ニュース
カフェイン入り「エナジードリンク」の飲み過ぎで健康障害 死亡例も
2015年12月22日
若者に好まれる「エナジードリンク」と呼ばれるカフェイン入り清涼飲料水が健康障害を引き起こす可能性がある。糖尿病の発症リスクを高めるのに加え、国内ではカフェインの急性中毒による死亡例も報告された。「飲み過ぎには注意が必要だ」と専門家は指摘している。
「眠気覚まし」で飲むと思わぬ危険が
「エナジードリンク」と呼ばれるカフェイン入り清涼飲料水を長期にわたって日常的に飲んでいた九州地方の20代男性が、カフェイン中毒で死亡していたことが、福岡大学法医学教室の分析で12月に分かった。
死亡した男性は長期にわたってシフト制の仕事に就き、夜間に働いていたという。眠気を覚ますため、カフェインを含むエナジードリンクや錠剤を日常的に摂取し、死亡する約1年前からめまいやおう吐など体調不良を訴えていた。
死亡当日も帰宅後に吐いて寝込んでいた。数時間後に家族が異変に気付き、救急搬送したが手遅れだった。
福岡大学の久保真一教授(法医学)は警察からの依頼を受け、司法解剖を実施。男性は持病がなかったが、胃の内容物や血液などからアルコールに加え、血液中から182μg/mLという高濃度のカフェインが検出され、カフェイン中毒と判定された。
「カフェイン中毒による死亡が確認された例は日本ではじめてではないか。カフェインの大量摂取により健康被害が起きる可能性があり、特にアルコールと同時に摂取すると危険性が高まる」と久保教授は指摘している。
「カフェイン摂取量は1日400mg未満に」と提言
エナジードリンクのカフェインが糖尿病を引き起こす
Energy drink consumption impairs oral glucose tolerance in adolescents: a randomized, double-blind, crossover pilot study(カルガリー大学 2015年12月7日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「健診・検診」に関するニュース
- 2023年08月09日
-
8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より - 2023年08月08日
- 若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
- 2023年07月28日
- 2022年度版「健診・保健指導施設リスト」状況を報告します【保健指導リソースガイド】
- 2023年07月24日
- 標準体重でも3分の1は実は「肥満」 BMIは健康状態をみる指標として不十分 やせていても安心できない
- 2023年07月11日
- 自治体健診で高齢者のフレイルを簡便に判定 「後期高齢者の質問票」でリスクが分かる 「フレイル関連12項目」とは?
- 2023年06月20日
- 肝臓学会が「奈良宣言2023」を発表 肥満・メタボの人は「脂肪肝」にもご注意 検査を受けることが大切
- 2023年06月12日
- 自治体健診で「心房細動」を早期発見 健康寿命と平均寿命の差を縮める 日本初の「健康寿命延伸事業」 大分県
- 2023年06月05日
- 要介護認定リスクと関連の深い健診6項目が明らかに 特定健診・後期高齢者健診のデータから判明 名古屋市
- 2023年05月19日
- 令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
- 2023年05月18日
-
さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-