ニュース

日本初の「心房細動リスクスコア」を開発 検診項目からリスクが分かる

 国立循環器病研究センター(国循)は、大阪府吹田市の市民を対象としたコホート研究のデータから、地域住民を対象とした「心房細動リスクスコア」を日本ではじめて開発したと発表した。
特定健診で心電図が外れ、心房細動の早期発見は難しくなっている
 医療の進歩で寿命は延び、日本の65歳以上人口の割合(高齢化率)は4分の1を超えているが、健康寿命との乖離は広がっている。循環器病は国民医療費と要介護原因の1位であり、特に脳卒中と認知症を総合した脳血管疾患は要介護原因の4割を超えることから、超高齢社会を迎え健康寿命の延伸のためには循環器病の予防が不可欠だ。

 一方、2008年から開始された特定健診で健診項目から心電図が外れたため、高齢者の脳梗塞の大きな危険因子である心房細動の早期発見が難しくなり、潜在的な心房細動患者の増加が懸念されている。

 また、日本国内には心房細動のリスクスコアがなく、国際的にもその数は極めて少ないのが現状だ。今後、急速に高齢化が進展する日本においては、日本人の実態に則した心房細動リスクスコアの作成が必要となっている。

 そこで国循は、健診の項目を利用し、健診時にスコアが高い場合に追加で心電図を実施することや、一般外来でも高スコアの患者に心電図検査を実施することで、早い段階で心房細動の予防を行うことを可能とする「心房細動リスクスコア」を開発した。

 加えて、個人でも健診の結果を入力することで10年後の心房細動の予測確率を求めるスコアファイルも作成。これにより、個別にどの項目に気を付け改善したらよいかが分かるという。

健診時にスコアが高い場合に追加で心電図検査を実施
 今回のリスクスコアは「吹田研究」のデータにもとづき開発された。吹田研究は、国循が1989年より実施している、吹田市民を対象としたコホート研究。日本のコホート研究の中でも、特に全国民の3分の2を占めている都市部住民を対象としていることに特徴があり、より国民の生活習慣に合致した研究とされている。

 リスクスコアは健診の項目から検証できるので、健診時にスコアが高い場合に追加で心電図を実施することや、一般外来でも高スコアの患者に心電図検査を実施することで、早い段階で心房細動の予防を行うことが可能になると期待される。

 スコアの合計が13点に該当する心房細動予測確率は16%となる。循環器リスクの中で、過体重を改善すれば2ポイント下がり、16%から9%になる。生活習慣・血清脂質の中で、適正飲酒にすれば2ポイント下がり、16%から9%になる。両方を改善すると7%になり、16%から7%と心房細動の予測確率が半減以上に低い値になる。

 このようにどの項目を改善すれば予測確率がどれだけになるかが具体的に分かるのがこのリスクスコアの特徴だ。

 この研究は、国循予防健診部の小久保喜弘医長らの研究チームによるもの。研究成果は、日本循環器学会の専門誌「Circulation Journal」に掲載された。

 今後は、他の地域集団での妥当性や他のリスク要因の検討も行い、心房細動になる予測能を高め、健診や疾患ガイドラインの策定などに寄与できることを目標にするという。

国立循環器病研究センター
[Terahata]

「学校保健」に関するニュース

2017年06月26日
3つのアプリを開発「考えよう!いじめ・SNS@Tokyo」
2017年06月26日
子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性を発表
2017年06月22日
【健やか21】子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要
2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
「健康長寿新ガイドライン」を策定 東京都健康長寿医療センター
2017年06月19日
広がる電子母子手帳~健康情報を管理するアプリとも連携(神奈川県)
2017年06月16日
【健やか21】子ども外傷患者初期対応アセスメントシート 活用マニュアル
2017年06月15日
食育推進計画を策定した市町村は78%に上昇 「平成28年度食育白書」
2017年06月15日
日本初の「心房細動リスクスコア」を開発 検診項目からリスクが分かる

最新ニュース

2017年06月27日
【新連載】日本の元気を創生する ‐開業保健師の目指していること‐
2017年06月26日
3つのアプリを開発「考えよう!いじめ・SNS@Tokyo」
2017年06月26日
子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性を発表
2017年06月22日
【健やか21】子どもの健康の地域間格差が拡大している可能性
2017年06月21日
東京糖尿病療養指導士(東京CDE)、東京CDS 講習会の日程を発表
2017年06月21日
日本の介護の現状をレポート 「介護社会」の本格的な到来に備える
2017年06月21日
世界の3人に1人が肥満か過体重 世界規模で保健指導が必要
2017年06月21日
ブロッコリーで糖尿病を改善? 「スルフォラファン」が血糖値を下げる
2017年06月21日
糖尿病+高血圧 どうすれば治療を両立できる? 高血圧の治療が進歩
2017年06月21日
「健康長寿新ガイドライン」を策定 東京都健康長寿医療センター
2017年06月20日
「血糖トレンドを知るには。」を公開 血糖トレンドの情報ファイル
2017年06月19日
広がる電子母子手帳~健康情報を管理するアプリとも連携(神奈川県)
2017年06月16日
【健やか21】子ども外傷患者初期対応アセスメントシート 活用マニュアル
2017年06月15日
乳がん検診は今後はどう変わる? 「高濃度乳房」の実態調査を開始
2017年06月15日
食育推進計画を策定した市町村は78%に上昇 「平成28年度食育白書」
2017年06月15日
日本初の「心房細動リスクスコア」を開発 検診項目からリスクが分かる
2017年06月15日
赤ワインのポリフェノールで血管が柔らかく 糖尿病の動脈硬化も改善
2017年06月15日
内臓脂肪が増えるとがんリスクが上昇 腹囲の増加は「危険信号」
2017年06月15日
HbA1cを測定できる「ゆびさきセルフ測定室」 全国に1,500ヵ所以上
2017年06月08日
【健やか21】子ども・若者育成支援「専門分野横断的研修」研修生募集
2017年06月07日
若い世代の産業保健師を育成するプロジェクトがスタート
2017年06月07日
産業保健プロフェッショナルカンファレンス サイトを公開
2017年06月07日
糖尿病医療に貢献するビジネスプランを募集するコンテストを開始
2017年06月07日
健康に生きるための5つの「ライフ スキル」 人生で勝つために学びが必要
2017年06月07日
睡眠を改善するための10ヵ条 睡眠不足とメタボが重なると危険
2017年06月07日
「自分で測り健康データを収集」 5000人規模のコホート研究 東北大学
2017年06月07日
高尿酸血症が腎臓の機能障害の原因に 少しの異常でも腎臓に悪影響
2017年06月06日
「8020」を2人に1人以上が達成し過去最高に~平成28年歯科疾患実態調査
2017年06月06日
初の出生数100万人割れで過去最少 厚労省・人口動態統計月報年計
2017年06月02日
厚生労働省が平成28年の職場における熱中症死傷者発生状況を取りまとめ

おすすめニュース

無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,135 人(2017年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶