ニュース

カフェイン入り栄養ドリンクに注意 不整脈の報告も

 カフェイン入り栄養ドリンクを一度に大量に飲むと、心臓に負担がかかり危険な場合があると、米国で注意が呼びかけられている。カフェインの大量摂取による死亡例も報告されている。

 メリーランドに在住していた14歳の少女が、カフェインを含む栄養ドリンクを一度に約700mL飲み、不整脈を発症し死亡した。少女が飲んだカフェインの量は480mgで、350mLの缶入りコカコーラ14缶分のカフェイン量に相当する。検視結果によると、死亡の原因は「カフェインの毒性による不整脈」だった。

 この事件を受けて、米国食品医薬品局(FDA)は、米国で販売されている栄養ドリンクの安全性について調査を開始した。その結果、この10年間に栄養ドリンクとの関連を否定できない死亡事故が13件あることが分かった。

 栄養ドリンクの多くにカフェインが高濃度に含まれる。米国で販売されている栄養ドリンクには、1缶にカフェインが一般的なコーヒーの3倍以上含まれるものもあるという。

 カフェインには、中枢神経を興奮させる作用がある。適度に摂取すると、眠気や疲労感の消失、思考力の増進、運動機能の亢進といった作用を得られる。しかし、大量に摂取すると、不眠、神経質、心悸亢進、不整脈、胃腸障害などの症状があらわれることがある。

 「カフェインを含む栄養ドリンクを大量に摂取すると、心拍数と血圧の上昇が起こり、心臓に負担がかかることがあります」と、テキサス大学医学部のジョン ヒギンス博士(心臓病)は話す。

 栄養ドリンクに含まれる興奮作用をもたらす成分はカフェインだけではない。栄養ドリンクによっては、ガラナ、アサイーベリー、タウリン、朝鮮人参、カルニチン、イノシトール、イチョウエキスなどを含むものもある。タウリンなどは、食品に含まれる量であれば安全だが、カフェインやサプリメント、ハーブなどとの相互作用については十分なデータがない。

 これらの成分をカフェインといっしょに摂取すると、穏やかではあっても緊張を高めるなど向精神作用をもたらす可能性があると、専門家は指摘している。一度に大量に摂取すると、特に降圧薬や血糖降下薬、抗血小板薬、抗凝血薬などを服用している人では、危険な場合があるという。

 栄養ドリンクの問題点はもうひとつある。糖分が多く含まれ、高カロリーのものがあるということだ。特に子供が高カロリーの栄養ドリンクを頻繁の飲むと、小児肥満の原因になるだけでなく、成長してからの不健康な食習慣につながるおそれがある。

 低カロリー甘味料を使用した栄養ドリンクも増えているが、カフェインなどの含有量が依然として多いので、子供が飲む場合は注意が必要だと、専門家は指摘している。

 米国では若い世代を中心に、栄養ドリンクとアルコールをカクテルにして飲むのが流行っているが、これも危険を伴う。カフェインとアルコールの両方の中毒症状が起こりやすくなり、アルコール依存にもなりやすいという研究報告もある。

 カフェインとアルコールの組合せに注意した方が良いと専門家は指摘している。ニューヨーク市などが、飲食店でアルコールとカフェインを混ぜた飲み物を売ることを禁止している。

Energy "Drinks" and Supplements: Investigations of Adverse Event Reports(米国食品医薬品局)

関連情報
カフェイン入り栄養ドリンクの過剰摂取は体に害

[Terahata]

「栄養」に関するニュース

2021年01月26日
「脂肪肝」が手遅れになる前にスマホで早期発見 病気と認識してきちんと対策 「脂肪肝プロジェクト」を始動
2021年01月25日
「内臓脂肪」と「腸内細菌」の関係を解明 肥満の人で足りない菌とは? 腸内細菌のバランスが肥満やメタボに影響
2021年01月25日
コレステロール高値で高尿酸血症のリスクが上昇 メタボリックシンドロームと高尿酸血症の関連に新たな知見
2021年01月22日
1月23日は、健康生活習慣『一無、二少、三多』の日です。 「全国生活習慣病予防月間2021」は2月1日よりスタートします!
2021年01月18日
「和食」が健康にもたらすメリットは多い 5割が「健康に良い」、8割以上は「和食が好き」
2021年01月18日
電解水素水が酸化ストレスと炎症を抑制する可能性 ストレス負荷に対する生体応答を調査
2021年01月14日
【セミナーレポート】今こそ"栄養のすすめ"-ウイルス、癌、認知症に打ち克つ力を!-Web配信中!健康と長寿によって、活力ある未来社会の実現を目指す「世界健康フォーラム2020」
2021年01月12日
犬の散歩は糖尿病予防のための「運動」になる? 糖尿病の犬の飼い主は糖尿病リスクが高い
2021年01月12日
エビデンスに基づく保健指導の実現へ 健康診断のデータから生活習慣病の発症因子を推定 医療ビッグデータを解析する人工知能(AI)を開発
2021年01月05日
WHOが「世界の死因トップ10」を発表 心臓病が1位に 糖尿病と認知症も上位に 食事と運動で予防・改善
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 10,678 人(2021年04月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 2.7%
  • 保健師 44.8%
  • 看護師 10.8%
  • 管理栄養士・栄養士 19.8%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶