ニュース

がんの原因は肥満と過体重 年間50万人のがん発症に影響

 世界で年間に新たに発症するがんのうち50万例近くは、肥満と過体重が原因で、途上国の経済成長に合わせて今後も増えていくという国際的な調査結果が発表された。
肥満と過体重を解消すれば、がんの4分の1は防げる
 世界保健機関(WHO)の外部組織である「国際がん研究機関」(IARC)が世界184ヵ国のデータを解析した調査で、2012年の新たながん発症者の推定3.6%(約48万1,000人)が過体重や肥満が原因であることが判明した

 男性13万6,000人(1.9%)、女性34万5,000人(5.4%)のがんは、肥満や過体重が原因になっているという。肥満は食道や大腸、腎臓などのがんのリスク要因とされている。

 世界では成人の肥満率が1980年以降倍増している。1980年頃のBMI(体格指数)を維持できていれば、肥満と過体重が原因のがんの4分の1に相当する11万8,000例を予防できていたはずだと、IARCは指摘している。

 「ポピュレーションレベルで過体重と肥満を減らすことに保健政策上の重要なメリットがある。がんによる経済的な損失を減らすことにもつながる」と、各国に対策を促している。

がんを予防するために適正体重の維持が必要
 「途上国の経済成長に合わせて、肥満や過体重の人の数は増えている。がんの発症数も今後増えると予測される」と、IARCのクリストファー ワイルド氏は言う。

 肥満や過体重に関連するがんの発生数がもっとも多いのは米国で、2012年には世界全体の23%にあたる11万人を超えた。

 日本を含むアジア諸国では、欧米に比べ肥満に関連するがんの発症数は多くないが、人口増加が予測されている地域であり、今後は増えていく可能性がある。中国ではがん全体の1.6%に相当する5万例が、肥満と過体重が原因だとみられている。

 この傾向が続けば、特にこの30年で肥満率が大幅に増加している南米や北アフリカでは、将来的にがんによる負担が確実に増えるとみられている。

 「がんを予防するために重要なことは、適正な体重を維持すること。肥満を解消することで、がんの多くは予防可能だ」と、世界がん研究基金のケイト アレン氏は強調している。

女性のがんにも肥満が影響 男性の3倍に
 男性よりも女性で、肥満がんに与える影響はより大きい。肥満が原因でがんにかかる率は男性が1.9%であるのに対して、女性は3倍近く高い5.3%達している。

 英国では肥満や過体重が原因でがんを発症した女性は年間に1万3,000人に上り、これは全てのがんの8.2%に相当する。

 IARCは「閉経後の乳がんや卵巣がんなどの10%は、健康的な体重を保つことで発症を防ぐことができる」と指摘し、女性の肥満対策の重要性も強調している。

国際がん研究機関(IARC)

[Terahata]

「がん」に関するニュース

2021年01月26日
人工知能(AI)を活用して大腸がんを高精度に発見 医師とAIが一体となり、がん検査の見逃しをなくす
2021年01月25日
「内臓脂肪」と「腸内細菌」の関係を解明 肥満の人で足りない菌とは? 腸内細菌のバランスが肥満やメタボに影響
2021年01月22日
1月23日は、健康生活習慣『一無、二少、三多』の日です。 「全国生活習慣病予防月間2021」は2月1日よりスタートします!
2021年01月14日
【セミナーレポート】今こそ"栄養のすすめ"-ウイルス、癌、認知症に打ち克つ力を!-Web配信中!健康と長寿によって、活力ある未来社会の実現を目指す「世界健康フォーラム2020」
2021年01月12日
「性感染症」のセルフチェックができるスマホアプリを開発 感染の可能性があるときは医療機関の検索も 順天堂大学
2021年01月12日
「乳がん」を早期発見するための画期的な検査を開発 女性3000人の「マイクロRNA」を測定 臨床試験を4道県で開始
2021年01月12日
エビデンスに基づく保健指導の実現へ 健康診断のデータから生活習慣病の発症因子を推定 医療ビッグデータを解析する人工知能(AI)を開発
2021年01月05日
WHOが「世界の死因トップ10」を発表 心臓病が1位に 糖尿病と認知症も上位に 食事と運動で予防・改善
2021年01月04日
保健指導リソースガイド【1年間でもっとも読まれたニュース ベスト15】1位はあの記事
2020年12月16日
運動・身体活動をより増やして、座りがちの時間はより少なく WHOが新しい「運動ガイドライン」を発表
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 10,568 人(2021年03月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 2.7%
  • 保健師 44.8%
  • 看護師 10.8%
  • 管理栄養士・栄養士 19.8%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶