ニュース
男性の3人に1人超が肥満 高齢者の「低栄養傾向」も課題に 2018年「国民健康・栄養調査」(2)
2020年01月17日
厚生労働省は2018年「国民健康・栄養調査」の結果を発表した。
男性20歳以上の3人に1人超が肥満で、コレステロールについても目標を達成していないことが明らかになった。高齢者の「低栄養傾向」も多いことが示された。
男性20歳以上の3人に1人超が肥満で、コレステロールについても目標を達成していないことが明らかになった。高齢者の「低栄養傾向」も多いことが示された。
男性の3人に1人が肥満 高齢者の「低栄養傾向」も課題に
BMI(体格指数)が25以上の肥満の割合は、男性で32.2%、女性で21.9%に上る。肥満者が多い年齢層は、男性では30歳代(33.0%)、40歳代(36.4%)、50歳代(37.2%)、60歳代(34.6%)、女性では50歳代(19.2%)、60歳代(27.5%)、70歳以上(27.7%)。
「健康日本21」(第二次)では、20〜60歳の男性の肥満の割合を28%に抑えることを目標にしているが、現状は32.2%で目標に達していない。
男性の18.7%、女性の9.3%が「糖尿病」
2018年「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われる」人の割合は、男性の18.7%、女性の9.3%。前年度に比べ、男性で0.6ポイント増え、女性で1.2ポイント減った。
この調査では、HbA1cの測定値が6.5%以上(NGSP値)、または糖尿病治療を受けていると、「糖尿病が強く疑われる」と判定される。
成人男性の36%、成人女性の26%が高血圧
血圧についてみると、収縮期(最高)血圧の平均値は、男性で134.7mmHg、女性で127.9mmHg。最高血圧の目標は、40〜89歳で男性134mmHg、女性 129mmHgで、女性ではほぼ目標に達している。
また、最高血圧が140mmHg以上の人の割合は、男性で36.2%、女性で26.0%。年齢調整してみると男女ともに緩やかに減少している。
日本高血圧学会は血圧の値が最高血圧/最低血圧のどちらか一方、あるいは両方が140/90mmHg以上になる場合を高血圧としている。
女性の5人に1人超が高コレステロール
脂質についてみると、総コレステロールが240mg/dL以上の人の割合は、男性で12.2%、女性で21.1%となっている。前年度に比べ、男性で0.2ポイント減少し、女性で1.3ポイント増加した。総コレステロール値が240mg/dL以上の人の割合を、男性で10%、女性で17%に抑えるのが目標。
調査は2018年11月に実施。対象となったのは2018年国民生活基礎調査から層化無作為抽出した300単位区内の全世帯・世帯員。調査対象世帯数は5,032世帯で、身体状況調査の集計数は6,234人、生活習慣調査の集計数は6,554人。
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「健診・検診」に関するニュース
- 2023年08月09日
-
8020達成率は5割以上 若い世代の歯周病増、口腔ケアが課題に
厚労省「令和4年歯科疾患実態調査」より - 2023年08月08日
- 若い世代でも「脂肪肝疾患」が増加 やせていても体脂肪が蓄積 肥満とどう違う?
- 2023年07月28日
- 2022年度版「健診・保健指導施設リスト」状況を報告します【保健指導リソースガイド】
- 2023年07月24日
- 標準体重でも3分の1は実は「肥満」 BMIは健康状態をみる指標として不十分 やせていても安心できない
- 2023年07月11日
- 自治体健診で高齢者のフレイルを簡便に判定 「後期高齢者の質問票」でリスクが分かる 「フレイル関連12項目」とは?
- 2023年06月20日
- 肝臓学会が「奈良宣言2023」を発表 肥満・メタボの人は「脂肪肝」にもご注意 検査を受けることが大切
- 2023年06月12日
- 自治体健診で「心房細動」を早期発見 健康寿命と平均寿命の差を縮める 日本初の「健康寿命延伸事業」 大分県
- 2023年06月05日
- 要介護認定リスクと関連の深い健診6項目が明らかに 特定健診・後期高齢者健診のデータから判明 名古屋市
- 2023年05月19日
- 令和4年度「東京都がん予防・検診等実態調査」 受診者増加のための取組み率は健康保険組合で85%に上昇
- 2023年05月18日
-
さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-