ニュース

児童虐待防止強化の改正法が成立―医師と保健師の配置義務化など児童相談所機能強化

gyakutai1.jpg
 「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案」がこのほど、参院本会議において全会一致で可決、成立した。
 親による体罰禁止のほか、医師・保健師を配置するなど児童相談所の機能強化についても盛りこまれるなど、一歩踏み込んだ内容となっている。

しつけでも「体罰禁止」
 改正法で注目されたのは、親が児童のしつけに際して体罰を加えてはならない、と明文化したこと。千葉県野田市で起きた女児死亡事件など、国内では「しつけ」を名目にした虐待が後を絶たないことが背景にある。

 子どもを戒めることを認めた民法上の「懲戒権」についても、体罰を容認する口実になっていないかなど、施行後2年をめどに検討する。

 同時に児童相談所の機能強化を図るため、子どもの一時保護と親への支援を行う職員を分けたほか、医師と保健師を各児童相談所に一人ずつ配置することを義務化した。

今回の法改正のポイント
 今回の法改正のポイントは以下の通り。

 【児童の権利擁護】
 〇親権者は児童のしつけで体罰を加えてはならない。児童福祉施設の施設長などについても同様とする。

 【児童相談所の体制強化及び関係機関間の連携強化等】
 ―児童相談所の体制強化―
 〇一時保護等の介入的対応を行う職員と、保護者支援を行う職員を分ける
 〇児童相談所には医師と保健師の配置を義務化する

 ―児童相談所の設置促進―
 〇政府は施行後5年間をめどに、中核市および特別区が児童相談所を設置できるよう施設の整備や人員確保などを講ずる

 ―関係機関間の連携強化―
 〇学校、教育委員会、児童福祉施設等の職員は児童に関する秘密を漏らしてはならない
 〇DVとの連携強化のため、婦人相談所や配偶者暴力相談支援センターの職員も、児童虐待の早期発見に努める

 【検討規程その他所定の規定の整備】
 〇民法の「懲戒権」のあり方について、施行後2年をめどに検討を加え、必要な措置を講ずる。

 これらの改正案は一部を除き、2020年4月から施行される。

[yoshioka]
side_メルマガバナー

「地域保健」に関するニュース

2023年08月28日
極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
2023年08月28日
カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
2023年08月28日
わずか5分の運動でも「がんリスク」を32%減少 無理なく続けられる「新しい運動法」を開発
2023年08月28日
週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
2023年08月28日
高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
2023年08月21日
肥満やメタボが「腰痛」を引き起こす コロナ禍でさらに増加 「腰痛」を改善する運動は?
2023年08月21日
朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
2023年08月21日
アルコールが高血圧の原因に 飲酒量が少ない人も血圧が上昇 2万人弱を調査
2023年08月21日
ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
2023年08月21日
「運動アプリ」がメンタルヘルスも改善 スマホアプリの導入は運動指導で障壁の低い介入に
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶