周期のリズムは「概日リズム」と呼ばれる。概日リズムを調整している「体内時計」は、生活習慣から大きな影響を受けている。

 休日はいつもより遅くまで寝ているなど、平日と休日で生活パターンに時差があると、平日に時差症状が出る場合がある。不規則な生活などが原因で、体内時計と生活時間との間にずれが生じるのが「社会的時差ぼけ」(ソーシャル ジェットラグ)だ。

 週末に夜更かしや朝寝坊をして就床時刻や起床時刻がずれると、それをきっかけに体内時計が乱れやすくなる。週末や休日だけの生活リズムの乱れと軽く考えがちだが、体への影響は決して少なくない。

関連情報
生活リズムが1時間ずれただけで思わぬ体の不調が
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本でサマータイムの導入が検討されたことがあった。サマータイムは、現在欧米など60ヵ国で導入されている時刻システムで、春に時刻を1時間早め(夏時間)、秋に標準時間に戻す(冬時間)という制度。

 これに対し日本学術会議は、「サマータイムは社会的時差ぼけを引き起こすおそれがある」と指摘、「健康科学の面から問題が多い」という提言を発表した。就寝時間と起床時間が1時間ずれただけで、自律神経系、運動系、認知機能、情動コントロールなどの中枢神経機能が低下しやすいという。

 交替勤務など、生活スケジュールが変化しやすい人でも社会的時差ぼけは起こりやすいので、注意が必要だ。
食事は大切 朝食で体内時計を同調
 人間の身体は、24時間のリズムで変化している。活動や睡眠といった目に見える変化だけでなく、朝が来ると血圧と心拍数が上がりはじめ、昼には血中のヘモグロビン濃度が高くなる。夕方には体温が上がり、夜には尿の流出量が増える。これらは体内時計の働きによるものだ。

 これまで体内時計は主に光によって同調されていると考えられてきたが、最近の研究では食事がもっとも強い同調因子として働いていることが分かってきた。

 名古屋大学は、朝食を抜くと体重増加が起こりやすくなり、肝臓の時計遺伝子や脂質代謝のリズムの異常が引き起こされやすいことを明らかにした。

 毎朝規則正しく朝食を食べることで、体内リズムが正常化し、肥満やメタボリックシンドローム、2型糖尿病、冠動脈心疾患の予防・改善につながる可能性があるという。
生活が「夜型」になると肥満やメタボのリスクが上昇
 生活が「朝型」の人は、「夜型」の人に比べ、健康状態が良い傾向があることが、英国人を対象とした研究で確かめられている。ノースウェスタン大学の研究チームは、約43万人の英国人を対象に6年半にわたり追跡して調査した。

 生活が夜型の人は朝型の人に比べ、死亡リスクが10%高く、糖尿病のリスクは1.3倍に、うつ病などの精神疾患のリスクが1.9倍にそれぞれ上昇した。

 生活リズムが乱れやすい人は、肥満やメタボリックシンドロームのリスクも高いことが分かった。生活が夜型になることで社会的時差ぼけが生じ、体内時計のリズムが乱れやすくなると考えられている。
週末に朝寝坊をする子供は健康が損なわれやすい
 過去の研究では、社会的時差ぼけによって昼間の眠気が起こり、頭の働きの低下や抑うつを増やし、仕事のパフォーマンスも低下することが報告されている。「現代人の働き方が睡眠や健康にどういった影響を及ぼすのかを、社会全体で考える必要があります」と、米国睡眠医学会では述べている。

 社会的時差ぼけの問題は、大人だけに限ったことではない。日本で小学校5年生から高等学校3年生まで2万人を対象に行われた研究で、夜型で週末に朝寝坊をする生活パターンよって健康が損なわれやすいことが判明した。

 研究チームは、子供の睡眠や食事などの生活習慣、心身の症状などについて答えてもらい、生活パターンとの相関を調べた。子供の生活パターンを「夜型」「やや夜型」「早寝早起き」「週末朝寝坊」に分類した。

 もっとも健康的なのは「早寝早起き」の子供で、「夜型」の子供では体調不良、かぜの引きやすさ朝の不機嫌さなどの不調の度合いが大きかった。
社会的時差ぼけを防ぐための6ヵ条
 社会的時差ぼけを防ぐために、概日リズム(体内時計)に狂いが生じないように生活スタイルを工夫することが必要だ。

 米国睡眠医学会によると、次のことを実行すると体内時計のずれを解消しやすいという――

1 快眠はまずは規則正しい生活から

 規則正しい生活によって、体内時計がホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、睡眠に備えて準備してくれる。この準備は自分の意志ではコントロールできない。体内時計を整え、体を睡眠に導くために、毎日同じ時刻にベッドに入ることが必要だ。

2 朝食をきちんと食べる、夜遅い時間に食事しない

 生活が「夜型」になり、朝食を抜くと、体内時計が乱れて、肥満や糖尿病などのリスクが上昇するという研究が発表されている。朝食は体内時計を正常化するために、もっとも重要な食事だ。

 体内時計を整えるために規則正しい食事が望ましい。食事で摂取した食べ物が消化・吸収されるまでに2~3時間が必要となる。夜遅い時間に夕食をとると、胃の消化活動が活発になり、大脳皮質や肝臓の働きが活性化し、結果として睡眠が妨げられる。

3 適度な運動が良い睡眠をもたらす

 日中に体をアクティブに動かし運動する習慣のある人は、質の良い睡眠を得られるという調査結果がある。1日30分のウォーキングなどの運動を続けよう。運動の習慣化は、睡眠の質を高めるだけでなく、2型糖尿病や肥満の対策・予防にもつながる。

4 入浴して深部体温を上げる

 寝る少し前に体の奥の体温である「深部体温」をいったん上げると、その後に下がって、眠りに入りやすくなる。入浴には加温効果があり、運動と同じように体温を一時的に上げる。就寝1~2時間前に入浴すると深部体温が上がり、その後に睡眠に入りやすくなる。

5 光で体内時計を整える

 朝に太陽光を浴びると体内時計が24時間周期にリセットされる。起きたらまずカーテンを開けて、自然の光を部屋の中に取り込むと効果的だ。

 反対に夜に強い光を浴びると睡眠が妨げられる。夜の光には体内時計を遅らせる作用があり、時刻が遅くなるほどその力は強まる。照度が100~200ルクスの家庭照明であっても、長時間浴びると体内時計が乱れる原因になる。

6 寝る前にスマートフォンを使わない

 スマートフォンやタブレット端末、パソコンの画面にも注意が必要だ。スマートフォンなどの画面に含まれるバックライトには波長の短いブルーライトが含まれており、体内時計に影響を与えやすい。スマートフォンは目のすぐ近くで操作するので特に影響が強い。寝る前にはスマートフォンを操作しないようにしよう。

Delayed first active-phase meal, a breakfast-skipping model, led to increased body weight and shifted the circadian oscillation of the hepatic clock and lipid metabolism-related genes in rats fed a high-fat diet(PLOS ONE 2018年10月31日)
Associations between chronotype, morbidity and mortality in the UK Biobank cohort(Chronobiology International 2018年4月11日)
睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査(文部科学省 2015年4月)
Social jet lag is associated with worse mood, poorer health and heart disease(米国睡眠医学会 2017年6月5日)
[Terahata]

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