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座ったままの時間が長いと肥満や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動は夕方に行うと効果的
2024年04月16日

1日に座ったまま過ごす時間が長い人は、不健康になりやすく、肥満や糖尿病のリスクも上昇することが、米カリフォルニア大学による大規模な調査で明らかになった。
1日の歩数を増やすと、座りっぱなしの時間が長すぎることによる健康への悪影響を軽減できることも示された。
ウォーキングなどの運動を夕方に行っている人は、とくに肥満や2型糖尿病のある人は、健康上のベネフィットを得られやすいことも明らかになった。
座ったままの時間が長いと死亡リスクが上昇
1日に座ったまま過ごす時間が長い人は、不健康になりやすく、2型糖尿病や肥満のリスクも上昇することが、米カリフォルニア大学による大規模な調査で明らかになった。 「座ったままの状態で長時間過ごすと、体全体の血流が悪くなり、ブドウ糖の取り込みが減少し、血糖値が上がりやすくなります。筋肉が収縮しないので、酸素の取り込みも悪くなります」と、同大学公衆衛生・人間長寿科学部のスティーブ グエン氏は言う。 研究グループは、米国で実施されている大規模調査である「女性の健康イニシアチブ」(WHI)に参加した63歳~99歳の女性6,489人を対象に、活動量計を7日間身につけてもらい毎日の身体活動を測定し、健康状態について8年間追跡して調査した。 その結果、1日に座ったまま過ごす時間が11.7時間以上と長い人は、心血管疾患(CVD)のリスクが上昇し、死亡リスクは30%高くなることが分かった。 「現代人は座位時間がますます長くなっています。座ったままの時間が続いたら、立ち上がって意識して体を動かすことを心がけるなど、対策をする必要があります」と、グエン氏は指摘している。歩数を増やして座りっぱなしの生活の悪影響を軽減

ウォーキングなどの運動は夕方に行うと効果的
シドニー大学による別の研究では、ウォーキングなどの運動を夕方に行っている人は、とくに肥満や2型糖尿病のある人は、健康上のベネフィットを得られやすいことが示された。
研究グループは、英国バイオバンクに参加した肥満のある40歳以上の成人2万9,836人を対象に、平均7.9年間追跡して調査した。うち2,995人は2型糖尿病と診断された。
その結果、ウォーキングなどの活発な運動を夕方に行っている人は、死亡リスクが61%ともっとも多く低下し、午後に行っている人も40%低下した。
朝に運動をしている人も死亡リスクは33%低下したが、そうした人は少数で、大部分の人は午後6時から夜にかけて運動をしていた。
「日中は忙しく過ごしていて、運動をする時間をとれるのは夕方や午後遅くという人も多いだろうと思います。なるべく1日に運動ができる時間をみつけて、少し早歩きしてみる、階段の上り下りをする、家の掃除などの家事をするなど、体を積極的に動かすことをお勧めします」と、同大学健康科学部のマシュー アフマディ氏は言う。
「ウォーキングなどの中高強度の身体活動(MVPA)は、短い時間でも1日に頻度を増やすことで、効果を得られやすくなります。1日のなかで工夫して、活発なウォーキングを3分以上行い、その頻度を増やしていくと、健康効果を期待できます」としている。
Prospective Associations of Accelerometer‐Measured Machine‐Learned Sedentary Behavior With Death Among Older Women: The OPACH Study (Journal of the American Heart Association 2024年2月27日)
Around 10,000 steps a day may counteract health risks of high sedentary time (シドニー大学 2024年3月6日)
Do the associations of daily steps with mortality and incident cardiovascular disease differ by sedentary time levels? A device-based cohort study (British Journal of Sports Medicine 2024年3月5日)
Does the time of day you move your body make a difference to your health? (シドニー大学 2024年4月10日)
Timing of Moderate to Vigorous Physical Activity, Mortality, Cardiovascular Disease, and Microvascular Disease in Adults With Obesity (Diabetes Care 2024年4月10日)
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