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「宿泊型新保健指導」は行動変容の動機づけ効果が高い 理学療法士協会
2016.03.31
 日本理学療法士協会は、今年度に実施した2泊3日の「宿泊型新保健指導」の結果を公表した。
 保健指導は糖尿病予備群や特定保健指導の対象者21人に行われ、このうち7人は膝や腰などの運動器に痛みがあった。
 理学療法士は保健師と協力しながら、運動器に痛みのある参加者を指導。継続支援(6ヵ月間に電話やメールで4回)の後には、運動習慣を継続する人が増え、体重減少の効果が確かめられた。
宿泊型保健指導に医師、保健師、管理栄養士、理学療法士などが参加
 「宿泊型新保健指導(スマート・ライフ・ステイ)プログラム」は、生活習慣病を効果的に予防することを目的に、糖尿病予備群などを対象に、ホテル、旅館などの宿泊施設や地元観光資源を活用して保健師、管理栄養士、健康運動指導士などが多職種で連携して提供する新たな保健指導プログラム。厚生労働省が主導し2015年に始められた。

 同協会が昨年5月下旬と6月下旬の2回にわたり実施した宿泊型保健指導は、医師・保健師・管理栄養士・理学療法士・健康運動指導士が参加していることが特長となる。

 特定保健指導の対象者は40歳を超えており、膝や腰における変形性関節症の有症率が高くなり、現場でそうしたリスクを抱える対象者を指導するケースが少なくない。そこで、同事業では「運動器の痛み」のある参加者に対応し、リスクを管理しながら保健指導を展開した。
2泊3日の宿泊型保健指導 終了後も指導を継続
 今回の宿泊型の保健指導プログラムは、長野県上田市にある鹿教湯三才山リハビリテーションセンターと隣接するホテルで、2泊3日で実施され。宿泊型の保健指導から2週間後、1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後の計4回、保健師と理学療法士から継続支援を行い、宿泊前、宿泊後、宿泊から3ヵ月後、6ヵ月後に調査を実施した。その後、運営の手引きなどをまとめた。

 1日目は、健診結果などをみながら参加者自身が行動目標を立案するプログラムで、保健師・管理栄養士・理学療法士・健康運動指導士がそれぞれの視点からアドバイスを行い、協働して参加者の行動目標の立案を支援。

 2日目は、栄養・運動・レクリエーションのプログラムを実施。食生活についてはビュッフェスタイルの食事スタイルを活用し、管理栄養士が評価し個別にフィードバックした。運動は理学療法士や健康運動指導士が付き添い実施。運動器痛のある参加者に対しては理学療法士が評価し、痛みに配慮した運動プログラムを個別に指導した。

 3日目は、宿泊体験で得た気付きをもとに、参加者が今後の日常生活で「自分のために普段から実践していける」と感じる行動目標を作成。医師・保健師・管理栄養士・理学療法士が専門職の立場からアドバイスした。その後、保健師や理学療法士による継続支援を受けながら、設定した行動目標の達成に向けて参加者が取り組んだ。

 運動前には理学療法士が中心となりスクリーニングを実施。不整脈や低血糖のおそれがある参加者には、保健師が問診を実施し、医師にも報告・相談した。
参加者の8割が体重減少 プログラム終了後も67%が「運動を継続」
 その結果、プログラムに参加する前の参加者の体重は平均76.9kgだったが、3ヵ月後は平均75.8kg、6ヵ月後は平均75.2kgとなり参加から6ヵ月後の時点で参加者の78.9%で体重が減少した。

 プログラムに対する理解度は「オリエンテーション」「健診結果の見方」「食事講義」「食事実習」「運動講義」「運動実技」「グループワーク」ともに、「役立った」という回答が80%以上を占めた。

 運動を「今すぐにでも実行したい」と回答した割合は、参加前に27.8%だったのが、参加後は60.0%に増加。6ヵ月後には「定期的な運動を実施して6ヵ月未満また6ヵ月以上」の割合は66.7%に達した。運動器に痛みを有する参加者でも、ふだんの身体活動量は1.7倍に増えた。

 健康的な食生活についても、「今すぐにでも実行したい」と回答した割合は、参加前に30.0%だったのが、参加後は75.0%に増加。6ヵ月後には「食生活の改善を実施して6ヵ月未満また6ヵ月以上」の割合は79.0%に上昇した。夕食後に間食を取る割合は参加前は35%だったのが、参加後6ヵ月後には0%に減少した

 参加した保健師からは「宿泊型の保健指導のほうが普段の保健指導より、行動変容の動機づけの効果が高い。また、理学療法士、管理栄養士と一緒に保健指導することの効果を感じた。継続支援でこの効果を継続させたい」といった感想が寄せられた。

 同協会では「今後は、疼痛の寛解・予防を意識した動作の指導や運動習慣の定着を支援できる理学療法士の専門性を活かし、40歳未満の若年層を対象とした保健指導や高齢者の疾病予防などにも取り組んでいきたい。また、医療とレジャーの中間に位置するヘルスケア事業を目指し、エビデンスの構築にも力を入れていきたい」と述べている。

日本理学療法士協会
宿泊型新保健指導(スマート・ライフ・ステイ)プログラム(厚生労働省)
(Terahata)
©2017 日本医療・健康情報研究所. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

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