ニュース

医療費が41兆円に増加 13年連続で過去最高 高額な医薬品が登場

 厚生労働省は、2015年度の概算医療費が41.5兆円に上り、前年度に比べて約1.5兆円上回ったと発表した。医療費は膨張し続けており、13年連続で過去最高を更新した。
医療費がはじめて40兆円を超える

 厚生労働省は、2015年度の概算医療費が41.5兆円に上り、前年度に比べて約1.5兆円上回ったと発表した。

 概算医療費の内訳を診療種類別にみると、もっとも多かったのが入院の16.4兆円(全体の39.5% 1.9%増)、入院外が14.2兆円(同34.3% 3.3%増)、調剤が7.9兆円(同19.0% 9.4%増)、歯科が2.8兆円(同6.8% 1.4%増)だった。

 医療機関別の内訳では、医科医療費30.6兆円のうち、病院が22.0兆円、診療所が8.6兆円だった。

 診療所の医療費8.6兆円を診療科別にみると、もっとも多いのは内科の4.1兆円(47.9%)で、整形外科0.91兆円(10.6%)、眼科0.74兆円(8.6%)と続いた。

 国民1人当たりの医療費は、75歳未満では22万円、75歳以上では94万8,000円で、全体の平均は前の年度より1万3,000円増えて32万7,000円だった。
高額な新薬の登場が医療費の膨張の要因
 薬代と薬剤師の技術料を合わせた「調剤」は9.4%伸び、7.9兆円となり、12年ぶりの高い伸びとなった。

 背景にあるのは、高齢化に加えて高額な新薬の登場したことだ。C型肝炎に効果のある「ソバルディ」や「ハーボニー」など1錠6万~8万円の薬剤や、「ブルチニブ」など1錠1万円の新薬が登場し、高額薬だけで医療費は1%程度膨らんだ。

 一方、価格が安い後発医薬品、いわゆるジェネリックの使用割合は、昨年度、数量ベースで60.1%と、前の年度より3.7ポイント増えた。

 後発医薬品には医療費抑制に一定の効果はあるが、抗がん剤などの高額薬は増え続けており、今後も医療費は膨らむとみられている。

 このため厚労省は、「抜本的な薬価算定ルールの見直しが必要」として、高額薬対策に着手。高額医薬品を特例的に値下げする制度の導入を検討している。

 厚生労働省は、「少子高齢化が一段と進むなか、高齢者の負担増は避けられない。医療技術の高度化に加え、高額な医薬品の使用が増えたことが医療費を押し上げている」と述べている。

 健康保険組合の保険料率が9%を超え、健康保険組合連合会は「保険料率は限界に達している」と訴えている。

「平成27年度 医療費の動向」について(厚生労働省 2016年9月13日)
[Terahata]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2023年08月09日
8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より
2023年08月08日
若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
2023年07月28日
2022年度版「健診・保健指導施設リスト」状況を報告します【保健指導リソースガイド】
2023年07月24日
標準体重でも3分の1は実は「肥満」 BMIは健康状態をみる指標として不十分 やせていても安心できない
2023年07月11日
自治体健診で高齢者のフレイルを簡便に判定 「後期高齢者の質問票」でリスクが分かる 「フレイル関連12項目」とは?
2023年06月20日
肝臓学会が「奈良宣言2023」を発表 肥満・メタボの人は「脂肪肝」にもご注意 検査を受けることが大切
2023年06月12日
自治体健診で「心房細動」を早期発見 健康寿命と平均寿命の差を縮める 日本初の「健康寿命延伸事業」 大分県
2023年06月05日
要介護認定リスクと関連の深い健診6項目が明らかに 特定健診・後期高齢者健診のデータから判明 名古屋市
2023年05月19日
令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
2023年05月18日
さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶