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「植物性食品」が中心の食事スタイルが糖尿病リスクを減少させる
2016年06月22日
野菜、果物、全粒粉、大豆、豆類、ナッツ類などの植物性食品を多く摂る食事スタイルが2型糖尿病の発症リスクを低下させることが、20万人以上を20年以上追跡して調査した研究で明らかになった。
野菜などの植物性食品が糖尿病リスクを減少
「植物性食品を摂る食事スタイルは、遵守度が中程度であった場合でも、2型糖尿病の予防において重要な役割を果たすことが明らかになりました。糖尿病などの慢性疾患を予防するためにどんな食事を推奨したら良いか、明確なエビデンスを示すことができました」と、ハーバード公衆衛生大学院栄養学部のアンビカ サーティジャ氏は言う。
研究チームは、「看護師健康研究」(1984~2012年)に参加した6万9,949人の女性、「看護師健康研究2」(1991~2011年)に参加した9万239人の女性、「医療者追跡研究」(1986~2010年)に参加した4万539人の男性のそれぞれのデータを解析し、「植物性食品中心の食事スタイル」のインデックスを作成し、糖尿病発症との関連を調べた。
その結果、植物性食品を多く摂り、動物性食品をあまり摂らない食事スタイルを続けていたグループは、2型糖尿病の発症リスクが20年間で20%低下していた。健康的な食事スタイルを続けることで、糖尿病リスクは最大で34%低下することが判明した。
一方で、精製された穀類、ジャガイモなどの高炭水化物の食品、砂糖や果糖などの多い清涼飲料やお菓子などを多く摂取する不健康な食事スタイルを続けたグループは、糖尿病リスクが16%上昇した。
ハムやソーセージなどの加工肉を含む動物性の食品を1日に4サービング(皿)から5~6サービング(皿)に抑えることで、糖尿病の発症リスクが減少することも明らかになった。
植物性食品を中心とする食事のメリットは
研究は、野菜などの植物性食品を中心とする食事スタイルと、高炭水化物で高カロリーの食事スタイルを比較し、前者が2型糖尿病の予防に有用であることを示したはじめてのものだ。研究では、動物性食品を多く摂った場合のリスクについても検証した。
「野菜、果物、精製されていない全粒粉、大豆、豆類、ナッツ類などの植物性食品を多く摂り、赤身肉や加工肉などの動物性食品を減らすことが、2型糖尿病の発症リスクを減らすのに役立つことが明らかになりました」と、ハーバード公衆衛生大学院病態栄養学のフランク フー教授は言う。
「植物性食品を基本とする食事スタイルにより、食物繊維や抗酸化物質、不飽和脂肪酸といった体に良い栄養素を多く摂取でき、マグネシウムなどの微量栄養素も摂れます。さらには体に悪い不飽和脂肪酸を減らすことができます」と指摘している。
植物性食品を多く摂ることでビフィズス菌や乳酸菌などの腸内細菌が増え、腸内フローラが改善する可能性もある。腸内フローラが改善すると、肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病、アレルギーなどの免疫疾患の改善につながることが過去の研究で確かめられている。
研究者は研究が長期間に及び、食事については自己申告制の調査を行ったので、誤差が含まれる可能性があり、他の集団でも調査を行う必要があると指摘している。
研究はオンライン科学誌「PLOS Medicine」に掲載され、第76回米国糖尿病学会(ADA2016)でも発表された。
Plant-Based Dietary Patterns and Incidence of Type 2 Diabetes in US Men and Women: Results from Three Prospective Cohort Studies第76回米国糖尿病学会(ADA2016)
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