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【新型コロナウイルス】消毒用アルコールが不足 家庭で入手できる洗剤やエタノールでも十分な消毒効果がある
2020年04月20日
新型コロナウイルスの感染が拡大しているが、消毒用アルコールが不足しており、どのように消毒をしたらよいか頭を悩ませている家庭が多い。
アルコール消毒液の代わりに、一般の家庭で手に入りやすいエタノールや、台所用洗剤の成分である界面活性剤などを用いた消毒でも効果があることが、北里大学の研究で明らかになった。
アルコール消毒液の代わりに、一般の家庭で手に入りやすいエタノールや、台所用洗剤の成分である界面活性剤などを用いた消毒でも効果があることが、北里大学の研究で明らかになった。
家庭で入手できる洗剤などで新型コロナウイルスを不活化
新型コロナウイルスの感染が拡大しているが、消毒用アルコールが不足している。コロナウイルスは、アルコール消毒(70%)で感染力を失うが、それを入手できないときはどのように消毒したらよいか、医療機関や高齢者施設だけでく、一般家庭でも大きな問題になってる。
そうした悩みを解決するために、新型コロナウイルスの消毒効果を期待できる市販製品(医薬部外品・雑貨)の効果について北里大学が調査したところ、アルコール消毒液の代わりに、台所用洗剤の成分である界面活性剤や、エタノールなどを用いた消毒でも効果があることが明らかになった。
感染拡大を防ぐための消毒方法について、厚生労働省や国立感染症研究所などが情報を提供しているが、市場に流通している市販製品(医薬部外品・雑貨)による不活化効果についての情報は少ない。
そこで、北里大学の研究グループは、市場に流通している医薬部外品・雑貨のうち、主にエタノールや界面活性剤を含む商品について実験を行い、実際に新型コロナウイルスを不活化する効果があることを明らかにした。
市販の医薬部外品および雑貨は、十分な供給体制を確保でき、海外での使用にも対応できる。
研究は、北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学研究室Iの片山和彦教授らの研究グループによるものだ。
手指の洗浄や拭き取り、洗濯などでも十分な消毒が可能
研究グループは、研究で評価した製品については、国内の複数の企業に製品サンプルの提供を依頼し、同意が得られた企業の製品を使用した。
製品評価を、北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学I研究室で実施。製品サンプルのそれぞれのパッケージの裏面に書かれている使い方を参考にし、希釈が必要な場合には水道水を用いた。
その結果、手指の洗浄や拭き取りを想定した場合に、下記の製品について接触時間を1分とした場合に、ウイルスの不活化効果があることが確認された。
接触時間:1分 (手指の洗浄、拭き取り洗浄を想定) | |
---|---|
製品名 | |
あり | かんたんマイペット(原液)、クイックルワイパー立体吸着ウエットシート香りが残らないタイプ(絞り液)、クイックルワイパー立体吸着ウエットシートストロング(絞り液)、クイックルJoanシート(絞り液)、クイックルJoan除菌スプレー(原液)、食卓クイックルスプレー(原液)、セイフキープ(絞り液)、トイレマジックリン消臭・洗浄スプレーミントの香り(原液)ハンドスキッシュEX(原液)、ビオレガード薬用泡ハンドソープ(原液)、ビオレu薬用泡ハンドソープ(3倍希釈)、ビオレガード薬用手指用消毒スプレー(原液)、ビオレガード薬用ジェルハンドソープ(3倍希釈)、ビオレu手指の消毒液(原液)、リセッシュ除菌EXプロテクトガード(原液) |
接触時間:10分 (洗濯、器具の洗浄を想定) | |
---|---|
製品名 | |
あり | アタック高浸透リセットパワー(3.5g/L)、アタックZERO(3,000倍希釈液)、クリーンキーパー(100倍希釈)、ワイドハイターEXパワー液体(100倍希釈液)、ワイドハイターEXパワー粉末(5.0g/L)、ワイドマジックリン(10g/L) |
なし | アタック抗菌EX スーパークリアジェル(1,200倍希釈液) |
手洗いや衣類やリネン類の洗浄などに活用できる
このように、これらの製品は新型コロナウイルスの不活化に有効であることが分かった。ウイルスの汚染が懸念される手指や硬質表面の洗浄の他、日常使用する衣類やリネン類の洗浄などへの活用を期待できる。
さらに、エタノールは、50%以上の濃度であれば、接触時間1分間で十分なウイルス不活性化を得られることが分かった。濃度が10%や30%であると不活性化を得られず、この濃度では接触時間を10分に延長しても効果を得られなかった。
評価方法としては、100万コピーウイルスRNA/μLのウイルス液3μLを27μLの試験対象液と混合し、常温で1分間または10分間接触させた。その後、混合した液が、試験に用いる細胞に影響を及ぼさないようにするため、細胞を培養に用いる培地で希釈(100倍希釈、1,000倍希釈を試験)して添加し、6日間培養した。
顕微鏡観察による細胞傷害性は毎日確認した。リアルタイムRT-PCRでのウイルス量の検出は0日目、3日目、6日目に実施した。細胞傷害が起こらず、リアルタイムRT-PCRでもウイルスRNA量の増加が確認されなかった試験対象液をウイルス不活化効果有りとした。
北里大学 COVID-19対策北里プロジェクト家庭内でご注意いただきたいこと~8つのポイント~(厚生労働省)
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)(厚生労働省)
SARSに関する消毒(三訂版)(国立感染症研究所)
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