経 歴
1986年 岡山大学医学部卒業1992年~1995年 米国NIH(National Institutes of Health)に留学
1998年~岡山大学ジェンダークリニック開設時のメンバー
2004年~岡山県不妊専門相談センター「不妊・不育とこころの相談室」 センター長(兼任)
2006年 岡山大学医学部保健学科 教授
2007年~岡山大学大学院保健学研究科 教授
2013年~岡山大学生殖補助医療技術教育研究センター 教授(兼任)
2014年 文部科学省 学校における性同一性障害に係る参考資料作成協力委員会委員
2016年~GID(性同一性障害)学会認定医
2018年~岡山大学病院リプロダクションセンター センター長(兼任)
最近の主な著書
〇封じ込められた子ども、その心を聴く―性同一性障害の生徒に向き合う 著:中塚 幹也、発行所:ふくろう出版 発行日:2017年8月
「性同一性障害(GID)」。今では広く知られるようになった言葉だ。しかしながら現在の規則、法律、制度などの多くは「そのような人はいないもの」として整備されないままとなっており、当事者を取り巻く環境はいまだ厳しいといえる。 本書の著者は、医師としておよそ20年にわたり性同一性障害の診断・治療に取り組んできた。当初はまれだった小中学生の受診も次第に増え、今では10代の占める割合は1割を超えるという。 「スカートをはくのが嫌だった」「プールの授業を休んだ」「「おかま」といじめられた」「リストカットした」「自分はおかしい」「誰にも言えない」。 性同一性障害当事者の中には、無知や無理解によるいじめや偏見から、うつや引きこもり、自殺未遂などの経験を持つ人も少なくない。自分の気持ちを吐き出せない子どもたち。封じ込められた彼らの心を、最も近くで聴いてきた著者が感じたのは、子どもへの対応、特に学校での対応の重要性である。 性同一性障害の児童・生徒への適切な支援、多様な性への理解を深めるための在校生全体に対する教育、保護者への情報提供など、子どもへの対応は当事者のみならず、周囲の生徒や保護者など、多くの人生を変える可能性に満ちている。 本書では、性的マイノリティの基礎知識から社会の変遷、性別違和感を持つ子どもからのアラームサイン、文部科学省の動き、医療的支援、学校でできる具体的な対応など、様々な調査や事例を交え、分かりやすく解説。性別違和感を持つ子どもたちが自分らしく「普通に」生きるために、まずは大人が関心を持つこと。知識がないせいで身近な人を傷つけないための、教師や保護者、そしてすべての大人たちに向けた入門書である。(出版社より)