ニュース

くるみで高血圧対策 体に良い脂肪酸・抗酸化物質・カリウムがたっぷり

 日本でもっとも有病数が多い生活習慣病は高血圧症で、通院して治療を受けている患者数は約800万人。まさに国民病ともいえる高血圧症の、原因のひとつは塩分のとりすぎ。日本食は脂肪が少なくヘルシーな印象があるが、実は塩分は多い。

塩分をとりすぎている日本人
 日本人は世界的にみても塩分摂取量が多い。日本人の塩分摂取量は以前に比べて減ってきているが、平均で1日に10グラムを超えている。欧米では多くとっている場合でも1日6グラムから7グラム程度なので、日本人は塩分をかなりとりすぎているといえる。*1 

 日本人の死因として心疾患や脳卒中が多いのも、塩分摂取量が多いためと考えられている。そこで、政府の「日本人の食事摂取基準」では、減塩の目標を「1日に6グラム未満」と定めている。日本人の食生活では、漬け物、干物、塩辛、みそ汁、ラーメンやそばといった麺類など、塩分の多い食品をとる頻度が高い。みそ、しょうゆ、ソースなどの調味料や加工食品にも塩分は含まれる。

 血管に高い圧力のかかった状態が続くのが高血圧。高血圧になると、血管や心臓、腎臓に負担がかかりやすくなる。45歳を過ぎると、動脈硬化も進行しやすくなり、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病の危険性が高まる。

 高血圧症や動脈硬化が気になる45歳以上の人に、特にすすめられる食品がある。それが、くるみだ。くるみは世界中で健康的で理想的な食品として注目されている。

くるみは理想的な「自然食品」 体に良い脂肪酸と抗酸化物質がたっぷり
くるみ
 米国で高血圧症を予防・改善するために、米国立衛生研究所(NIH)を中心に開発された健康的な食事法「DASH」。「ダイエットリ・アプローチ・トゥ・ストップ・ハイパーテンション」の頭文字を付けてDASHと呼ばれている。DASH食により、全粒粉や野菜、果物、低脂肪(無脂肪)乳、ナッツ類などを十分にとり、塩分や脂質を適正にコントロールすることが、高血圧の改善につながると考えられている。*2

 食事にDASH食を取り入れた米国人では、塩分の摂取量が減少し、高血圧が改善し、悪玉のLDLコレステロール値も改善することが、高血圧の人を含む412人を対象とした臨床研究でも確かめられた。*3 *4

 くるみなどナッツ類は、欧米では未精製・未加工の食品を意味する「ホールフード」の代表格として認知されている。くるみはビタミン、ミネラル、抗酸化物質をバランス良く豊富に含むヘルシーなホールフードとして高く評価されており、代表的な食品としてDASH食にも取り込まれている。

 種類の多いナッツ類の中でも、くるみだけが必須脂肪酸であるオメガ3(n-3系)脂肪酸を豊富に含む。オメガ3脂肪酸は「心臓の健康に良い」、「心筋梗塞など心血患を予防する」、「高血圧を予防する」、「血中コレステロール値を下げる」といった効果があることが多くの研究で報告されている。*5 *6  

くるみはコレステロールゼロ 低塩分で高血圧予防に良いカリウムがたっぷり
 くるみには体に必要な必須脂肪酸が豊富に含まれるが、コレステロール値はゼロ。また、動脈硬化などのリスクを高める悪玉脂肪酸であるトランス脂肪酸も含まれていない。

 くるみひとつかみ42グラム(1.5オンス)に含まれる食物繊維は2.8グラム。消化されやすく肉に代わりうるほど良質な蛋白質は6.5グラム含まれている。健康に良いと話題になっている植物系のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸は3.8グラムも含まれる。

 ほかにも抗酸化作用のあるくるみポリフェノールやメラトニン、マグネシウム、カルシウム、各種ビタミンなどをバランス良く含む理想的な食品として世界中で注目されている。

 塩分(ナトリウム)は、鉄やカルシウムと同じミネラルの仲間。ミネラルは適量をとると体の調子を整えるはたらきがある必須栄養素だ。しかし塩分をとりすぎる食生活を続けていると、高血圧になりやすい。血圧値を上昇させない塩分摂取量は1日に3グラムから5グラムと考えられている。

 体内の余分な塩分を排泄する作用があるミネラルがカリウム。高血圧に予防・対策するために、食品でカリウムをしっかりとることが、塩分摂取量を抑えることと同じように重要となる。よりカリウムを多くとれるのは、精製・加工されていない食品だ。

 くるみは、代表的な低塩食品であり、カリウムもたっぷり含まれている。くるみ42グラムに含まれるナトリウム量は1ミリグラムと、とても少ない。一方でカリウム量は188ミリグラムと豊富だ。

 くるみはそのまま食べてもおいしいが、サラダや料理、お菓子に幅広く利用できる、使い勝手の良い食材。ぜひ毎日の食事にとりいれたい食品だ。

  • 平成21年国民健康・栄養調査結果の概要について(厚生労働省 2010年12月7日)
  • Dietary Guidelines for Americans(Health.gov)
  • NHLBI Study Finds DASH Diet And Reduced Sodium Lowers Blood Pressure For All(米国立衛生研究所 2001年1月3日)
  • Special Diets Decrease Blood Pressure(Annals of Internal Medicine, December 18, 2001, vol. 135 no. 12)
  • SWalnuts' Unique Nutrient Profile Makes Meeting New U.S. Dietary Guidelines Easy and Delicious(カリフォルニア くるみ協会 2011年1月7日)
  • Walnuts Rank High on New Nutrition Scales(カリフォルニア くるみ協会 2008年2月19日)
    [soshinsha]
  • 「栄養」に関するニュース

    2019年11月20日
    牛乳やチーズなど乳製品が認知症を予防 1日1杯の牛乳は脳の健康にも良いことが判明
    2019年11月20日
    腸内環境を人工知能(AI)で解析 特定保健指導に腸内環境という新たな視点を導入
    2019年11月20日
    なぜ漢方便秘薬は効くのか 腸の水分分泌メカニズムを解明 便秘以外にも応用
    2019年11月13日
    女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
    2019年11月12日
    がん患者の食事の悩みを解消するサイトを公開 料理教室と連携しレシピを作成 国立がん研究センター
    2019年11月12日
    インフルエンザシーズン到来にそなえて 感染前の最後の砦「のどバリア」を高める習慣とは
    2019年11月12日
    認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 岡山大が臨床試験で実証
    2019年11月06日
    肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
    2019年11月06日
    腸内細菌が内臓脂肪に影響 内臓脂肪の少ない人に多い菌が判明 健診のビッグデータを分析
    2019年11月06日
    ナッツが肥満や糖尿病のリスクを低下 ジャンクフードをナッツに置き換える食事法
    無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
    • 週1回配信(毎週木曜日)
    • 登録者数 8,889 人(2019年10月現在)
    登録者の内訳(職種)
    • 産業医 2.7%
    • 保健師 44.8%
    • 看護師 10.8%
    • 管理栄養士・栄養士 19.8%
    • その他 22%
    登録はこちら ▶
    ページのトップへ戻る トップページへ ▶