ニュース

血液検査で仕事ストレスを判定 ストレスを早期に発見する指標を発見

 岡山大学は、うつ病や循環器疾患の予防および仕事ストレスを早期に発見するために、仕事のストレスと関連のある血液マーカーを検討し、主に肝臓にあるタンパク質である「アルギナーゼI」が指標のひとつとなることを明らかにした。
仕事ストレスの客観的な指標が必要
 近年、勤労者の過重労働などを原因にメンタルヘルスの不調が増加しており、2015年12月からはストレスチェック制度が義務化されるなど、企業の対応が求められている。勤労者の心理的な負担を的確に把握することが重要な課題となっている。

 近年のIT開発などの産業構造の変化から勤労者のメンタルヘルスの不調は増加しており、社会的に問題となっている。

 仕事ストレスの評価・調査方法としては、カラセックの「JCQモデル」(職業性ストレスの測定法として開発された質問紙)が広く用いられている。

 「JCQモデル」は、仕事のストレスを仕事の要求量、仕事の裁量権、社会的支援によってはかり、どの程度ストレスに曝露されているかを判断するものだ。高い要求量、低い裁量権と社会的支援は、心理的負担や循環器疾患のリスクとなる。

 これまで、仕事ストレスが高いほど循環器疾患のリスクが高まることはわかっていたが、根底にあるメカニズムについては分かっていなかった。また、リスクの評価として主観的な調査だけでなく、客観的な指標も必要となっていた。
仕事ストレスが高くなるとアルギナーゼIは低下
 そこで、研究グループは、健康な378人の勤労者を対象に、JCQの仕事ストレス調査を行い、仕事ストレスと血管拡張性因子の一つである一酸化窒素やその関連パラメータを比較した。

 その結果、女性勤労者において、仕事ストレスが高くなると血清「アルギナーゼI」は低下し、仕事のコントロール(裁量)や社会的サポートが高くなると血清の「アルギナーゼI」が高くなることが判明した。

 また、うつ病や循環器疾患のリスクとなる仕事ストレスを評価するために、血清中の「アルギナーゼI」が指標のひとつになることも明らかにした。

 「アルギナーゼI」は、主に肝臓において存在する可溶性タンパク質。血管拡張作用をもつ一酸化窒素と関係しており、血管内皮機能と関連がある。

 仕事におけるストレスの評価方法として、「アルギナーゼI」が有用な指標のひとつになることが明らかにしたことは、職場ストレスを客観的に評価するための手段に開発につながると、同研究グループは述べている。

 研究は、岡山大学院医歯薬学総合研究科(医)公衆衛生学の荻野景規教授、伊藤達男助教、長岡憲次郎助教の研究グループによるもので、米国のオンライン科学誌「PLOS ONE」に発表された。

岡山大学院医歯薬学総合研究科(医)公衆衛生学
Association of arginase I or nitric oxide-related factors with job strain in healthy workers(PLOS ONE 2017年4月12日)
[Terahata]

「メンタルヘルス」に関するニュース

2018年11月13日
がん患者の就労支援 働く患者の75%が「産業医」の存在を知らない
2018年11月13日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月13日
妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に 遺伝子レベルで解明
2018年11月06日
新しい「発芽玄米」で脳内「BDNF」が増える 脳卒中や認知症などを予防
2018年11月02日
【健やか21】児童虐待防止推進月間「愛の鞭ゼロ作戦」
2018年10月24日
10分間の運動で記憶力や認知能力がアップ 高齢者向けプログラムに期待
2018年10月23日
質の良い睡眠のために、起きている時間の過ごし方が重要 目覚め方改革プロジェクト
2018年10月10日
たった一晩の「不眠」でメタボや糖尿病に 睡眠を改善するための7ヵ条
2018年10月04日
【講演会レポート】「10月8日は、糖をはかる日」講演会 「"これからの"血糖コントロール」
2018年10月02日
魚のオメガ3系脂肪酸が「不安症状」を軽減 魚を食事療法に活用

最新ニュース

2018年11月14日
厚労省がイクメン企業アワード受賞企業取組事例集などを発行
2018年11月14日
11月14日は「世界糖尿病デー」 糖尿病とともに生きる人と家族を支援
2018年11月14日
"防ごう、備えよう!低血糖―低血糖時のアクションプラン"公開 糖をはかる日
2018年11月13日
がん患者の就労支援 働く患者の75%が「産業医」の存在を知らない
2018年11月13日
サマータイムは「睡眠障害」の原因に 生物時計に障害 日本学術会議
2018年11月13日
妊娠中の低栄養やストレスが子の高血圧の原因に 遺伝子レベルで解明
2018年11月13日
なぜ「朝食を抜くと体重が増える」? 体内時計で解明 名古屋大
2018年11月12日
「糖尿病になったらいくらかかる?」を改訂 糖尿病の医療費
2018年11月09日
【健やか21】妊娠中・産後のママのための食事BOOK(ダウンロード無料)
2018年11月08日
適切な情報選択の一助に!「アレルギーポータル」を開設~日本アレルギー学会
2018年11月08日
「効果を上げる! 健康教育のツボ」へるすあっぷ21 11月号
2018年11月07日
【新連載】がん治療と仕事の「両立支援」を考える~産業保健師の乳がん経験~
2018年11月06日
簡易に測定できる「フレイルチェック」を産官学協働で開始 九州大学など
2018年11月06日
新しい「発芽玄米」で脳内「BDNF」が増える 脳卒中や認知症などを予防
2018年11月06日
肥満やメタボの新たな治療 肝臓の「アクチビンE」が脂肪を燃焼
2018年11月06日
チョコレートが閉経後女性の高血糖、高血圧、高コレステロールを改善
2018年11月05日
生活改善の「三日坊主」を防止するアプリ チームで励まし治療を継続
2018年11月02日
【健やか21】児童虐待防止推進月間「愛の鞭ゼロ作戦」
2018年11月01日
ブレインフードレシピを提供します(くるみヘルスケアプロジェクト)
2018年10月31日
なぜ朝食は食べた方が良いのか? 肥満と脂質異常症を予防するのに有利
2018年10月31日
生涯でがんに罹患する確率は男性62%、女性47%~最新がん統計
2018年10月31日
歯周病を治療すると血糖値が改善 心血管疾患や腎臓病のリスクも低下
2018年10月31日
乳がんの原因遺伝子を解明 日本人1万8,000人のデータベースを構築
2018年10月31日
世界の長寿国ランキング 日本は2040年に2位に転落 社会格差が課題に
2018年10月31日
女性は50歳を越えると骨粗鬆症のリスクが上昇 「定期的に検査を」
2018年10月31日
非アルコール性脂肪性肝疾患の有無を判定するバイオマーカーを発見
2018年10月25日
【健やか21】不妊治療と経済的負担に関するアンケート2018の実施中
2018年10月25日
先天性風しん症候群を防ぐ方策などを議論―厚生科学審議会感染症部会
2018年10月24日
10分間の運動で記憶力や認知能力がアップ 高齢者向けプログラムに期待
2018年10月24日
「ドライアイ」を自己チェック まばたきを12秒間我慢できないと要注意
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,558 人(2018年10月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶