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厚労省、国保保険者インセンティブ評価指標の変更案を通知

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 厚生労働省保険局国民健康保険課はこのほど、国民健康保険組合(国保組合)の保険者インセンティブについて各都道府県から報告のあった評価結果を取りまとめ、都道府県の担当部局へ情報提供した。
 同時に今年度における保険者インセンティブについては昨年度と同様に実施するものの、市町村国保の保険者努力支援制度の評価指標の見直しなどを行うことを検討していると周知。
 今年度の配点案では、昨年度の配点をもとに「重症化予防の取組の実施状況」を50点から80点に、「がん検診受診率」を30点から45点に増やすとしている。また、「重複服薬者に対する取組」(35点)については「重複・多剤投与者に対する取組」として50点に変更予定。

昨年度の評価指標を踏まえた改正
 平成27年国保法等改正において、保健者種別の特性を踏まえた保険者機能をより発揮しやすくする、などの観点から、市町村国保については保険者努力支援制度を創設。糖尿病重症化予防などの取り組みを客観的な評価で指標を定め、その値に応じて支援金を交付している。

 今年度は昨年度の保険者努力支援制度の評価指標を踏まえ、以下のような改正を行うよう案が示された。

 まず保険者共通の指標としている共通指標②「(1)がん検診受診率」では、平成30年度の実施においてがん検診の未実施や、一部実施の組合が多数見受けられたことから新たに「胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頚がん、乳がんの5つのがん検診すべてを実施しているか」(15点)という評価項目を追加。この結果、「がん検診受診率」は2項目から3項目になり、加点は30点から45点に増やす。

 また「(2)歯科検診実施状況」については、昨年度の「歯周疾患(病)検診を実施しているか」ではなく、「歯科検診を実施(*)しているか。*歯周疾患(病)検診、歯科疾患(病)検診を含む」という表現に変更する。

 共通指標③「重症化予防の取組の実施状況」については、「⑤ 全ての対象者に対して、文書の送付等により受診勧奨を実施していること。また、実施後、対象者の受診の有無を確認し、受診が無い者には更に面談等を実施していること」と、「⑥ 保健指導を受け入れることに同意した全ての対象者に対して、面談、電話又は個別通知を含む方法で実施していること。

 また、実施後、対象者のHbA1c、eGFR、尿蛋白等の検査結果を確認し、実施前後で評価していること」について昨年度の加点10点から25点に引き上げる。この結果、「重症化予防の取組の実施状況」は全項目の合計が50点から80点に引き上げられる。

評価指標の確定版は、秋ごろに発表予定
 共通指標④「(1)被保険者へのインセンティブの提供の実施」は段階的に評価することとし、包括点数を2つに分割。

 「被保険者の予防・健康づくりの実施やその成果に対し、ポイント等を付与し、そのポイント数に応じて報奨を設けるなど、被保険者による実施を推進する事業を行っているか」を20点、「その際、PDCAサイクル等で見直しを行うことができるよう、インセンティブが被保険者の行動変容につながったかどうか、効果検証を行っているか」を35点にして、点数の配分を変える。

sihyou4.png  また共通指標⑤「重複・多剤服薬者に対する取組」では、「重複・多剤投与者の抽出基準を設定し、対象者を抽出したうえで、その者に対して服薬情報の通知や個別に訪問・指導するなどの取組を実施しているか」と表現を変え、加点を35点から50点に増やす。

 ほかにも国保の「固有指標」で一部、見直しが行われている。今年度の評価指標の確定版および予算規模については、秋ごろに「保険者インセンティブの実施通知」内で知らせる予定。

[yoshioka]
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