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新型がん治療薬「オプジーボ」の効果を判定する方法を発見 京都大
2016.10.27
 高額で医療財政への影響が懸念されている新型がん治療薬「オプジーボ」が効くかどうかを、血液検査で判別できる方法を発見したと、京都大学の研究チームが発表した。
「オプジーボ」を1年間使用すると薬価は3,500万円に
 「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)は、オプジーボは免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる新型のがん治療薬だ。

 体内にがん細胞ができると、通常はキラーT細胞という免疫細胞が、がんを攻撃する。しかし、がん細胞は、免疫細胞の抑制に関わるPD-L1という物質を用いて、その働きにブレーキをかける。オプジーボ(抗PD-1抗体)は、PD-1を阻害することで、免疫細胞を活性化してがん細胞を叩く力を発揮させる。

 「オプジーボ」の創薬をけん引したのは、世界の免疫学研究を長年リードしてきた京都大学の本庶佑氏(現在は同大学名誉教授)だ。

 オプジーボが日本で2014年に保険適用になったのは、皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)に対してだった。2015年に肺がんの一部にも適用が広がり、今後、腎臓がんなど他のがんへも適用拡大されるとみられている。

 しかし、オプジーボの薬価は100mgで約73万円であり(2015年)、1年間使用すると3,500万円になる。高価といわれる従来の抗がん剤と比べても特に薬価が高く、日本の医療財政の大きな負担になると問題になっている。

 これを受けて厚生労働省は、定例の薬価改定を待たずにオプジーボの薬価を引き下げるよう中央社会保険医療協議会に提案した。
「オプジーボ」の治療効果を判定する方法を開発
 「オプジーボ」が効くのは患者全体の3割程度で、残りの7割になぜ効果がないのか分かっていない。

 そこで、京都大学大学院医学研究科の椛島健治教授らの研究チームは、「オプジーボ」が効くかどうかを、採血で判別できる手法を見つけた。薬が効く患者をあらかじめ選別できれば、患者の負担、経済的負担を軽減することができる。

 研究チームは、患者がもつ免疫の状態の違いが新薬の効果の違いと関連があるのではないかと考えた。免疫に関連する細胞や分子について、治療効果があった患者群となかった患者群で違いがないかを調べた。

 その結果、「オプジーボ」が効いた患者では免疫細胞の「9型ヘルパーT細胞」が増えていることが判明。

 さらに、このヘルパーT細胞を試験管内で作り出す実験を行い、抗PD-1抗体を加えると、ない場合と比べて、より効率よく作り出せることを発見した。

 このヘルパーT細胞が作り出す「インターロイキン9」という物質には、キラーT細胞の能力を高める作用がある。研究チームは、この物質がある場合、リンパ球がより効率よくがん細胞を破壊できることができることを突き止めた。

 今後は、血液中の「9型ヘルパーT細胞」をモニタリングし、「オプジーボ」の治療効果を判定するバイオマーカーとしての活用したり、「インターロイキン9」の機能を高める治療法の開発することを目指している。

京都大学大学院医学研究科
(Terahata)
©2017 日本医療・健康情報研究所. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

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