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睡眠は運動を週に2~3回行うと改善できる 良い睡眠をとれていないと体感的な年齢は10歳も老ける

 ウォーキングなどの運動を週に2~3回行う習慣のある人は、不眠症リスクが低く、睡眠時間を十分に確保できている割合が高いことが、39~67歳の中年成人を10年間追跡した調査で明らかになった。

 運動を習慣として行うことが、健康状態を全体的に改善し、さらには質の高い睡眠を促進し、不眠症が慢性化するのを抑制する可能性がある。

 また、睡眠を十分にとれている人は、老化を実感することが少ないが、睡眠が妨げられ、日中に眠気を感じることが多い人は、10歳も老けていると感じることが示された。

 「ご自分の睡眠を守ることが、若々しい感覚を維持するために非常に重要になります。日中に活動的に過ごし、健康を増進するために、睡眠を見直して、その質を高めることが大切です」と、研究者は指摘している。

運動習慣のある人は睡眠障害が少ない

 ウォーキングなどの運動を週に2~3回行う習慣のある人は、不眠症リスクが低く、ひと晩に6~9時間という推奨されている睡眠時間を確保できている割合が高いことが、39~67歳の中年成人を10年間追跡した調査で明らかになった。

 「運動を習慣として行うことが、健康状態を全体的に改善し、さらには質の高い睡眠を促進し、不眠症が慢性化するのを抑制する可能性が示されました」と、アイスランドのレイキャビク大学心理学部のエルラ ビョルンスドッティル氏は言う。

 研究グループは、欧州の9ヵ国の21の施設で、39~67歳の中年成人4,399人(男性 2,085 人、女性 2,254 人)を対象に、毎週の身体活動の量や頻度・時間・強度、不眠症の症状、夜間の睡眠時間、日中の眠気などについて調査した。

 その結果、週に運動を2回以上、1時間以上している活動的な人は、入眠が難しいと感じることが42%も少なく、不眠症の症状は22%少なかった。さらに、不眠症の症状を2~3つ報告することも40%少なかった。

 運動を習慣として続けている人は、睡眠を十分にとれている割合が55%と多く、睡眠時間が6時間以下と足りていない割合は29%と少なかった。

 なお、10年間で参加者の25%が運動を習慣として続けていた。37%は持続的に活動的ではなく、20%は運動不足だった。

若々しさを保つのに良い睡眠が必要
睡眠をとれていないと体感的な年齢は10歳も老ける

 睡眠を十分にとれている人は、老化を実感することが少ないが、睡眠が妨げられ、日中に眠気を感じることが多い人は、10歳も老けていると感じることが、スウェーデンのストックホルム大学による別の研究で示された。

 「エネルギーや活力がみなぎっていると感じられた若い頃を思い出すことはありませんか? 若さを感じることは、単なる個人の認知の問題ではなく、客観的な健康上の結果とも関連しています」と、同大学心理学部のレオニー バルター氏は言う。

 「これまでの研究で、実際の年齢よりも若く感じることは、より長く健康な生活をおくれることと関連していることが示されています。ご自分を若いと感じている人は、脳年齢も若いという報告もあります」としている。

 研究グループは今回、1つめの研究で、18歳~70歳の男女429人を対象に、「自分を何歳だと感じているか」「過去1ヵ月に十分な睡眠がとれていない日が何日あったか」「現在、眠気をどれくらい感じているか」などの質問をした。

 2つめの研究では、18歳~46歳の186人の男女を対象に、人工的に睡眠を制限する実験を行った。睡眠をひと晩に4時間に制限したときと、9時間と十分にとったときとを比較した。

 その結果、まえの晩に睡眠不足だった人は、自分の体感的な年齢が実年齢より0.23歳老けていると感じ、睡眠が制限された後は、体感的な年齢が4.4歳老けていると感じていたことが分かった。日中に極度の眠気を感じている人も、6歳老けていると感じていた。

 一方で、前の晩に熟睡し、疲れがとれたというときは、体感的な年齢を4歳若く感じた。よく眠れたときと、眠れなかったときとで、体感的な年齢に10歳の差があることが示された。

 「良い睡眠をとることは、脳の機能を健康に保つために不可欠であり、若々しい感覚を保つ秘訣にもなることが示されました」と、バルター氏は指摘する。

 「ご自分の睡眠を守ることが、若々しい感覚を維持するために非常に重要になります。日中に活動的に過ごし、健康を増進するために、睡眠を見直して、その質を高めることが大切です」としている。

Consistently exercising 2-3 times a week over the long term linked to lower current insomnia risk (BMJ 2024年3月26日)
Association between physical activity over a 10-year period and current insomnia symptoms, sleep duration and daytime sleepiness: a European population-based study (BMJ Open 2024年3月26日)
Want to feel young? Protect your sleep (ストックホルム大学 2024年3月27日)
Sleep and subjective age: protect your sleep if you want to feel young (Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences 2024年3月27日)

[Terahata]