特定健診58.1%、特定保健指導26.5% 実施率過去最高に
-2022年度の特定健診・特定保健指導実施状況より
厚生労働省は、このほど2022年度の特定健診・特定保健指導の実施状況についてまとめ、公表した。
特定健診・特定保健指導の実施率は、08年度に制度が始まって以来右肩上がりで上昇していたが、20年度には新型コロナウイルス感染症の影響などで低下した。しかし、21年度からは再び上昇に転じ、22年度はともに過去最高の実施率で、特定健診が58.1%、特定保健指導が25.6%だったことがわかった。
特定健診の実施率は、前年度より1.6ポイント向上
厚生労働省は「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、2008年度から保険者による年度ごとの特定健康診査・特定保健指導の実施状況をまとめている。今回、集計対象となった保険者数は3,363で、内訳は市町村国保:1,738、国保組合:160、全国健康保険協会:1、船員保険:1、健康保険組合:1,378、共済組合:85であった。
特定健康診査の対象者数は約5,192万人。そのうち受診者数は約3,017万人で、特定健康診査の実施率は58.1%だった。21年度と比較して1.6ポイント向上していた。
制度開始の08年度では38.9%だった実施率は、右肩上がりで上昇を続けてきた。しかし、新型コロナ感染症の影響がみられた20年度は53.4%と初めて前年より低下。厚労省や各自治体、健保組合などが「健診・がん検診・医療機関への受診は『不要不急の外出』ではありません」などの広報活動を進め、健診・がん検診・医療機関への受診を促し、それが功を奏した形で21年度の特定健診の実施率は前年比3.1ポイント増へ転じた。22年度はさらにそれを超え、これまでで最も高い実施率となった。
特定保健指導実施率も1.9ポイント上がる
一方、特定保健指導をみてみると、22年度の特定保健指導の対象者数は約512万人、特定保健指導を終了した者は約135万人であり、特定保健指導の実施率は26.5%だった。21年度と比較すると特定健診同様1.9ポイント向上している。
特定保健指導の実施率は、制度開始の08年度当初7.7%と1割を切っていた。特定健診受診率と同じように右肩上がりで上昇し、20年度には新型コロナの影響もあり、わずかな低下もみられたが、今回の実施率は過去最高となった。
しかし、国が掲げた第3期特定健診・特定保健指導(18~23年度まで)の目標数値である「特定健診実施:75%」「特定保健指導実施率:45%」にはまだ遠い数値だった。


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