ニュース

毎日30分のウォーキングが乳がんを防ぐ 女性の運動を増やすアイデア7選

 女性が乳がんの発症や再発を防ぐのに、運動が効果的だという研究が発表された。すべての生活習慣改善のなかで、もっとも効果が高いのは運動だという。
女性が運動を習慣的に行うことは重要
 女性が運動を習慣的に行うことは、乳がんの予防の観点でも重要だ。運動は、乳がんの発症や、乳がんの再発のリスクを低下することが確かめられている。過去20年間に報告された多くの研究が、運動を習慣として行うことで、乳がんのリスクが低下することを示している。

 運動が乳がんのリスクを下げるメカニズムについて、完全には解明されていないが、運動には免疫機能を改善したり、体脂肪を減らしてエストロゲンの濃度を下げる効果があることが分かっている。運動には血糖を下げるインスリンなどのホルモンを調整する効果もある。

 乳がんを予防するのに、どのくらいの運動が必要であるかについては、個人差があるので明確な目安はないが、米国がん学会はすべての女性に、ウォーキングなどの活発な運動を週に150分、うち筋力トレーニングなどの強度の高い運動を含めることを奨励している。運動の強度を高めると、がん予防の効果も高くなると考えられている。

関連情報
運動を行うと乳がんリスクが下がる 再発リスクも低下
 カナダ・トロントのサニーブルック医療科学センターの研究では、乳がんと診断された女性のうち、週に1時間以上のウォーキングなどを行った女性では、ほとんど運動をしなかった女性に比べて、がんなどによる死亡リスクが40%低下することが明らかになった。

 運動を行っていた女性では、乳がんの再発リスクがおよそ25%、乳がんによる死亡リスクがおよそ35%低くなっていた。

 運動は女性の生活の質(QOL)にも影響する。乳がんと診断された女性では、運動によりQOLが改善し、体の症状や日常の活動性、心理面(不安や抑うつ)、社会面(家族や友人との関係)がより良好になることが確かめられている。

 国立がん研究センターが5万人以上の日本人女性を14年間追跡した調査でも、運動を週3日以上行っている女性では、乳がんリスクが27%低下することが分かった。

 とくに閉経後の女性や、過体重や肥満のある女性は、運動を習慣化することが乳がんを予防するために大切だという。
運動がもっとも効果がある 女性の運動を増やすアイデア7選
 運動の種類はウォーキングに限らない。ダンス、自転車こぎ、ヨガ、ゴルフ、ソフトボール、ダブルステニス、ガーデニングなど、楽しく続けられるものが良いという。より強度の高い運動として、ジョギング、ランニング、水泳、エアロビクスダンス、サッカー、シングルテニス、バスケットボールなどもある。

 日常で歩数を増やす、階段の昇降をするなど、日常生活の一部として運動を取り入れることも勧められる。大切なのは座ったまま過ごす時間を少しでも減らすことだ。運動は肥満や2型糖尿病、心臓病、乳がん以外のがんの発症リスクも低下させる。

 「乳がんを予防するために、運動はすべての生活習慣のなかでもっとも勧められるものです。乳がんと診断された後でも、生活習慣を見直し改善することが、よりよい健康のために重要です。すべての女性に、ウォーキングなどの運動を週に150分以上行うことをお勧めします」と、サニーブルック医療科学センターのエレン ウォルナー氏は言う。

 米国がん学会は、女性の運動量を増やすために、次のアイデアを提案している――。

(1) 座ったままテレビやインターネットなど見て過ごす時間を減らす。テレビを見ているときは、トレッドミルなどを使用し、少しでも体を動かすよう心がける。

(2) エレベーターやエスカレーターに代わりに階段を使う。近くに用事があるときは車を使わず、歩くか、公共の交通機関を利用する。

(3) 昼食の休憩時には、ウォーキングやストレッチなどをして体を動かす。職場の同僚や友人、家族などといっしょに行うと励みになる。

(4) 仕事で座ったままの時間が続く場合は、休憩をとり体を動かす。職場の伝達は電子メールではなく、歩いて口頭で伝える。

(5) 長期の休暇をとるときは、車の運動ではなく、ウォーキングをする機会が増えるように計画をたてる。

(6) 歩数計を身に着け、歩数をはかる。スマートフォンのアプリを利用し、仲間をつくり歩数を競い合うとやる気がでる。

(7) 余暇の時間にチームスポーツに参加する。自宅や職場の近くに運動のサークル活動がないか探してみる。

 なお、運動をする習慣のない女性や、障害がある女性は、適切な運動の種類や量について医師に相談することを勧めている。

Get Moving to Help Reduce Your Risk of Breast Cancer(米国がん学会 2018年10月12日)
Exercise can help reduce risk of breast cancer recurrence(サニーブルック医療科学センター 2017年2月21日)
Lifestyle modifications for patients with breast cancer to improve prognosis and optimize overall health(Canadian Medical Association Journal 2017年2月21日)
余暇運動と乳がん 多目的コホート研究「JPHC STUDY」
[Terahata]
side_メルマガバナー

「保健指導リソースガイド」に関するニュース

2024年01月18日
【アンケート:抽選でAmazonギフト500円プレゼント】
「健康課題」と「健康管理システム/健康支援サービス」の活用について
2023年11月27日
2023年度版【保健指導アトラス】を公開!保健指導に携わる人が知っておきたい法律・制度
2023年10月20日
インスリン・フォー・ライフ(IFL)グローバル
最近の活動と取組みについて(アリシア・ジェンキンス代表)
2023年09月15日
2023年インスリン・フォー・ライフ(IFL)のウクライナ支援(IDAF)
2023年09月12日
期間限定40%オフ!「健診・予防3分間ラーニング」DVDセール開催中!
2023年10月13日(金)まで
2023年07月12日
【アルコールと保健指導】「飲酒量低減外来」についてのインタビュー/面談時に30秒でできるアルコール指導ツールの紹介
2023年07月04日
健康経営の推進に!課題解決に合ったものを探せる「健康管理システム」一覧をリニューアルしました【サイト情報】
2023年04月04日
【サイト情報】「よろず相談センター」終了のお知らせ
2023年02月20日
【サンプル提供】間食指導に♪糖類ゼロでおいしい甘さ「パルスイート® カロリーゼロ」&ヘルシーレシピ集
2023年02月10日
【オピニオン公開中】職域でのアルコール指導・減酒支援、多職種・チーム連携
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶