肥満やメタボのある人はアルコールの飲みすぎにご注意 少し飲みすぎただけで肝臓へのダメージは大きい
肥満やメタボのある人はお酒の飲みすぎにご注意
肥満やメタボのある人が、アルコールを飲みすぎていると、肝臓へのダメージが劇的に大きくなることが、南カリフォルニア大学医学部健康科学部の研究で明らかになった。 肝臓は「人体の化学工場」とも言われ、生命を維持するために必要な多くの働きをしており、アルコールの分解もそのひとつ。 アルコールの飲みすぎにより、いろいろな臓器に異常が起こりやすくなるが、なかでも肝臓病はもっとも高頻度で起こり、進展しやすい。アルコールの飲みすぎによりまずなるのが脂肪肝だ。 「アルコールの飲みすぎは、肥満とメタボと相互的に作用し、肝臓に対するアルコールの影響を増幅させます」と、同大学医学部の肝臓専門医であるブライアン リー氏は言う。 「たまに飲みすぎる程度であれば良いのですが、大量にお酒を飲むのを習慣にしていると、進行性肝疾患のリスクが2倍以上に上昇することが示されました」としている。「お酒を飲みすぎている」と自覚できていない人も多い
研究グループは今回、米国国民健康栄養調査(NHANES)の1999年~2018年のデータを解析し、肥満やメタボのある人が大量のアルコールを摂取すると、進行性の肝疾患の増加が2倍以上に高まることが明らかになった。 さらに、アルコールを飲みすぎている人の多くは、そのことに無自覚で、「自分がお酒を飲みすぎている」という意識をもちにくいことも分かった。 「肥満やメタボと、過度の飲酒はどちらも、脂肪肝を促します。この2つが組み合わさると、肝臓への脂肪の蓄積が加速し、炎症を促進し、その結果、肝臓病の可能性が高まります」と、リー氏は説明する。 調査では、男性は350mLの缶ビールを1日に3本以上(純アルコール 42g以上)、女性は2本以上(純アルコール 28g以上)飲んでいると、「大量のアルコール摂取」と判定した。 普通のビールのアルコール度数は5%くらい。350mLの缶ビールには14gの純アルコールが含まれる。 「米国では2009年から2018年にかけて、アルコールに関連する肝疾患により亡くなった人の数が30%以上増えました」と、リー氏は指摘する。 「同時に、肥満やメタボの人も大幅に増えています。肥満やメタボが、肝臓の異常を引き起こしている可能性も考えられます」。 「脂肪肝の人は、動脈硬化や心筋梗塞になりやすいという報告もあり、肝臓と心血管疾患には密接な関係があることが分かってきました」。 「コロナ禍で、お酒を飲みすぎている人が増えているという報告もあります。飲みすぎにはくれぐれもご注意ください」としている。お酒を少し飲みすぎただけで糖尿病や肥満のリスクは上昇
National Trends in Alcohol Use, Metabolic Syndrome, and Liver Disease From 1999 to 2018 (Annals of Internal Medicine 2023年6月)
Light or moderate alcohol consumption does not guard against diabetes, obesity (米国内分泌学会 2023年6月27日)
Dose-dependent Association of Alcohol Consumption With Obesity and Type 2 Diabetes: Mendelian Randomization Analyses (Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 2023年6月27日)
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