ニュース

音楽を聴きながらウォーキング 自律神経の活動が改善し心臓もリラックス

 音楽を聴きながらウォーキングなどの運動をすると、「自律神経」の活動バランスが整えられ、運動後にリラックス効果を得られることが、東北大学の研究で明らかになった。
なぜウォーキングをすると動悸や血圧上昇が起きやすいのか
 「自律神経」とは、無意識に体内の環境を調整している神経のネットワークだ。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」のふたつがあり、交感神経は身体を活発に動かすときに働き、副交感神経は身体を休めるときに働く。

 交感神経が活発になると、心臓では心筋収縮力の増強と心拍数の増加が起こり心拍出量が増大する。これに対して副交感神経が活発になると、心筋収縮力が減弱し心拍数が減少する。

 運動を行うと、短期的には交感神経の活動が増加し、副交感神経活動が低下する。このふたつはバランスを取り合って車のアクセルとブレーキのような働きをするが、交感神経が優位になると心筋収縮力の増強や心拍数の増加が起こり、動悸を感じたり、末梢血管の収縮によって血圧が上昇する場合がある。

 ウォーキングなどの運動をするとストレスや緊張が高まり、心身が疲弊してしまうのは、交感神経の活動が強くなりすぎるからだ。そうした場合は、気分を落ち着けるような音楽を聴きながら運動をすると、副交感神経の活動を高められ、自律神経のバランスが整えられることが、東北大学の研究チームによって明らかになった。
気分を落ち着かせる音楽が自律神経の活動を調整
 気分を落ち着かせるような音楽には、自律神経の活動を調整し、特に副交感神経活動を高める効果がある。研究チームは、音楽を聴くと副交感神経の活動が高まり、リラックス効果を得られることに着目した。

 研究には26人の健康な人が参加した。参加者は、(1)何もしないで座っている(安静セッション)、(2)気分を落ち着かせる音楽を聴きながら座っている(音楽セッション)、(3)「ややきつい」と感じる運動を行う(運動セッション)、(4)音楽を聴きながら運動を行う(併用セッション)、という4つのセッションをそれぞれ別の日に15分間行った。

 研究チームは、参加者の「心拍変動」を解析し、交感神経と副交感神経の働きを調べた。心拍は「ゆらぎ」をもっており、交感神経が働くと拍動の間隔が短くなり心拍数が上がり、副交感神経が働くと拍動の間隔が長くなり心拍数が下がる。心拍変動を調べてゆらぎの周波数成分を解析すると、自律神経の活動を測定することができる。

 その結果、音楽セッションでは副交感神経活動が有意に増加し、運動セッションでは副交感神経活動が低下したが、音楽を聴きながら運動した併用セッションでは、終了後の副交感神経活動は開始前の値とほぼ同じに回復した。

 つまり、気分を落ち着かせる音楽を聴きながら運動をすると、副交感神経の活動の低下を抑えられることが明らかになった。
不整脈や心臓突然死などの予防にも役立つ可能性
 ウォーキングなどの運動をすると、交感神経の興奮状態がなかなかおさまらなくなり、動悸、息切れ、胸の圧迫感や痛み、あるいは不整脈などの症状があらわれることがある。心臓の機能には異常がないため心電図などの検査を受けても異常が認められないことが多いが、こうした症状は運動を続ける上で妨げとなる。

 そうした場合は、音楽を聴きながら運動をすると、心臓の動きが安定する可能性がある。運動によるストレスをためないためにも、音楽を聴きながらウォーキングを行うと効果的だ。

 自律神経の活動バランスが整えるために「体の力を抜いて深呼吸をする」「ストレッチをして体のこわばりをほぐす」といった方法が効果的だが、これに「気分を落ち着けられる音楽を聴く」ことを加えるとさらに効果が高まりそうだ。

 研究は、東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野の小川佳子助教、上月正博教授らの研究グループによるもので、米国科学誌「PLOS ONE」オンライン版に発表された。

 「心臓病の危険性のある人が急に運動を始めると、運動後の副交感神経活動の回復の反応が遅れやすく、不整脈や心臓突然死などの深刻な症状が起こりやすい。運動を習慣的に継続すると自律神経の活動バランスは改善するが、音楽を聴く習慣を加えるとさらに効果的である可能性があります」と研究者は述べている。

東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野
Music Attenuated a Decrease in Parasympathetic Nervous System Activity after Exercise(PLOS ONE 2016年2月3日)
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2017年12月14日
糖尿病リスクを減らすためには「運動を継続」することが必要
2017年12月14日
「ビワの種」に天然の有害物質 「食べないで」と農水省が注意喚起
2017年12月13日
「糖尿病のクリスマスプレゼント」実施中 豪華商品と現金が当たります
2017年12月07日
冬のウォーキングの効果を高める5つの方法 寒い冬には注意が必要
2017年12月07日
糖尿病と肥満が80万人のがんの原因に 肥満が原因のがんは54万例
2017年12月07日
長野市が「ベジライフ宣言」で糖尿病対策 野菜から食べ30回噛む
2017年11月30日
「心が健康な人」を増やす・支えていくことが産業保健師ならではのメンタルヘルス事業の心得【産保PC第3回レポート】
2017年11月29日
食塩の摂取量を減らすと医療費を削減できる 「減塩」の効果は大きい
2017年11月29日
「ウォーキング」で重要なのは継続 少し歩いただけで健康効果を得られる
2017年11月29日
「早食い」が原因で肥満やメタボに よく噛んで食べるための6つの対策

最新ニュース

2017年12月14日
科学的根拠に基づく「産業保健における復職ガイダンス2017」を公開
2017年12月14日
「腸内環境」を整えアンチエイジング 腸内細菌の多様性が長寿の秘訣
2017年12月14日
糖尿病リスクを減らすためには「運動を継続」することが必要
2017年12月14日
加熱式たばこも血管には有害 血管内皮機能が低下 「iQOS」で実験
2017年12月14日
「ビワの種」に天然の有害物質 「食べないで」と農水省が注意喚起
2017年12月14日
【健やか21】学校の管理下の災害 (平成29年版)の発行について
2017年12月13日
「糖尿病のクリスマスプレゼント」実施中 豪華商品と現金が当たります
2017年12月12日
未成年者のインフルエンザ罹患後異常行動に具体的な注意喚起を追加
2017年12月11日
女性は健康維持にバランスの良い食事や歯磨き習慣-中高年者縦断調査
2017年12月08日
【健やか21】不育症治療の助成について(Fuiku-Faboフイクラボ)
2017年12月07日
冬のウォーキングの効果を高める5つの方法 寒い冬には注意が必要
2017年12月07日
米を中心とした日本型食生活が健康寿命を延ばす 食育健康サミット2017
2017年12月07日
糖尿病と肥満が80万人のがんの原因に 肥満が原因のがんは54万例
2017年12月07日
長野市が「ベジライフ宣言」で糖尿病対策 野菜から食べ30回噛む
2017年12月06日
【HAMIQ】認知症の社会的処方箋/おもいやり災害食認証制度
2017年12月04日
【新連載】超高齢社会への提言「エイジング・リテラシー」(有料老人ホーム入居支援センター)
2017年12月02日
浮世絵風のポスターなどでインフルエンザ予防を呼びかけ(東京都)
2017年12月01日
【健やか21】思春期アンケート「高校生の性交経験と生活環境・保健指導」
2017年12月01日
「新たな自殺総合対策に向けて」へるすあっぷ21 12月号
2017年11月30日
「心が健康な人」を増やす・支えていくことが産業保健師ならではのメンタルヘルス事業の心得【産保PC第3回レポート】
2017年11月30日
【くるみpro更新情報】クリスマスプレゼント付き資料請求実施中!
2017年11月30日
ママから笑顔がきえるとき―文京学院大が産後うつ予防リーフレット作成
2017年11月29日
食塩の摂取量を減らすと医療費を削減できる 「減塩」の効果は大きい
2017年11月29日
「ウォーキング」で重要なのは継続 少し歩いただけで健康効果を得られる
2017年11月29日
高カフェインの「エナジードリンク」で健康被害が 摂取の制限を検討
2017年11月29日
「早食い」が原因で肥満やメタボに よく噛んで食べるための6つの対策
2017年11月29日
糖尿病の男性は「ED」(勃起不全)のリスクが高い EDは治療できる
2017年11月28日
【新連載】がん患者さんのアピアランス・サポート (みなとアピアランス・サポート相談室)
2017年11月27日
【健やか21】産後うつ予防リーフレット・動画公開(文京学院大学)
2017年11月27日
【保健師募集】研修制度充実・人財育成に力を入れている鶯谷健診センター
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,681 人(2017年12月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶