肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より
健康保険組合連合会(健保連)は昨年12月16日、「令和4年度 業態別にみた被保険者の健康状態に関する調査分析」を公表した。
それによると健保連加入者の約43%が「肥満」該当者で、業態別にみると「肥満」や「メタボリックシンドローム」に該当する人の割合が最も高かったのは「建設業」だった。
最も低い「繊維製品製造業」と比べると大きな開きがあり、業態によって健康状態に差があることが浮き彫りになった。
健保連加入者の4割強が「肥満」 最も割合が高いのは「建設業」
「業態別にみた被保険者の健康状態に関する調査分析」は、令和4年度の特定健診・特定保健指導データ及びレセプトデータをもとに、業態別に被保険者の健康状態や服薬状況、メンタル系疾患の有病者割合を概観したものである。健康状態と服薬状況は特定健診の問診回答と健診での検査値をもとにしており、40~74歳の被保険者が対象になっている。
特定健診データは345万1,549人(498組合)、レセプトデータは1,560万7,239人(1,310組合)をもとに集計。メンタル系疾患の有病者割合は全年齢の被保険者を対象としている。
調査報告書の「健康状態」の部では、血圧や脂質、血糖などの検査項目で受診勧奨や保健指導判定の該当者の割合などの分析結果が報告されている。
業態で健康状態に大きな差が
「肥満」に該当する人の割合は、全体で43.1%と4割を超えていた。業態別で最も高い割合だったのは「建設業」で51.9%。次いで「労働者派遣業(51.6%)」「運輸業(47.9%)」と続く。
一方、低い割合を示しているのは「繊維製品製造業」の29.5%、続いて「医療・福祉(31.0%)」「教育・学習支援業(34.8%)」となっていた。最も高い「建設業」と低い「繊維製品製造業」との差は1.76倍だ。
また、特定健診・特定保健指導と関わりが深い「メタボリックシンドローム」をみると、全体では16.8%の該当者がおり、14.2%が予備群であった。
該当者・予備群の合計した割合を業態別でみると、「建設業」が40.3%で最も高く、「運輸業(37.1%)」「労働者派遣(35.8%)」と続く。
低い割合を示しているのが「繊維製品製造業(18.6%)」「医療・福祉(18.7%)」「教育・学習支援業(22.8%)」で、メタボに大きく関与する「肥満」と同様の傾向を示していた。
割合の最も高い「建設業」と最低の「繊維製品製造業」との差は2.17倍で、健康状態は業態によって大きな差があることがわかった。


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