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膵臓がん 簡易な血液検査で早期発見 鹿児島で臨床研究を開始

 早期発見が難しい膵臓がんを、簡易な血液検査で見つけようという臨床研究を、国立がん研究センター研究所、日本対がん協会などが7月から開始する。
 研究グループは「検診での採血による効率的な検診法を確立できれば、膵がんによる死亡率の低下が期待できる」と意気込んでいる。
膵臓がんを健診で早期発見 死亡率を減少へ
 国立がん研究センターによると、膵臓がんによる死亡者は年間3万2,000人。がんが原因の死亡者の中では肺がん、大腸がん、胃がんに次いで4番目に多い。

 膵臓は体の深部に位置し、胃・十二指腸・小腸・大腸・肝臓・胆のう・脾臓などに囲まれているため、がんが発生しても見つけるのが非常に難しい。見つかったときには既に進行した状態で、予後が不良であることが多い。

 膵臓がんが進行すると、5年後の相対生存率が10%未満になってしまうのが実態だ。

 膵がんのリスク疾患や膵がんを発見できるバイオマーカーがあれば、早期発見・治療が可能になる。そこで研究チームは、「アポリポプロテインA2アイソフォーム」というタンパク質に着目した。

 このアイソフォーム(構造は異なるが同じ機能をもつタンパク質)の血中濃度は、早期の膵臓がんや膵臓がんのリスクとなる疾患のある患者において有意に低下することが分かっている。

 このアイソフォームを利用し検診を行えば、早期の膵臓がんやそのリスクとなる疾患をスクリーニングできる。コンピューター断層撮影装置(CT)などの画像診断へつなげることで、膵臓がんによる死亡率を減少できる可能性がある。

50歳以上の男女を対象に臨床研究を開始
 そこで、国立がん研究センター研究所、日本対がん協会などは、鹿児島県の枕崎、出水市での住民健康診断や、鹿児島県民総合保健センターの人間ドックなどで臨床研究を開始することになった。

 対象は50歳以上の男女で、住民健康診断の際に事前同意を取ったうえで血液を採取する。

 血液検査でタンパク質に異常値が見つかった場合、鹿児島大病院や鹿児島市立病院、出水総合医療センターで画像検査(造影CT検査)による精密検査を受けてもらう。血液検査や精密検査での追加料金などの個人負担はないという。

 研究チームは、50歳以上の男女5,000~1万人に受診してもらい、有用性を証明するデータを集めたい考え。

 鹿児島県民総合保健センター(日本対がん協会鹿児島支部)は、精密検査受診率が高いなど、検診体制が整っていることから、今回の臨床研究実施場所に選ばれた。今秋以降、鹿児島県以外にも、さらに拡大する予定。
負担の少ない簡易な検査で膵臓がんを早期発見
 なお、この検査は試験的に行うもので、「病気がないのに、誤って陽性になること(偽陽性)」や「病気があるのに、誤って陰性になること(偽陰性)」の可能性があるという。そのため、陽性と判定されても必ずしもがんがあるわけではなく、陰性と判定されても、がんが否定されたわけではない。

 国立がん研究センター研究所の本田一文・ユニット長は「患者に負担の少ない簡易な検査で膵臓がんを早期発見できる効率的なシステムを早く確立したい」と述べている。

 この研究は、日本医療研究開発機構(AMED)革新的がん医療実用化研究事業「血液バイオマーカーを用いた効率的な膵がん検診の実用化(研究代表者 本田一文)」の支援を受け、国立がん研究センターと日本対がん協会、鹿児島県民総合保健センター、鹿児島大学、鹿児島市立病院、出水総合医療セ ンター、横浜市立大学、神戸大学、金沢大学、滋賀医科大学がチームを組んで実施する。

日本医療研究開発機構(AMED) 革新的がん医療実用化研究事業
国立がん研究センター
[Terahata]

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