令和5年度「職場のハラスメントに関する実態調査」より
相談内容はパワハラが最多、パワハラ経験率が高いのは管理職
このほど令和5年度の厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査」が取りまとめられ、公表された。
それによると過去3年間で企業に寄せられた相談で最も多かったのは「パワハラ」、次いで「セクハラ」「顧客等からの著しい迷惑行為(カスハラ)」と続いていた。また、パワハラ経験者のうち管理職の割合が高いということもわかった。
増加する「カスハラ」
この調査は、令和2年度に実施した「職場のハラスメントに関する実態調査」から3年が経過し、ハラスメント対策に取り組む企業や労働者の状況も変化していると考えられることから実施された。全国の企業と労働者等を対象に令和5年12月~令和6年1月の期間で行われている(調査実施者:PwCコンサルティング合同会社)。
調査では、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメント、顧客からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント=カスハラ)、就活等セクハラに焦点を当てている。
過去3年間に従業員からハラスメントの相談があったと回答した企業のうち、項目ごとの割合をみると、高い順に「パワハラ(64.2%)」「セクハラ(39.5%)」「カスハラ(27.9%)」「妊娠・出産・育児休業等ハラスメント(10.2%)」「介護休業等ハラスメント(3.9%)」「就活等セクハラ(0.7%)」であった。
カスハラの相談があったと回答した企業は、前回調査の19.5%と比べて8.4ポイント増加し、相談件数は項目のなかで唯一増加していた。業種別でみると、「医療、福祉(53.9%)」「宿泊業、飲食サービス業(46.4%)」「不動産業、物品賃貸業(43.4%)」と、消費者や顧客との接触が多い仕事で高い傾向にある。
カスハラの増加は今回の調査での特徴の一つで、現代の世相を映し出している。2023年9月に「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」が改訂されたが、大きな変更点の一つがカスハラの新規追加であった。
過去3年間のハラスメントの相談有無(ハラスメントの種類別)

出展:令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書(概要版)
P.7(2024.5)より
パワハラ経験者のうち管理職の割合が高い
とはいえ、依然として「パワハラ」が他の項目を引き離し、最多となっている。一般サンプル調査を行った労働者等調査に目を転じてみると、過去3年間にパワハラを経験した労働者の割合は全体の19.3%に上り、最も高い割合だ。
特に「男性管理職(24.0%)」や「女性管理職(23.6%)」が高い割合を示していた。会社組織のなかで加害者になる可能性とともに、被害者にもなり得るのが、中間管理職等と推測される。
パワハラを受けた経験(男女・雇用形態別)

出展:令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書
P.107(2024.5)より
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