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糖質制限食により死亡リスク上昇の可能性 国立国際医療研究センター
2013年01月29日
糖質制限食(低炭水化物食)について、長期的な効用は認められず、むしろ死亡リスクが有意に増加するというメタ解析の結果を、国立国際医療研究センター糖尿病研究連携部が1月25日付で発表した。
炭水化物の摂取量を極端に減らす「糖質制限食(低炭水化物食)」は、短期的には減量や血糖コントロールの改善につながるとして、減量や生活習慣病の食事療法のひとつとして注目されている。しかし、長期的な効果や安全性についてはあきらかになっていない。 そこで国立国際医療研究センター病院糖尿病研究連携部の能登洋氏らは、昨年9月までに発表された糖質制限食に関する海外の医学論文から、ヒトでの経過を5年以上追跡して死亡率などを調べた9論文をメタ解析*した。対象者は27万2216人(女性66%、追跡期間5~26年)。総死亡数は1万5981人だった。
*メタ解析は、複数の臨床研究のデータを収集・統合し、統計的方法を用いて解析する手法。
総カロリーに占める糖質の割合をスコア化した(LCスコア:low-carbohydrate score)。その結果、総死亡リスクは低糖質群で31%、有意に高値であった(調整リスク比の95%信頼区間は1.07-1.59)。
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies
PLoS ONE, January 2013, Volume 8 Issue 1, e55030
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