ニュース

お酒を飲むと顔が赤くなる人は注意 飲み過ぎると怖い「がんリスクの上昇」

 飲酒によって膀胱がんの発症リスクが上昇することが、日本人を対象とした大規模調査で明らかになった。アルコールを飲むと顔が赤くなるのは、アセトアルデヒドを分解する能力が低いからだ。膀胱がんの発症しやすさは、飲酒で顔が赤くなるか、ならないかによって異なるという。
日本人の多くはアルコールを飲むと
顔が赤くなりやすい
 アルコールを片手に顔を赤くして賑やかに楽しむ男女。酒場ではよく目にする光景だ。そんな人たちにとって気になる研究結果が、このほど国立がん研究センターなどが実施している「JPHC研究」から報告された。

 「JPHC研究」は日本人を対象に、さまざまな生活習慣と、がん・2型糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などとの関係を明らかにする目的で実施されている多目的コホート研究。

 飲酒により体内に取り込まれたアルコールは、腸管で吸収された後、酵素の働きでアセトアルデヒドに分解され、次に酢酸に分解され代謝される。

 欧米人は、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが強いが、日本人のおよそ半数が、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱いことが分かっている。

 そのため、日本人は、飲酒によりアセトアルデヒドが蓄積しやすく、アセトアルデヒドの作用で顔が赤くなりやすい。つまり、飲酒で顔が赤くなる人は、飲酒によりアセトアルデヒドの影響を受ける可能性が高いといえる。
「節度ある適度な飲酒」は純アルコール20g程度
 アセトアルデヒドには、発がん性があることが分かっている。欧米人を対象とした複数の疫学研究をまとめた海外の研究では、飲酒と膀胱がん罹患の関連はないと報告されている。しかし、アルコールを分解する力が弱い日本人では、飲酒が膀胱がんの発症に影響している可能性がある。

 そこで、国立がん研究センターなどの研究チームは、飲酒と膀胱がん罹患の関連を、飲酒で顔が赤くなる人とならない人に分けて検討した。岩手、秋田、長野、沖縄、茨城、新潟、高知、長崎、大阪に在住していた40~69歳の9万5,915人を対象に、2012年まで平均18年追跡して調査した。

 「節度ある適度な飲酒」は、1日の平均で純アルコールにして約20g程度までとされている。純アルコール20gの目安は、ビールは中びん1本(500mL)、日本酒は1合(180mL)、ウイスキーはダブル1杯(60mL)、焼酎0.6合(110mL)だ。

 調査開始時のアンケートで、お酒を「ほとんど飲まない(月に1~3回以下)」「週150g以下(エタノール換算)飲む」「週151~300g飲む」「週301~450g飲む」「週451g以上飲む」の5つのグループに分けた。さらに、「飲酒するとすぐに顔が赤くなりますか?」という質問も行った。
アルコールを飲むと顔が赤くなる男性は膀胱がんリスクが高い
 平均で約18年の追跡期間中に、464人(男性354人、女性110人)の膀胱がんを発症した。解析した結果、飲酒で顔が赤くなる男性は、お酒をほとんど飲まないグループと比べて、週あたりの飲酒量が151~300gのグループで、膀胱がんのリスクが1.67倍に上昇した。

 一方、飲酒で顔が赤くならない男性では、どの飲酒グループでも膀胱がんのリスクは上昇しなかった。なお、女性については、膀胱がん発症数が少なく、飲酒者も少ないので、解析を行わなかった。
 今回の研究により、飲酒で顔が赤くなる男性とならない男性で、飲酒による膀胱がんへの影響が異なることから、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドが膀胱がん罹患と関連している可能性が示された。

 お酒の摂取量が301g以上のグループでは膀胱がんのリスクが上昇しなかったことについて、研究チームは「飲酒で顔が赤くなるという自覚症状と、遺伝子によって規定されるアセトアルデヒド分解能力は、完全には一致しない。飲酒で顔が赤くなると答えた大量飲酒者の中には、遺伝的にはアセトアルデヒド分解能力が高い人が多数混ざっていて、アセトアルデヒドと膀胱がんとの影響を弱めたためではないか」と推察している。

 つまり、大量に飲酒することで膀胱がんへの影響がなくなるということではない。多量飲酒は、がんのみならず、循環器疾患や死亡のリスクを上昇させる。「アルコールの飲み過ぎ」にはくれぐれも注意が必要だ。

 なお、研究チームは「アセトアルデヒドと膀胱がんとの影響を明らかにするには、アセトアルデヒドを分解する酵素に関係する遺伝子を測定する必要がある。今後、遺伝子を考慮した研究を行うことが望まれる」と述べている。

多目的コホート研究(JPHC Study) 国立がん研究センター 社会と健康研究センター
Alcohol consumption and bladder cancer risk with or without the flushing response: The Japan Public Health Center-based Prospective Study( 2017年9月15日)
[Terahata]

「アルコール」に関するニュース

2018年01月18日
「社会的つながり」が多いと認知症リスクが46%低下 国立長寿センター
2018年01月11日
「特定保健指導」を受けると医療費が2割安く 全ての年齢階級で有意差
2018年01月11日
腕帯の要らない「カフレス」血圧測定を開発 血圧変化を「見える化」
2018年01月04日
2017年ニュース記事 Top10
2017年12月27日
【健康啓発4コマ漫画】サンプル「スルフォラファン」「男性の乳がん」
2017年12月21日
特定健診の実施率は50.1% 保健指導は17.5% ともに目標達成は困難
2017年11月15日
アルコールを飲み過ぎないために 知っておきたい5つの対処法
2017年11月01日
高齢者に手厚い社会保障 「全世代型」の社会保障へ転換を 厚労白書
2017年11月01日
お酒を飲むと顔が赤くなる人は注意 飲み過ぎると怖い「がんリスクの上昇」
2017年10月30日
【アンケート協力のお願い】第3期特定健診・特定保健指導の改正内容について(保健指導従事者実態調査)

最新ニュース

2018年01月19日
災害時の栄養バランスを考える「大震災を生き抜くための食事学」(第23回日本災害医学会ランチョンセミナー)
2018年01月18日
高齢者独居が4人に1人に 進む未婚・少子化 日本の世帯数の将来推計
2018年01月18日
「社会的つながり」が多いと認知症リスクが46%低下 国立長寿センター
2018年01月18日
たばこが原因で103万人が病気に 医療費は1.5兆円 受動喫煙では3200億円
2018年01月18日
ネットゲーム依存は「ゲーム障害」 WHO「国際疾病分類」に掲載
2018年01月18日
犬・猫からの感染症「コリネバクテリウム・ウルセランス」 死亡例も
2018年01月17日
【書籍プレゼント】『「はたらく」を支える!女性のメンタルヘルス』を2名様にプレゼント
2018年01月17日
ヘルスケア領域のソーシャルインパクトボンド導入ノウハウ集を作成~日本総研
2018年01月16日
コンビニの食品選びを伝授! 「コンビニごはんガイド」4種
2018年01月15日
東京都が「感染症対応力向上プロジェクト」の参加企業を募集
2018年01月12日
【健やか21】母子保健に関する活動をしている応援メンバー募集中!
2018年01月11日
糖尿病3分間ラーニング、いま話題の〈血糖トレンド編〉公開
2018年01月11日
「特定保健指導」を受けると医療費が2割安く 全ての年齢階級で有意差
2018年01月11日
緑色の葉物野菜を毎日食べると認知能力の衰えを抑えられる
2018年01月11日
乳児には大人との身体接触が必要 社会的な絆を強め脳の発達に影響
2018年01月11日
腕帯の要らない「カフレス」血圧測定を開発 血圧変化を「見える化」
2018年01月11日
管理栄養士の9割が「おやつを食べる」 食べたときは次の食事で調整
2018年01月10日
【参加者募集】 乳がんサバイバーの婚活セミナー@横浜「この経験を、恋愛・婚活・結婚生活にどう活かすか?」
2018年01月09日
大人の風しん抗体検査とワクチン接種を呼びかけ~東京都福祉保健局
2018年01月05日
[ 2/7 市民公開講演会参加者募集中!] 全国生活習慣病予防月間2018
2018年01月05日
産業保健に特化 「働く人のための健康づくりシリーズ」10教材を紹介
2018年01月04日
オピニオン 2017年にスタートした連載まとめ
2018年01月04日
2017年ニュース記事 Top10
2018年01月04日
「第2期データヘルスに向けて 今求められるコラボヘルス」へるすあっぷ21 1月号
2017年12月28日
【健やか21】7言語による動画『外国人住民のための日本の子育てシリーズ』
2017年12月27日
【健康啓発4コマ漫画】サンプル「スルフォラファン」「男性の乳がん」
2017年12月25日
年末年始の海外旅行前や帰国後に活用を!東京都の感染症予防ガイド
2017年12月21日
特定健診の実施率は50.1% 保健指導は17.5% ともに目標達成は困難
2017年12月21日
産業医の8割が「メンタルヘルス不調・過労対応に自信がない」
2017年12月21日
「電子たばこ」は禁煙の成功率を低下させる 禁煙治療を遠ざけるおそれ
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,740 人(2018年01月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶