ニュース

ウォーキングで記憶力を高める スマホや外部記憶に頼らない生活も

 記憶力を高めるために必要なことは、ウォーキングなどの運動を習慣として行うことと、もうひとつはスマートフォンなどの外部記憶に頼り過ぎないことだという研究が発表された。
記憶作業の数時間後のウォーキングが記憶力を向上
 ウォーキングなどの運動を習慣的に行うと、肥満を予防でき健康状態が良くなるが、記憶力の向上にも役立つことが明らかになった。ただし、運動をする時間は作業後すぐにではなく、少し時間を置いてからが効果的だという。

 「運動は脳の働きを活発化し、記憶パフォーマンスを向上させます。しかし、運動するタイミングは記憶作業の直後よりも、少し時間をおいてからの方が効果的であるようです」と、オランダのラドバウド大学医療センター ドンデルス脳研究所のギレン フェルナンデス氏は言う。

 研究チームは、72人の参加者に写真を見せ、覚えてもらう実験を行った。パソコン画面を6つに区切り、90枚の写真を40分間ランダムに表示した。

 参加者を3つのグループに無作為に分け、記憶作業の後に運動をしないグループ、直後に運動をするグループ、2時間後に運動をするグループに無作為に振り分けた。

 2日後に記憶力のテストを行った結果、作業の直後にまったく運動をしなかった人は2日後に79.1%が覚えており、直後にウォーキングなどの運動をした人では79.3%が覚えていた。一方で、運動をしたグループでは85.2%が覚えていた。
記憶力を高めることは認知症の予防にもつながる
 「記憶作業の2時間後にウォーキングなどの運動をすると、記憶力が10%向上することが明らかになりました。運動が記憶力を高めることは、過去の研究でも確かめられています」と、フェルナンデス氏は言う。

 脳の画像検査を行ったところ、運動をした人では記憶に深く関わる脳の頭頂葉や側脳室の血流が活発になっていた。

 運動をするとドーパミンやノルエピネフリンといった、記憶力を高めるのに必要な神経伝達物質の分泌が促進される。記憶作業の直後に運動すると、その心理的効果が脳の記憶力を高める部位の緊張を高め、効果を得にくくなる可能性があるという。

 「運動をする最良のタイミングには個人差があります。脳がリラックスした状態で運動をすると、脳の活動を高められる可能性があります。認知症の予防にも効果があると期待されます」としている。
外部記憶に頼らない方が記憶力は鍛えられる
 スマートフォンやパソコンの「グーグル」や「ツイッター」などの外部記憶に頼るのを習慣とする人が増えているが、コンピューターのデバイスを利用した情報の保存は脳の記憶力を衰えさせる可能性があるという研究が発表された。

 「将来あらゆる情報を外部記録に頼るようになって、自分の記憶として取り込まなくなったら脳にどのような影響ができるか、調べる必要があります」と、研究者は警告している。

 カナダのマウント セント ヴィンセント大学のミシェル エスクリット氏らの研究チームは、94人の学生にトランプの「神経衰弱」ゲームを用いた実験を行った。

 参加者に、カードを1枚ずつ裏返して見て位置を覚え、そのカードと対になるカードの位置を覚えることを求めた。参加者を無作為に2つのグループに分け、1つ目のグループにはカードの内容と位置についてメモをとることを許した。もう1つのグループはメモをとらず、記憶力のみに頼ることを求めた。

 決められた時間が過ぎると、メモをとっていた学生たちのメモを没収した。両グループに対し、さまざまなカードの位置と正体についてテストしたところ、メモをとらずに記憶力に頼っていたグループの方が、カード位置を正確に言い当てられ、記憶力の成績が良いことが判明した。
記憶力が衰えないよう工夫することが必要
 外出や旅行をするときに、メモや写真をとらないでいた時の方が、その場所の記憶が強く残っているという経験はないだろうか。

 「メモをとった被験者は、外部形式の技術に頼り記憶を保存することに慣れていましたが、それに頼ると脳の記憶を貯蔵する部位は鍛えられなくなるおそれがあります」と、エスクリット氏は言う。

 インターネットなどの外部記憶装置が発達すると、脳を使わなくなるおそれがある。「高齢者では特に、体験したことを記憶として思い出す"エピソード記憶"が衰えやすい傾向があります」と、エスクリット氏は指摘している。

 ウォーキングや移動、料理や皿洗いなどの家事、トランプなどの身体活動を意識して行い、自分が行った行動について2~3日たった時点で思い出しながら記録をとるといった工夫が必要だという。

Physical Exercise Performed Four Hours after Learning Improves Memory Retention and Increases Hippocampal Pattern Similarity during Retrieval(Current Biology 2016年6月16日)
Intentional forgetting: Note-taking as a naturalistic example(Memory & Cognition 2014年2月)
[Terahata]

「運動」に関するニュース

2017年08月23日
大規模災害時の保健活動 「保健医療調整本部」を設置し連携強化
2017年08月22日
認知症の3分の1は予防できる 予防するための4つの生活スタイル
2017年08月22日
「褐色脂肪」を活性化する因子を特定 エネルギー消費を促しメタボに対策
2017年08月21日
【健康啓発4コマ漫画】サンプル公開中「クーラー病」「痛風リスク」
2017年08月21日
9月は健康増進普及月間 ~生活習慣改善を啓発
2017年08月09日
健康保険加入者の37%が肥満 脂質や血圧など複数のリスク 健保連調査
2017年08月04日
【健診・予防3分間ラーニング】サンプル動画3タイトル公開中~
2017年08月03日
2015年度の特定健診の実施率は50.1% 特定保健指導は17.5%で伸び悩み
2017年08月02日
「ウォーキングの格差」が世界規模で拡大 スマホで世界111ヵ国を調査
2017年08月02日
犬の散歩は運動になるか? 運動不足を解消するのに効果的である可能性

最新ニュース

2017年08月23日
「過労死」の実態把握のための労働調査 なぜ過重労働は改善されないか
2017年08月23日
10月8日は、「糖をはかる日」講演会2017 参加者募集開始
2017年08月23日
大規模災害時の保健活動 「保健医療調整本部」を設置し連携強化
2017年08月22日
認知症の3分の1は予防できる 予防するための4つの生活スタイル
2017年08月22日
「褐色脂肪」を活性化する因子を特定 エネルギー消費を促しメタボに対策
2017年08月22日
健康食品で「肝障害」 黄疸・倦怠感などの症状が 国民生活センター
2017年08月21日
【健康啓発4コマ漫画】サンプル公開中「クーラー病」「痛風リスク」
2017年08月21日
9月は健康増進普及月間 ~生活習慣改善を啓発
2017年08月18日
マシンガーZとのコラボで海外渡航者に麻しん感染予防を啓発
2017年08月16日
賞金3万円!「血糖値アップ・ダウン コンテスト」募集スタート!
2017年08月15日
★参加者募集中★第2回産業保健PC テーマ「保健指導の基本姿勢」
2017年08月10日
8割を超える事業場でストレスチェック制度を実施~厚労省調査
2017年08月10日
【健やか21】冊子「あなたと赤ちゃんの健康」無料配布  申込受付中
2017年08月09日
「味噌」に血圧の上昇を抑える効果 日本型の食事スタイルを再評価
2017年08月09日
健康保険加入者の37%が肥満 脂質や血圧など複数のリスク 健保連調査
2017年08月09日
がん患者の家族が経験する葛藤の実態 がん患者支援に向けた調査結果
2017年08月09日
週3~4回の「飲酒」が糖尿病リスクを低下 アルコールは糖尿病に良い?
2017年08月09日
受動喫煙により大動脈疾患リスクが2倍超に増加 家庭外の受動喫煙は深刻
2017年08月09日
ミカンのポリフェノールに緑内障の改善作用 酸化ストレスから網膜を保護
2017年08月04日
【健診・予防3分間ラーニング】サンプル動画3タイトル公開中~
2017年08月03日
【健やか21】渡航者向けの「麻しん」の予防啓発活動
2017年08月03日
2015年度の特定健診の実施率は50.1% 特定保健指導は17.5%で伸び悩み
2017年08月03日
【連載更新】課題解決のための取組み「ゆりかごタクシー」「ベビー防災」
2017年08月02日
「ウォーキングの格差」が世界規模で拡大 スマホで世界111ヵ国を調査
2017年08月02日
適量のアルコールでも脳には悪影響が 海馬の萎縮リスクが3倍以上に
2017年08月02日
糖尿病の医療費の節約志向が高まるアメリカ 5人に1人が受診を回避
2017年08月02日
犬の散歩は運動になるか? 運動不足を解消するのに効果的である可能性
2017年08月02日
日本の脳卒中の発症者は年間29万人 半分以上が死亡や介護が必要な状態に
2017年08月01日
「熱中症を防ぐ!」へるすあっぷ21 8月号
2017年07月28日
【健やか21】企業主導型保育事業(内閣府)/健康寿命をのばそう!アワード
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,325 人(2017年08月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶