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リハビリ支援ロボットを臨床に導入 脳卒中による下肢麻痺を支援
2017年04月26日
トヨタ自動車はこのほど、脳卒中などによる下肢麻痺のリハビリテーション支援を目的としたロボット「ウェルウォーク WW-1000」のレンタルを2017年秋から開始すると発表した。
ロボットを活用し少子高齢化に対応
「ウェルウォーク WW-1000」は個々の患者に合わせて難易度を調整できたり、歩行状態のフィードバック機能など、運動学習理論にもとづいたさまざまなリハビリテーション支援機能を備えている。また簡単に装着でき、タッチパネルによる一括操作など、シンプルな構造と機能によって臨床現場での使いやすさを実現したという。
トヨタは、1980年代に自動車生産用に導入を始めた産業用ロボットの技術や自動車の開発技術を応用して、人の活動をサポートし、人と共生する「パートナーロボット」の開発を進めている。
「パートナーロボット」は、「すべての人に移動の自由を、そして自らできる喜びを」というビジョンのもと、特に日本において重要な課題である少子高齢化問題に対応するため、高齢者がより自立した生活を送り、介護する側の負担も低減できるよう、「シニアライフの支援」「医療の支援」「自立した生活の支援」「介護の支援」を主な4領域として開発に取り組んでいる。
医療の支援では、2007年末から藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と共同でリハビリテーション支援ロボットの開発を進め、2011年より医療現場での実証実験を行ってきた。
2014年からは歩行練習アシストロボットを全国23の医療機関(2017年3月末時点)で臨床的研究に活用している。このほど、これまでの臨床的研究を通じて患者や医療関係者からの意見もふまえ、下肢の機能回復への寄与が期待できると判断し、医療機器の承認を取得した。医療機関向けに、100台を目標に「ウェルウォーク WW-1000」としてレンタルを行う。
営業・サービス体制に関しては、トヨタはグッドライフデザインに営業企画・管理の委託を行い、グッドライフデザインは営業窓口である4社を通じてレンタルを行う。サービス業務は、トヨタもしくはグッドライフデザインがパラテクノに委託するかたちをとる。

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